受験に読書は必要?② 読解力の意味と「読書好きが落ちる穴、読書嫌いの切り抜け受験法」を10年目の国語講師が真剣に答えてみた。
*前回のまとめ
<受験に読書は必要?>
今回はオンライン家庭教師らしく、
”受験と読書の関係”について語っていこうと思います。
前提として、
▷ 今が受験の1年以上前 であれば、
積極的に、読書はしてほしい。
1日10ページ,5ページでもいいし、
内容はなんでも良いです。
とにかく 「言葉 ⇄ イメージ の変換能力をつける」
のが目的です。
だからこれは立派な「勉強時間に含めて」くださいね。
けど、まあそんな事は考えずに、
気になる物語を楽しんだり、
興味のある知識を得たり、
してくれたら、
最高です。
▷もう受験まで1年切っている場合。
読書をすること自体は反対しません。
けど、その場合「勉強時間には含めない」
ことをおすすめしてしまいます。
あくまで息抜きの立ち位置がおすすめです。
ここからは、国語を競技として、
現状でのベストスコアを目指して行きましょう。
詳しいことはこれから書いていきます。
<読解力ってなに?>
みなさんも”読解力”という
言葉自体は聞いたことがあると思います。
けど「読解力がない」って
結局、なにがないの?
「読解力をつけてください」って
結局、なにをすればいいの?
となりませんか?
それでとりあえず、
「読書をすれば読解力がつく」
「読書をしてないから読解力がない」
と結論づけがちですが、
そんな安易なものでもないのです。
またよく国語の解法として、
段落の最初が…接続詞が…と
聞きますが、
これもあくまで解法技術で、
読解力ではないです。
この「解放技術と読解力は別物」
という認識が、
大切ですが、
世間の認知が薄いと思っています。
それで肝心の”読解力”について
ここからは私の意見ですが、
読解力は
①想像力、
②語彙力、
③推理力(比較力)。
に置き換えていくことができます。
だから読解力を鍛えるはこの、
想像力、
語彙力、
推理力(比較力)
を鍛えていくことができます。
ただ、くれぐれも、
これは[国語の解法技術]の話ではありません。
その解法技術の前提のお話です。
では、”読解力”を先の”3つの意味”と前提として、
・読書好きの受験の話
・読書嫌いの受験の話
進めていきます。
<読書好きの強さと落とし穴>
まず読書好きの人について。
▪︎最大の落とし穴
この人の最大の落とし穴、敵は
《思い込み》です。
つまり、読書好きの人は
①想像力、
②語彙力、
③推理力(比較力)。
の内、①と②は今までの読書経験で
自動的に身につけていることが多いです。
だから国語の点数も割と簡単にそれなりの点数が取れます。
でも時折、
・すごい点数になってしまったり(悪い意味で)
・なかなか伸び悩む
時がありませんか。
これが落とし穴にはまっている状態だと思います。
しかし、注意点を整理していけば、
圧倒的に①と②がある読書好きさんは、
国語で満点を狙うことも難しくありません。
そのときに注意したい1例が、
2つの《思い込み》です。
◇思い込み①
《言葉の意味を間違って思い込む》
よく間違えやすい言葉に”朱”という言葉があると思います。
これがテストに出やす訳ではありませんが、
言いたいことが伝わりやすい例えだと思っています。
つまり《言葉と想像すべきイメージがずれる》
ことが時折起こるのです。
(上記の場合朱の方で濃い赤、血の様な赤を想像する。)
しかも、これは自分だけだとなかなか気づけない。
普段から、意味が怪しいと感じる言葉があったら
調べる、誰かに確認するようにするしかありません。
◇思い込み②
《自分が知っている話や知識と同じだと思い込む》
読書をしているからこそ起こる弊害です。
その後の物語の展開、評論の論理の展開を
決めつけて読みすぎるのです。
その結果、
ということが起こります。
これの対策は、
【自分の予想通りにならないことを
常に頭に入れておく】
だけでも大分変わるはずです。
この2つの落とし穴は本好きだからこそハマる罠です。
ぜひ気をつけていただきたい。
▪推理力(比較力)をつける
そして更に1段上を目指すために、
③推理力(比較力)をつけていきましょう。
この力は
「書かれている単語と書かれない単語を比べる」
ということです。
つまり、
という具合です。
この文の様に筆者の言葉のチョイスから
を感じる文になっています。
もちろん評論でもそのように言葉に注目していくことで、
筆者の表現したいことを推理し深くつかめるはずです。
この③推理力(比較力)、
「書かれている語と書かれない語を比べる」
は、ある程度の語彙力がないとできません。
ですが、視点として慣らしていけば、
逆に失いづらい力にすることができます。
読書好きさんは、ぜひ
《思い込み》に気をつけて
《単語に注目して推理力(比較力)》
を意識して、高得点を狙ってください。
(その他は個別にご相談ください。)
<読書なしはあくまでトッカン工事>
一方で
「読書は全くしてこなかった!」
というあなた。
ここは正直にハッキリ言います。
国語で満点はあきらめましょう。
現状のベストに仕上げて、
他の科目で高得点を狙う方向が現実的かもしれません。
それで、受験が一段落したら、
ぜひ読書をしてみてください。
トッカン工事でも受験を乗り越えたあなたなら、
読書の楽しさを以前より味わえるはずです。
その上で、
①想像力、
②語彙力、
③推理力(比較力)。
それぞれのトレーニングの仕方を伝えていきます。
▪ ①想像力
まずは目の前にある課題文が視覚化できているか確認しましょう。
といった具合です。
もしできない時には誰かに教えてもらってください。
国語の出来はこの想像の鮮明度、
正確さに比例すると言って過言ではありません。
読書の布石がなければ本当にモノクロ写真の解像度よりも
もっと低い、棒人間すらいない状況で読んでいる人も少なくありません。
自分のイメージ力を測るためにも第三者を挟むのが有効です。
▪ ②語彙力
語彙力は想像力につなげるための材料となります。
なので、一語一意での単語暗記は危険です。
例えば前回も使った
この意味だけを見て本当に想像できるでしょうか?
必ず使っている例文や、
言葉をGoogle画像検索して、
一語一意の意味ではなく、
イメージとつなげて覚えてください。
日本語の意味は様々な”含み”を持ち、
それが日本語美しさだと言われています。
そんな事もいつかわかると良いなと思います。
▪ ③推理力(比較力)。
この点に関しては諦めてもいいです👍
①と②、
そして別の[解法技術]があれば、
6~7割は固く取れます。
7~8割も無理ではありません
8割〜は正直厳しいかなと思います。
がここまで来れば他教科で十分カバーできますね。
(偏差値にもよる)
なので、読書嫌いさんは、
とにかく
短文を活用して、
言葉とイメージ、
文と場面(シーン)
の変換ができるようにトレーニングをしてください。
<最後に>
さて、ここまで、
読解力とは、という話から
読書好きさんと
読書嫌いさんの
それぞれの受験勉強法について
言葉にしてきました。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。
最後に一つ、読書の効果性を最大化すると言われている方法について、
それは、
です。
これには様々なメリットがありますが、
今日の内容に即したメリットは、
想像の幅が広がること
と
間違った思い込みを防げること
にあります。
なんとなくわかると思います。
自分一人で、
好き勝手に解釈、
想像、するのも楽しいですが、
それよりも誰かが与えてくれる
気づきや確認があった方が、
勉強になる。
ということです。
ぜひ皆様の読書ライフ、
受験ライフが有意義なものでありますように。
参考図書:
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