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枝がしなる 雨にはない 雪の重みに耐えている 積滞し続けるものを解かすため 漂白する我が身 …
村から外れると夜が目隠しをした 生憎、星は出ておらず 頼りになるものはなく 開けているかさ…
六花は眼前にあるほど大きなまま 睫毛に乗っても心残りのように そのままで堕ちてゆく 意図し…
身体は大人を追いかける 色素の薄い髪は季節に流される やや掠れた声で歌う少女は目を閉じる …
途切れがちな夢のなかで物語の断片を 無理やり見させられるように 雨は短い間隔で降ったり止ん…
3日経っても変わらず雨は 同じ強さのままでいた どうしてか不安が募る 晴れが3日続いても 不安…
空を根元に堕ちてきたかのよう 高くそびえる緑の塔 何世代もの人のつらなりを 一瞬のように過ごしたであろう巨木を前に 吐き出すはずの息をのむ 風が吹くたび音がつくのは この巨木があるからで 口元を隠すストールの布がはためく音は 酷く小さい 怖れる私に目をやることをもなく 鳥は枝々に止まり 昨日は陽射しを避け 今日は雨を避けている 空を根元に堕ちてきたかのよう 高くそびえる緑の塔 空の向こうの根元を探し 枝々の鳥を眺めながら目を落とす 恐れながらも地を這う根に寄りかかり
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