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いつか光るとき

遠く遠くから
希望の種を口に挿し
羽ばたきの歌と共に
雲間からそれを
金色の鳥が落とした

背に乗る少女は
見覚えのある顔で
破顔するところを見て
ああ、間違いないと確信した
私はそれを見て
泣き出しそうになってしまい
きっとそれに気づいたのか
短く弱い雨が降った

希望は待つものでも
追いかけるものでもなく
遠いながら傍にあることに
気がついていられるか
どうかなのだと思った

遠いよ、
きみはとても遠い

私はそれに気づいて
泣き出してしまい
けれどもう
雨は降ることはなかった
歌だけが語りかけた

金色の鳥は遠く遠く
目で追いかけながら
凸凹だらけの道を
泣きながら走った

tenさん作『Towards the Light』

tenさんの素敵な絵から着想を得て
ことばの絵を紡いでみました

空を飛べない私のことば

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りよう
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