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キルトの針穴

暗闇に目が慣れたころに
絶望にも僅かながらひかりはある
という思い込みを飲み込んだ
枯れてしまったかもしれない枝に
せっせと霧吹きをかけて
眺めつづけるのと同じくらい
途方もなくそして
思い違いをしているかもしれなくても
絶望にも僅かなひかりはある
ということはそういうことだと思うから
発光してるかのような天井を
見つめながら
どうやって自分を動かそうかと
思案した
夜はどうやら長いというのに
どうやら季節は短い
昼にみた昇天する蝉を思い返した

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りよう
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