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オフィーリア
鼻先で吹く風がセピア色になったから
夏は死んでしまったのだと思った
躊躇いがちに吐くため息のように
秋が夕日にかかる雲にこちらに来た
憂いがちになる朝は昔つけたピアスの跡
みたいな指先に感じるしこり
震えるうちに大事なものが零れ落ちないように
無理矢理奮い立たせる日々
季節が巡るようにそれ自身が
私より先に死んだりだとか
曲がり角だとかの変化があるのか
あるいはないのかと思案をすると
夜色をした目に見つめられているような
気分になるのだ
震えるうちに大事なものが零れ落ちないように
そして崩れ落ちてしまわぬように
待ちくたびれた廃線間近のバス停みたいに
溢れそうな涙を堪えて立っている
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