七乃二条

ばぁ。私です。

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最近の記事

『Love song from the World』の話

Secret Messenger『Love song from the World』【web】https://lsfw2024.tumblr.com/ 【CD】https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2356923【DL版】https://secretmessenger.booth.pm/items/5212109 コンセプトや世界観の検討にはじまり、6曲ほど歌詞を書きましたので、自分用の備忘録を残

    • 2023年末のメモ

      『百花』 リバイバル、過去の遺産をもとに新しいものが作られていく。 過去の人々が引き続き意思決定者であり、若者たちはその域ではない。 失敗し続ける。新しい試みから何かが生まれるのかは未知数。 ぱっと見はそれらしいものが作れるが、問題は山積みである。 「ジャニーズ問題」「ディズニー問題」 過去の栄光を作ってきたものが、価値観の正しさの暴走により崩壊していく。 それは政治的な正しさの名のもとに行われるが、それによって失われた価値そのものや、経済そのものの被害を被るの

      • 振り返り 2022年

        目的年末に色々な棚卸しをしたので、端的にまとめ、来年の目標を決めるぞ。 振り返りものづくりと、お仕事 今年は何も世に出なかった。強いて言うならば『葦原のアニマ』の体験版を頒布したけれど、あまりにもプロトタイプの感が強く、しっかり作ったという感触は乏しい。 けれど、昨年と比べると悪くはない。 昨年の私は焦っていた。或いは、狂っていた。作品に対する、私の持つ理論や理屈、経験、そして霊感と、投資家や経営者たちの評価とが激しく乖離していた。言うなれば、離人症に親しい状態で、「

        • 「無料サービスを有料化したらユーザーの質が良くなりました」を称賛しながら「twitter有料化反対」と騒ぐ私たち。

          「twitter有料化」が忌避すべきでないなぁと思ったので、思ったことをぽんぽこ書く。ナンバリングに意味はない。 ①イーロン・マスクが示したのは「金出した奴が偉い」ということ 横暴だの何だの言っても、Twitterは彼のもの 「じゃあ金出せよ」はゲスいけど正しい ②メディアから金を取る=メディアの意見を反映させる トレンド操作とかが話題になってたけど、そもそもメディアから金を貰っているなら、彼らの利益になるように行動するのが筋 「消しても消せないトレンド」は広告メ

          ナザレのイエスが白人で描かれても誰も文句は言わないのに、黒人エルフは許されない。

          『黒いアテナ』(1987)を鵜呑みにする訳ではないが、科学的根拠と照らし合わせても史的イエスは決して白人ではなさそうだ。にもかかわらず、聖画に描かれる人々はみな「美しい」白人の姿をしている。私はそれを批難するつもりはないし、同時代の表現を狩る姿勢には反対の立場だ。 さて、「黒人エルフ」に対する批判の声に、「トールキンは、支配者層、無意識の差別者、特権者層としてエルフを描いた。これは白人のメタファである。なので、黒人が演じることは作品への冒涜である(大意)」というものがあった

          ナザレのイエスが白人で描かれても誰も文句は言わないのに、黒人エルフは許されない。

          お疲れさまでした。ありがとうございました。

           C100、久々のコミケに参加しました。帰宅して寝て起きたので、忘れない内に、いくらか感想文を残します。 出展が久々だった話。  これまでは創作集団カタリストとして出展してきました。なんと、最初に出展したのはC85(2013年冬)だったようです。おおよそ10年前。  深海サスペンスADV『デイグラシアの羅針盤』、チャットノベル『アヤカ』、都市ADV『仮想国のリブラ』などをつらつらと作ってきたわけですが、最後の出展はC95(2018年冬)でした。  その後は、個人としては

          お疲れさまでした。ありがとうございました。

          脳が壊れてから。(1)

           2022年3月末、私の脳は壊れた。 症状。 記憶の欠落、視野の狭窄、日付を間違え、帰り道を忘れる。そういった状態が続いた。  気分の落ち込みとか、摂食障害、睡眠障害などもあったかも知れないが、然程問題だと思っていなかった。 除外診断は大事。 気持ちの問題については、人並みに働いていれば往々にして直面することだろうし、特段業務に支障がなかったので無視していたのだが、はじめに述べた症状は、いずれも業務や日常生活に有害だと判断せざるを得なかった。  社内の労務デスクに「この

          脳が壊れてから。(1)

          『シン・ウルトラマン』の感想。「政治でも愛でもなく」

           まず一つ言いたい。『シン・ゴジラ』と同じコンセプト/テーマで本作を語るのは如何なものか。 『シン・ゴジラ』は正しく「大災害とそれに立ち向かう名もなき人々」を描いていた。 「官僚組織のサラリーマン性」「選ばれた訳ではない『その他大勢』の活躍」「逃げ惑う民衆の撮影したショットの活用」「余りある人間味の中に垣間見えるヒーロー性」はすべてそのコンセプト/テーマを描くために用意されたものだ。ある側面でのリアリティが徹底されていたのもまた、「ゴジラ=リアルな災害」と印象づける役割を果た

          『シン・ウルトラマン』の感想。「政治でも愛でもなく」

          リスペクトとは何か

           私は、私たちは、人と人との間に関係を結ぶ。それは、友愛であり、恋愛であり、それに収まらぬ慕情であり。あるいは、信用であり、信頼であり、それに収まらぬ敬愛であり。あるいは、同朋意識であり、帰属意識であり、それに収まらぬ縁起であり。  ありとあらゆるその関係に於いて、リスペクトなるものが問われる機会は多い。或いは、リスペクトなるものが唱えられる機会は多い。  私は定義不明な言葉を使うのは嫌だし――特に、ネガティブな文脈で、「●●はリスペクトがない」と人を糾弾する道具として用いる

          リスペクトとは何か

          奏斗、トランペット吹きの休日(JAZZ-ON!の二次創作)

           秋。吹奏楽部員には思い入れのある季節。中学から吹部でトランペットを吹いていた私にとってももちろん、その筈だったのだけれど…… 「はぁーあ」  10月末の日曜日。肌寒い季節の往来は寂しい。秋の心は愁い、とはよく言ったもので、溜め息などつきながら独り歩いてみると、心も体もすっかり乾いた空気に染まるようだ。  インスタのフォロワーたちに教えてあげたい。背伸びして入った喫茶店で嗜む一杯500円のコーヒーとセットのベイクドチーズケーキよりも、木枯らしに吹かれて独り街をゆく、私の

          奏斗、トランペット吹きの休日(JAZZ-ON!の二次創作)

          燎の卒業式(JAZZ-ON!の二次創作)

          「行ってきます」 「ちょっと、燎くん」  いつものように家を出ようとして、母親に呼び止められる。振り返り、あられもない姿にぎょっとして、後ろ手でしっかりと玄関のドアを閉める。 「母さん、そんな格好で、ご近所さんに見られたら――」 「燎くん、今日は卒業式でしょう? その制服ももう見納めだし、お写真撮っておこうかしら」 「そういうのは、今じゃなくて、後で学校でしっかりやるんですよ。母さんも、時間までに準備して学校に来てください」 「え、そうなの?」 「まったく……」  どっ

          燎の卒業式(JAZZ-ON!の二次創作)

          蒼弥の里帰り(JAZZ-ON!の二次創作)

           今年の春の連休は一週間以上あるのだと、気付いたのはルームメイトが荷造りを終えてからだった。 「連休、どっか行くのか?」 「……実家に帰ります……弟が、北海道から帰ってくるというので……それに合わせて」  帰省、か。東京の大学に進学した俺は、友人と二人で、大学からほど近いボロアパートに部屋を借りた。実家から片道一時間そこそこの距離で、いつでも行き来できると思っていたのだが、それ故に帰る機会は減っていた。  それでも年末年始は実家で過ごしていたものの、ついに昨年末は来日した

          蒼弥の里帰り(JAZZ-ON!の二次創作)

          問題解決思考との付き合い方を考える。

          私は問題解決のパラダイムに囚われている。 発生した問題は解決するべきものだし、敢えて問題を発見して解決することが社会を良い方向に導くと思い込んでいる。その思い込みがどこから発生しているのかは分からない。 幼い頃からなまじ「勉強」が得意だったからだろうか。中学受験を経由して「社会=偏差値によるヒエラルキー」という意識が植え付けられたかもしれない。コンサル組織にいたことが影響しているのかもしれない。 いずれにしても、「問題を設定する」「設定された問題を解決する」という価値観

          問題解決思考との付き合い方を考える。

          世界との対話

          仕事、家庭、SNS、その他。私たちは、様々な【社会】に属している。どれだけ逃れてもいずれかには囚われ続けてしまう。Sound Horizon『檻の中の花』に描かれたように。 かつては、所与の【社会】に属して庇護される存在から、己の手で【社会】を選び取ることが、成人へのイニシエーションだった。三原順『はみだしっ子』は、通り一遍の「親」ではなく、自分を本当に愛してくれる「恋人」を探す物語。独立の物語は、けれど、根底には自分たちは「属して庇護される」存在であることを前提としていた

          世界との対話

          煽動への欲求

          科学は万能ではない。 科学とは物事を捉えるひとつの体系だ。有史以来の蓄積によって精度高く合意が取られている無二の知識と方法の集積である。およそあらゆる問題は、科学の方法で説明し、ある種の正解を見出すことが出来る。けれど、それは唯一解ではない。 科学的であることに囚われないように、強く意識していた。科学的に正しいからといって、現状最適なのかは繰り返し考えるようにしていた。なぜなら、宗教にアレルギーを持ったこの国では「科学的である」ということが、人を説得するための非常に安易な

          煽動への欲求

          誠実でありたい。

          誠実でありたい。 この一年で、師と仰ぐ人から学んだ一番大きなことかもしれない。誠実でありたい。【誠実さ】の重要性に直面する日々だ。ビジネスでも、クリエイティブでも、生活においても。 「簡単なスマホの設定もできない老人からサポート料を取る携帯ショップ」が叩かれていた時期がある。商売の基本は裁定だ。「誰かがお金を払ってでも欲しい物(やってほしいこと)を安く買い付ける(実現する)」ことで、差額が稼ぎとなる。スマホの専門家である携帯ショップが、老人相手のサポートを商売にするのは正

          誠実でありたい。