シェア
明石わかな | 本
2022年7月31日 17:45
この本は、周囲と少し変わっているため、いじめられがちなあみ子を、どこかあたたかな目線で描いている小説です。また図書館で本を借りたため、ネタバレを含めた本のあらすじを書きつつ、感想も書いてみたいと思います。あみ子は、幼い頃から変わった子でした。あみ子の母親は、習字教室を営んでいましたが、あみ子の弟を妊娠したのをきっかけに、習字教室はいったん中断していました。弟を流産したとき、習字教室再開のお
2022年7月27日 17:33
この本は、小学生の男の子たちと老人の交流を通し、生きることと死ぬこと、移り変わっていく事への観察をテーマにした小説です。小学生と老人の交流を中心としながら、ひと夏に起きた出来事が、多くのセリフとエピソードも絡め立体的に展開されていきます。この作品について、ネタバレ含みつつ考えてみます。小学生である三人は、アルコールに依存しがちの母親がいたり、自分たちの他に家族がある父親がいたり、それぞれ家
2022年7月24日 17:45
夏になっているので、夏っぽい話の感想を書いてみます。道尾秀介の『月と蟹』です。ネタバレ含みます。この話は、海辺の町で過ごす小学生の慎一と、その友達である春也が中心となって進んでいく、ミステリー要素も加えた、子供から大人になる時のもの悲しさが感じられる話です。 この話は神奈川の鎌倉を舞台とし、鎌倉の自然や祭りも絡め描かれます。話のはじめの方で、慎一と春也、そして慎一の祖父、三人で鎌倉の祭りに
2022年7月21日 19:55
この作品は宗教にはまっている親の下で生まれたちひろという子供が、日常生活を送りながら成長していく話です。宗教には暗いイメージや、宗教団体に入っている人からお金を巻き上げるイメージが連想されることもありますが、この話は少しだけ人とは違う日常を送りながらも、親の愛情受け育っていく主人公の暖かな物語が描かれています。私は別の作家さんのエッセイ内で、この小説『星の子』について書かれた文章を読み、そ
2022年7月16日 18:53
この本は、過度な教育という車輪の下じきになった、ひとりの少年を描いた話です。ヘッセが書いた別の小説は、わたしが小学校の頃の教科書に載っており読んだ覚えがありますが、今回は『車輪の下』についてネタバレしつつ考えてみます。作者の故郷であるドイツを舞台に、自然豊かな情景描写を絡めつつ、主人公ハンス少年の半生を描いています。主人公ハンスは田舎町で育ち、幼い頃から成績が優秀でした。1890年代の頭の
2022年7月12日 20:11
この本は、ファンタジーの要素を入れつつ、生と死、生物や自然界の循環をテーマにした小説です。少し不気味なイメージの表紙に沿った、不思議な世界が早い時間軸で展開されます。この作品について、ネタバレ含みつつ考えてみます。主人公の亜沙は、子供のころから「自分が料理したり、手に取ったりした食べ物を他人に受け取ってもらえない」という悩みがありました。給食当番の亜沙が器に盛ったスープを誰も手に取らなかっ
2022年7月8日 13:40
この本は中学生頃に読み、とても驚いた本のひとつです。世の中の本質的なことを的確についた本のひとつだと思います。わたしの個人的な初見によると、そういう本質的なことに切り込むのは科学や社会学の本が多いのですが、この本は人間の性格や成長において、軽く読めつつ深く考えさせていく小説です。僕は勉強ができないっていうタイトルがまず驚きます。世の中で勉強はできたほうがいいのが定説ですし、学校の先生にも親にも
2022年7月3日 19:51
この本は、若い人が大人の消費世界に飲み込まれていく成功転落物語で、芸能界を中心とした華やかな世界と、主人公の喪失感を描いています。ネットフリックスかどこかで映像化されたことを最近知り、原作の小説を思い出したため、感想を書いてみます。あらすじとしては、チーズのCM出演をきっかけに幼い頃からチャイルドモデルをしていた夕子が、母親の助けも借り大手芸能事務所に所属しブレイクを果たします。ドラマやバ