ノーチャイム制。生徒の自主性と、時間の管理することの大事さを促す制度。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
明治時代から、授業の始まりや終わりを鳴らす時報に置いては、鐘や太鼓などが使用されてきましたが、それからチャイムが浸透しました。文部科学省によれば、チャイムを取り入れるか否かは学習指導要領などで定義がなく、取り入れるか否かは学校の判断に委ねられています。
「ノーチャイム制」とは、2002年度に行われた学習指導要領が授業時間の弾力的な適用を出来たことで、2時間連続の授業などを実施させるために取り入れる学校が増加しました。「チャイムがうるさくて、支障がある」など地域住民の苦情対策でも多大な効果があるといいます。
「ノーチャイム制」の取り入れている学校の状況を把握するための国の統計は存在しませんが、文部科学省教育課程課の担当者は「子ども達による時間管理を促進させるべく各学校が工夫を凝らし、自発的にチャイムを廃止してもいいと思います」と高く評価しています。
この「ノーチャイム制「」は生徒の自主性と時間を管理することの大事さが学べると好評ですが、その一方でチャイムが鳴らないことで不安に陥り、授業に集中出来ないという課題も浮かび上がって来ました。
今回は「ノーチャイム制」について、皆さんと一緒に考えたいと思います。
「ノーチャイム制」から得られること、課題は?
日本各地の小中学校では、授業の始まりや終わりのアナウンスであるチャイムを流さない「ノーチャイム制」が拡大しています。子ども達の自主性を学び、時間を守る大事さを促す目標があります。
「あ、そろそろ座ろうよ?」。掃除が終わって立ち話中の1人の生徒が時計を指差して声がけすると、次々に子ども達は自分の席に行き、5時間目の算数の教科書を机に出しました。この東京都の小学校では授業開始の13時半になってもチャイムは鳴ることはありませんが、教員が黒板の前に立つと、日直が生徒へ号令を出して授業が開始されました。
この小学校では2022年4月に「ノーチャイム制」を取り入れ、普段チャイムは朝の開門時と最終下校時以外は鳴ることはありません。先生たちが「大切に感じること自発的に行動に移せる力を馴染ませたい」と考慮し、「ノーチャイム制」を取り入れました。まだ時計が読むことの出来ない低学年の子ども達には「長い針が6に差し掛かるまでにみんな席に戻りましょう」と教えています。
時間厳守しない子どもには、「どうしたの?次はどうしたいの?」と先生たちが投げかけ、子どもの主体的な行動へと促進させていました。
この小学校の主幹教諭の男性は、
「時間を逆算して行動することは学校を卒業し、大人になってからも大切なやり方。チャイムが鳴らなければ、時間を気を配ったり、周囲を見渡して行動出来る社会性が持ち合わせられます」と「ノーチャイム制」の定義を強く強調されました。
効果
「ノーチャイム制」を散り入れたことで子ども達の結束感が起こった学校もありました。愛知県刈谷市立中学全6校で「ノーチャイム制」を取り入れています。取り入れてから今年で20年を迎えた中学校では、子ども達がトイレや廊下にいたクラスメイトに「もうすぐ授業が開始するよ」と声をかけ合う文化が誕生しました。学級全体で時間を管理する意識が向上しました。
「ノーチャイム制」は先生からもにも評判が良いといいます。この中学校の教頭の男性によれば「授業内容のまとめなどを先生が話していても、終わりのチャイムが聞こえて来るとと子ども達は集中力が切らしてしまう。『ノーチャイム制』ですと、キリが良いシーンで授業を終了出来る」と述べました。
課題
その反面、チャイムを鳴らさなくしたシーンの課題が鮮明に表面化し、「ノーチャイム制」の本格的な取り入れをしなかった学校もあります。東京都の中学校に関しては2021年3月、「ノーチャイム制」を1週間、試験的に取り入れました。ですが、約20人いた特別支援学級の子ども達の中には、チャイムが鳴らないことで、不安そうな表情を浮かべる子ども達もいたということでした。毎朝実施している10分間の読書の時間でも、子ども達から「時間が気になり出して、読書へ集中が欠く」との声も寄せられ、本格的な取り入れをしませんでした。
参考:「そろそろ座る?」、子供の自主性養うノーチャイム制が広がる…試験導入で課題も 読売新聞(2022年)
教育研究家の男性によれば、
「『ノーチャイム制』を取り入れた学校が拡大した印象です。チャイムは授業に向けて気持ちの切り替えが出来る作用がありますが、チャイムで授業を終わらせないことで臨機応変に時間割で授業が出来る良さもあります。学校ではチャイムがあっても無くても、子ども達みんなで時間を自主的に管理する習慣を染み込ませる学びも必要です」
と懸念しました。
確かにチャイムの音が聴こえなくなった気がします
私が子どもの時は、毎日うるさい位、登下校中や授業中、休み時間など色んなシーンでチャイムが鳴っていました。私が子どもの頃は、チャイムが鳴る=次の授業に向けて、頭のスイッチの切り替え、そんな存在でした。
それが今では子ども達の自主性や時間の管理することの大事さを養う為に、「ノーチャイム制」となっているんですね。確かに私の母校からも、チャイムの音が消えていました。その一方でチャイムが鳴らないことで、不安になり、授業に集中出来ない子ども達もいて、「ノーチャイム制」を見送った学校もあるんですね。
確かに私も発達障害の過集中で、時間の切り替えが苦手なので、会社で記事を書いている時、チャイムと始まりの号令がかかると、頭の切り替えが出来ます。私もチャイムと始まりの号令が毎回かかることで、ホッとしているところはあると思います。これから先「ノーチャイム制」の導入が加速するかと思いますが、まずは1つ1つの課題をクリアしていかなければならないですね。