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『香味醗酵』は、テレビに映っているにおいを音波を活用して、再現できる技術を開発。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは、においに敏感ですか?鈍感ですか?

私は発達障害で、恐らくその中で感覚過敏があるのか、においにかなり敏感です。においで自分にとって危険な場所か察知したり、そういう場所には近付かないなど、危機意識が働く方です。

直感も鋭いので、嗅覚と合わせて、自分の五感を働かせます。

料理も、「美味しそうなにおいがするなぁ〜」と思いつつも、何の料理かまでは当てられません。

テレビで観ていて、美味しそうな食べ物が映った時、「どんなにおいがするんだろう?」と、考えたことは一度はありませんか?

今、兵庫県のとある会社が、そんなテレビに映るにおいを再現しようという、技術が開発しました。

大手企業も、音波を活用して複数のにおいを測定可能なセンサーなどの開発に励んでいます。

テレビに映る料理のにおいを、テレビの向こう側に届ける-。そんな未来を実現できる技術を、兵庫県三木市などに拠点があるベンチャー企業『香味醗酵』が開発しました。人間の鼻がにおいを感じるメカニズムをセンサーで再現し、「におい」を数値データ化し、離れた場所で同じにおいを創り出せる様になっています。

関連技術で既に複数の国際特許を取得しました。防虫剤の開発、認知症の早期発見など、応用できる分野には際限なく応用できます。

『香味醗酵』の担当者は「どこもまだ本格的な実用化には至っていない」といいます。

今回は、『香味醗酵』が開発した、「においが出るテレビ」の技術に関して紹介したいと思います。

「においが出るテレビ」のメカニズム

2017年に、『香味醗酵』は、デザイナーや大阪大学の教授などが創業しました。三木市が企業誘致のために集めた企業版ふるさと納税の寄付金で補助金を提供する事業に採択され、2023年10月に三木市志染町に本社機能の一部を移転しました。

『香味醗酵』の久保賢治社長によりますと、ヒトの鼻の粘膜には、においの成分と結び付くと情報を脳に伝達する、嗅覚受容体がおよそ400種類あって、反応する程度やにおいは受容体ごとに違います。

今回の独自開発した技術では、どの受容体がどう反応したかを視覚的に可視化することで、においの数値化に成功しました。

においの反応を可視化させるメカニズムは、においの成分が受容体に結合すると、細胞内にイオンが流入します。そのイオンに蛍光色を付けると、反応が強い時には流入する光が明るく、イオンが多くなります。反対に弱ければ光も弱く、イオンも少なくなります。その強弱を計測して数値へと置き換えます。

においを測定するセンサーは、人工の「鼻」で、1辺0.5mm四方のマス400個を配置したガラスプレートに、ヒトの鼻の細胞を敷き詰めています。

『香味醗酵』の久保社長は、「ヒトが感じるにおいの成分はおよそ40万種類で、全てを感知可能な人工センサーは開発できないので、およそ400種類の嗅覚受容体だけで、においの全てを感じ取るヒトの鼻を再現しました」と説明しました。

参考:テレビに「映った」香り再現 においデータ化、離れていても感じる技術 三木のベンチャーが開発 神戸新聞NEXT(2024年)

この技術を応用すれば、自然に感じるにおいを人工的に再現可能です。具体的には、かつお節のにおいで刺激を受ける鼻の受容体10種程度に狙いを絞って、反応を計測します。同じ反応を促進するにおい成分を数種類かけ合わせることで、かつお節が近くになくても同じ香りが再現できます。

においの感じ方を数値に置き換えてデジタル化が可能ですと、音や光みたいに電送可能です。電送先に複数のにおい成分をかけ合わせる装置があると、集めておいたデータをベースに、においを再構成し、その場に拡散することも可能です。

『香味醗酵』の久保社長が想定している、「においが出るテレビ」のメカニズムだとします。

このメカニズムを応用すれば、

この記事の本文にある様に、あらゆる分野に活用できると思います。

この記事の中に、認知症の人の早期発見という文が出てきました。実はそのことに関して、2022年に、所属する会社のサイトで書いたことがあります。

ソニーが、2023年3月23日に、「におい提示装置」を開発し、販売しております。その装置は、こちらの記事でも出て来る嗅覚が鈍くなる認知症の人の発見だったり、コロナに感染し、嗅覚障害が残った人向けに、開発されました。

ただ、病院で使用される医療機器なので、販売価格は240万円と、一般の方向けの金額ではありません。

『香味醗酵』の技術も独自開発なので、機器の値段が高いかもしれませんが、ソニーのものと違い、医療の分野だけではなく、様々な分野で、活躍することでしょう。

テレビで湯気が出ている、美味しそうなものを観たら、「食べたーい」ってなりますし、本物が手元にないので食べられませんが、においだけでも分かったら、テレビがこれまでとは違う幸せのカタチで、観ることができそうですね。

参考サイト

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