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認知症グループホームのはなし

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認知症の方への支援の記事をまとめています。
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#介護

なぜ食べないんだろう

なぜ食べないんだろう

はじめに高齢者介護に携わっていると、食事を食べないご利用者に出会う事があります。特養で介護士をしていた時に、ある出来事がきっかけで「食べない」という事を考えさせられました。そのお話をしようと思います。

なぜ食べないんだろう?森田(仮名)さんは、70歳代の女性の方で左麻痺がある方でした。麻痺側はダラーんとしていて上肢も下肢も全く動かすことはできません。認知症はほぼない状態で意思の疎通はしっかりでき

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パーソンセンタードケアを超簡単に説明する

パーソンセンタードケアを超簡単に説明する

パーソンセンタードケアを

現場の目線でかみ砕いて

超簡単に説明します。

パーソンセンタードケア(現場Ver)
簡単に言うとパーソンセンタードケアは

認知症の症状や行動に焦点をあててケアをするのではなく

認知症の方その「人」に焦点をあてて、その人に合わせていこう

というアプローチです。

認知症の方の「生活歴」・「職歴」・「性格」・「趣味嗜好」などから本人が何をしたいかを探り、本人らしさ

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新入職員教育

新入職員教育

9月1日から新しく中途で職員を採用した。
人事異動による欠員で、約2年ぶりの職員採用。
久しぶりの新入職員教育。

入職してくれた方は、去る2ヵ月前の7月にホームを職場体験して、ホームのケアに共感してうちに決めてくれた。

初日はオリエンテーションを行い、ホームの認知症ケアの考え方等をお話しし、2日目からはOJTを行っている。

私が現場で新しい職員を教育するにあたり、業務については優先順位が低い

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ホームの会議                                    認知症の方に合わせるホームを作るには

ホームの会議  認知症の方に合わせるホームを作るには

前回、
認知症の方に合わせてホーム環境を変える
というお話しをさせてもらいました。

簡単にまとめると

認知症の方でも

できなくなった生活行為によって本人は困っている筈なので、困っている原因を探す

困っているのだから、ホームの環境自体を認知症の方に合わせる

ホームの環境次第で、生活行為を継続できる事がある

というお話しでした。

介護の現場で働いている読者の方は
理想はそうだけれども

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職場の心理的安全性を高める

職場の心理的安全性を高める

前回、ホームの会議について書きました。

今回は会議の継続についてです。
会議を活性化する為に取り組んだ方策をお話しようと思います。
と思ったら、一年前に書いたホーム機関紙での記事があったので、それを、そのまま紹介する事にします。

認知症の方に合わせてホームの環境を変える

認知症の方に合わせてホームの環境を変える

ホームの環境は認知症の方に合わせて変えなければいけません。

認知症の方は今までわかっていた事がわからなくなったり
環境に合わせる事が難しくなっているから認知症なのです。
それなので、ホーム側が認知症の方に合わせなければなりません。

以前、トイレにおいて
手を拭く為のペーパータオルでお尻を拭いてしまう方がいました。
それは、認知症で物の区別が付かないのに、
おしりを拭く紙

手を拭く紙
の 2

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帰宅願望の支援。

帰宅願望の支援。

強い帰宅願望への対応は難しい事が多いと思います。
最近、別府で独り暮らしをしていた方がホームに入居して、現在進行形で転居後の生活を作り直している最中です。
ホームに来る過程での会話のやり取りは忘れてしまうので、もちろん帰ろうとします。

新たな生活作りを始めて、まだ1週間ですが、ご本人が新しい環境に慣れる兆しが見えてきたので、今行っている対策をまとめたいと思います。

経過まずはここまでの経過を簡

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そりゃ帰るよね〜② 地域支援事業で在宅支援

そりゃ帰るよね〜② 地域支援事業で在宅支援

家族から週末だけお泊りの希望があった近所にお住いの方。
土曜日の夕方に来たのですが、
本人にしたら、家は目の前だし、泊まる理由もなく
結局、夕食後に家に帰る事になりました。
次の日の日中までホームに居る予定だったので、明日の日中にホームに来るお約束をし、家まで送りお別れしました。

さて、次の日の朝。
お約束は10時。
迎えに行くと
しっかりと昨日のお約束と私の事を覚えていてくれ(メモ書きと名刺を

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そりゃ帰るよね〜 地域支援事業

そりゃ帰るよね〜 地域支援事業

週末だけお泊まりの希望がありました。
土曜日の夕方に来て日曜日の夕方に帰る
と言う内容です。

ホームには4畳位の空き部屋があり、地域で本当に困っている人だけに自費で利用してもらっています。
去年の夏に自宅で脱水の危険がある方に利用してもらう為に作りました。

今回も、在宅で独りで生活している方なのですが、家族が週末の支援が入らない日が心配で利用する事になりました。

先週は本人が「行きたくない」

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LIVE配信。

LIVE配信。

ユーチューブでお話させて頂きました。

私の上司である総合ケアセンター駒場苑の苑長
坂野悠己さんが主宰している
YouTubeチャンネル
「介護噺」
にゲスト出演させて頂きました!

介護噺とはこのチャンネルは、
介護現場の生の声を届けたい!
というコンセプトで(多分…)
介護界の旬の人たちが
介護現場の事や介護への考え・想いを15分程の小噺スタイルで伝える内容です。

今までのゲストは
介護界の

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訪問美容師さんに辞めてもらった話し

訪問美容師さんに辞めてもらった話し

ホームに来ていた「訪問美容師」さんに辞めてもらうことにしました。
カットをするホームの利用者に対して、命令口調で指示していたからです。

その美容師さんの資質もあったと思いますが、認知症の方とのコミュニケーションの仕方を知っていれば、起こらなかったのではないか、とも思います。
そこで、事の経緯を説明しながら、認知症の方とのコミュニケーション方法についてお話しします。

美容師さんが利用者さんに命令

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