さがら@認知症グループホームのひと

グループホームに入居したからこそ、活き活きとその人らしく生活できる!認知症の方が居場所と感じられるホーム創りを日々実践中。 東京都認知症介護指導者/社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員・認知症ケア専門士/宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級FP技能士・簿記3級

さがら@認知症グループホームのひと

グループホームに入居したからこそ、活き活きとその人らしく生活できる!認知症の方が居場所と感じられるホーム創りを日々実践中。 東京都認知症介護指導者/社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員・認知症ケア専門士/宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級FP技能士・簿記3級

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認知症の方が外に出て行く理由

私が管理者をしているホームは鍵をしていません。 なぜならば家だからです。 防犯の為にはしても良いと思います。 しかし、中にいる人を「出れなくする」為の鍵はしてはいけないと考えています。それは根本の解決にならないからです。 それでは、外に出て行く方に対してどの様に支援すれば良いのでしょうか。 出て行く理由から考えていきたいと思います。 認知症の方が出て行く根本的な理由とは認知症の方が外に出て行こうとする最大の理由は、ここを自分の居場所と感じていない事だと思います。家に居ても「

    • お風呂に入りたがらない方への対策

      もともとはお風呂が大好きだったご利用者さんがお風呂に入ることを断るようになりました。そのような場合にどのようにしたら良いのでしょうか。 介護施設などでは、お風呂に入りたがらないご利用者の方が多く、業界用語では「入浴拒否」なんて呼ばれています。介護者の目線である「~拒否」という言葉に違和感を感じ当ホームでは使用しないのですが、それはさておき、 入浴拒否が生じた場合には、 認知症の方の視点を尊重した対応が大切と考えており、 ホームの話し合いを通して、入浴するようになった事例があり

      • 新入職員教育

        9月1日から新しく中途で職員を採用した。 人事異動による欠員で、約2年ぶりの職員採用。 久しぶりの新入職員教育。 入職してくれた方は、去る2ヵ月前の7月にホームを職場体験して、ホームのケアに共感してうちに決めてくれた。 初日はオリエンテーションを行い、ホームの認知症ケアの考え方等をお話しし、2日目からはOJTを行っている。 私が現場で新しい職員を教育するにあたり、業務については優先順位が低い。 業務は繰り返していれば覚えるし、業務ファーストではないので、そのうち利用者に

        • 家族と写真を共有

          LINEのアルバム機能を使って、日常の利用者の様子を家族が見れるようにしています。 やっている事は単純で、 利用者の日常の様子をホームのスマホで撮り、LINEのアルバムにアップロードします。 家族とはLINEのお友達になり、「写真」というグループを作って入ってもらいます。 そのグループでアルバムを作り、家族がいつでも観たり写真をダウンロードできるようにしています。 ※入居時に個人情報の利用について同意を頂いているのと同時にLINEグループで写真を共有する事についても同

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        認知症の方が外に出て行く理由

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        • ホーム改善のはなし
          10本
        • 認知症グループホームのはなし
          35本

        記事

          職場の心理的安全性を高める

          前回、ホームの会議について書きました。 今回は会議の継続についてです。 会議を活性化する為に取り組んだ方策をお話しようと思います。 と思ったら、一年前に書いたホーム機関紙での記事があったので、それを、そのまま紹介する事にします。

          職場の心理的安全性を高める

          ホームの会議  認知症の方に合わせるホームを作るには

          前回、 認知症の方に合わせてホーム環境を変える というお話しをさせてもらいました。 簡単にまとめると 認知症の方でも できなくなった生活行為によって本人は困っている筈なので、困っている原因を探す 困っているのだから、ホームの環境自体を認知症の方に合わせる ホームの環境次第で、生活行為を継続できる事がある というお話しでした。 介護の現場で働いている読者の方は 理想はそうだけれども 具体的にはどうすれば良いの? と思ったでしょう。 そこで、 どのようにホームに落

          ホームの会議  認知症の方に合わせるホームを作るには

          認知症の方に合わせてホームの環境を変える

          ホームの環境は認知症の方に合わせて変えなければいけません。 認知症の方は今までわかっていた事がわからなくなったり 環境に合わせる事が難しくなっているから認知症なのです。 それなので、ホーム側が認知症の方に合わせなければなりません。 以前、トイレにおいて 手を拭く為のペーパータオルでお尻を拭いてしまう方がいました。 それは、認知症で物の区別が付かないのに、 おしりを拭く紙 と 手を拭く紙 の 2つの紙がトイレにあった事が原因と考えました。 どっちを使えば良いかが分からなかっ

          認知症の方に合わせてホームの環境を変える

          餅つき

          5月の「こまば食堂」では、餅つきを行いました。 餅つきは良いですね。 餅つきは年末年始の季節行事として 日本人、特に高齢者は恒例行事としてやっていた方も多いと思います。 それなので、 皆さん身体が自然と動くんですよね。 餅を付いて 丸めて 食べる そもそも知っているから 誰かが音頭を取れば 認知症の方も見様見真似で参加できます。 5月のこまば食堂5月の餅つきでは 蒸す人がいて 順繰り突いて みんなで丸めて みんなで味付けをして 利用者さんの息子や娘も孫も 利用者さ

          そりゃ帰るよね〜② 地域支援事業で在宅支援

          家族から週末だけお泊りの希望があった近所にお住いの方。 土曜日の夕方に来たのですが、 本人にしたら、家は目の前だし、泊まる理由もなく 結局、夕食後に家に帰る事になりました。 次の日の日中までホームに居る予定だったので、明日の日中にホームに来るお約束をし、家まで送りお別れしました。 さて、次の日の朝。 お約束は10時。 迎えに行くと しっかりと昨日のお約束と私の事を覚えていてくれ(メモ書きと名刺を置いて帰ったから?)、 私をお家へ招き入れてくれました。 お家に入ると 「どう

          そりゃ帰るよね〜② 地域支援事業で在宅支援

          そりゃ帰るよね〜 地域支援事業

          週末だけお泊まりの希望がありました。 土曜日の夕方に来て日曜日の夕方に帰る と言う内容です。 ホームには4畳位の空き部屋があり、地域で本当に困っている人だけに自費で利用してもらっています。 去年の夏に自宅で脱水の危険がある方に利用してもらう為に作りました。 今回も、在宅で独りで生活している方なのですが、家族が週末の支援が入らない日が心配で利用する事になりました。 先週は本人が「行きたくない」とおっしゃり中止になりました。 本日は皮膚科に行った帰りにそのままホームに来て、

          そりゃ帰るよね〜 地域支援事業

          生活動作の支援

          グループホームの支援は認知症に対する支援がメインではあるのですが、生活動作の支援が必要な方もいらっしゃいます。 入居の時点で歩いていた方も年月の経過と共にどうしても生活動作は低下してしまいます。 そこで、認知症グループホームでの生活動作の支援をお伝えしようと思います。 結論から言うと、認知症のケアでも生活動作のケアでも、基本的な考え方は同じで、 出来ないところは助けて、できる事は最大限に使えるようにする と言う事に尽きます。 排泄介助についてのお話しです。 ホームに入居し

          認知症当事者の声から学ぶ

          認知症ケア学会 北陸・甲信越ブロック大会に参加しました。 参加と言っても、今どきはWEB配信なので参加費を払って視聴しただけです。北陸・甲信越ブロック大会に参加できるのですから、良い時代になったと思います。 そのブロック大会はと言うと、すべて良い講演でした。 その中でも、タイトルに書いたように、「当事者の声」が聴ける講演は本当に考えさせられましたので、簡単な紹介と私の感想を書こうと思います。 認知症ケア学会 北陸・甲信越ブロック大会ブロック大会のテーマは、 「認知症当事者と

          お風呂に入る事よりも大切なこと

          別府からホームに入居した方の話しの続きです。 別府から来た方は、絶対にお風呂に入りません。 ホームが「居場所」になってきてはいるものの「家」とは思っていないので、 お風呂にお誘いすると 「ありがとう。でも家に温泉があるからね。ゴボゴボッゴボゴボッっち沸いてきよる。今度、うちに入りおいで」 とおっしゃって断ります。 返す言葉がありません。 このような場合、お風呂に入れようもしても無駄だと思います。 そして、お風呂に入る事よりも大切な事があるとも思います。 そのように考えさせ

          お風呂に入る事よりも大切なこと

          大切なのは日々の生活

          別府から入居した方の支援の話しです。 入居から30日経過。 別府で独りで暮らしていましたが生活が成り立たなくなり、東京の私の勤めるグループホームに入る事になりました。 しかし、本人にしたら東京に居る理由などないので別府に帰ろうとします。本人が帰ろうと思ったら止める事はできず、外に出たらホームに連れ帰るの事も難しいです。朝に窓から出て行ってしまう事もありました。 その方に対しての支援としては、 認知症になる前のような本人らしい生活ができる という目標を立てました。 入居か

          真実を告げる日

          出て行って警察に保護された別府から入居した利用者さんが、朝方窓を乗り越えて外に出て行くという事がありました。 入居して12日目の事です。 6時頃に夜勤職員が気付いて警察に電話したところ、警察が保護してくれていて無事にホームに戻る事ができました。 ご本人が近くのファミリーマートに立ち寄ったところ、店員さんが裸足でいる事を不審に思い警察に連絡してくれたそうです。 ホームに戻った際には、 「(20年くらい前の生活習慣だった)朝の散歩にいっちょった」 とおっしゃっていました。 先日

          嘘はつかない方が良い。

          別府から入居した利用者さんが少しづつホームに溶け込んでいる様に感じます。 来てすぐの数日はホームを「大分」と偽ってホームに居てもらいましたが、先日、 「ここは東京」と告げた事で ホームを信頼してくれた 本人が前向きになった 様子が見られているので、その経緯をお伝えしようと思います。 来た経緯認知症で介護度1 別府で一人暮らし 医療・介護サービスは拒否して、医者も薬を出せず お金や物をあげたり無くしたりしてしまって毎日息子に電話してくる 実際に物が無くなっている 「