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タイムリーダーシップ強化パッチ:相対的時間を伸ばす戦略

これまでタイムリーダーシップをコストリーダーシップの概念をupdateしたものとして説明した。タイムリーダーシップとは、時間的競争優位を目指す戦略だ。

これと自らの存在そのもの(企業の究極的な存在意義、自分らしさ)を重視するbeing経営を合わせることで、『コストリーダーシップ・差別化戦略・集中戦略』の三つ全てを発動したとき以上の力を発揮する。

タイムリーダーシップは、経験曲線の時間軸も圧縮し、コストリーダーシップを含んでいる。更に、コストリーダーシップの弱点(規模の不経済・ソフトウェアへの適用・差別化集中戦略との併用不可・破壊的イノベーションへの脆弱性)を補っている。

タイムリーダーシップを発動すれば、経験曲線の時間軸も縮めるため、コストリーダーシップも発動した以上の力を発揮する。また、差別化や集中する究極的な目的は「その会社の製品・サービスでしか得られない価値を与える」ことにある。このため、この両者を発動することが経営の本質と言えるだろう。

その上で、今回はタイムリーダーシップを発動する上で必要な条件や方法について考えてみる。

まず、これまでに話した内容にゼロマネジメントがある。

タイムリーダーシップを発動には、時間戦略を決める必要がある。そして、時間での加速を目的とする以上、何をするか?より、何をしないか?を決めることが重要だ。そして、この何をしないか?を決める戦略こそ、ゼロマネジメントだ。

よってタイムリーダーシップを一行でまとめるならば、『何をしないか?の時間戦略を決める』ことと言える。

そして、今回注目すべき点はそこに相対的時間での加速を組み合わせることだ。

相対的時間が長いということは、集中して、短い時間を有効に使えることを指す。

絶対的時間の戦略は、労働時間を短くする、納期を短くする、時間の掛かる〇〇の工程を省略する、メールを届ける相手を絞るなど、「するか?しないか?」そのものに影響を与えることに着目する。時間の量に対する戦略だ。

これには、ゼロマネジメントが極めて有効だ。しないことを決め、することを小さく、小さくすることで、加速する。

一方で相対的時間の戦略は、集中力や、フロー状態になどに着目する。時間の質に対する戦略だ。

時間の質を高めるためには、何より仕事に対する高い集中力が必要となる。この集中が最大に高まった状態が、フロー状態と言える。

この発動条件は、
①ほどよい緊張感
②少しだけ背伸びしたとにかく明確な目標
③特定のタスクへの集中
④意見を常に肯定して統合する(統合思考)
⑤セルフマネジメント
⑥即時フィードバック
⑦仕事の存在目的を持つ
⑧出る結果は分からないこと
が挙げられる。

このため、being経営とはかなり共通する部分も多いと言える。③⑤⑦はbeing経営でも補える。

しかし、目標をとにかく明確にすること、少し背伸びをして程よく緊張感を持つこと、フィードバックを高速にすること、出る結果は分からないことが、これまで話してきた究極型パラダイム、CAIサイクルや、being経営で説明できない。

フローになるには、自分が登るには少し高く険しい山を、明らかな道のりを決めて登り、常に状況が分かり、自分でコントロールできるようにしつつ、山頂や途中の景色は分からず楽しみに取っておく、という状態が適切だ。

少し背伸びし、少しハラハラする旅路を決め、行き先と、する行動は完全に決め、常に現在地が分かる状態で過程を楽しむ。これがフローになり、相対的時間を高める戦略だと言える。

そして、相対的時間を高めることで、達成感を増やし、幸福度を高めたり、生きがいを生み出すことができるのだ。

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