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無期懲役囚の手記と社会の真理

はじめに

若くして無期懲役の判決を受けた犯罪者が現在の社会へ訴えかけるモノは、皮肉にも、今、現実で起こっている諸問題へのアンチテーゼ(対立命題)になりうる内容でした。

ここまで読んで下さった方で、「私には関係ない」と思われた方へ。

誰しも加害行為に何らか関わる可能性を持っているという事はお伝えしておきます。

仕事、通勤、副業、趣味、交際関係など全て人が関わっているからです。

肉体的暴力だけではなく、精神的なものによってPTSD等に至れば、刑法上の傷害罪が適用されます。

社会人で「加害者になる可能性ゼロの方は存在するのでしょうか?」と、手記に入る前に、まず、僕から問いたいと思います。

実例として、僕は「配信」を当てはめやすいため、その経験を基に、手記を読んで思ったことを書きます。

皆さんにとって、自分や自分と関わりある事・人を想像して、この文章を読むと更に伝わるモノがあると思います。


①/7   無期懲役囚の手記・冒頭

冒頭、自身の立場を踏まえ、何を訴えたいのか?を述べています。

自身のように「闇バイト」「ホワイト案件」等で検索している者たちは、「馬鹿で知的弱者」であるという文言に強いメッセージ性を感じます。

書かれてるような「犯罪傾向が高い」人は、まだ捕まってないだけで周囲にいる可能性は十分あります。

特に大きな都市に住んでいれば、割と頻繁に、近くで犯罪が起こったり、不審者情報が入ってきたりと、そういう人物が身近にいると感じやすいはずです。

「配信」でも同様に、アプリが都道府県だとしたら、配信者コミュニティは○○市内であり、リスナーによって住む場所も、その場所の刑法犯遭遇率も、その人の「犯罪傾向」の高低も当然違います。

※参照:治安ワーストランキング(ALSOK)
刑法犯遭遇率トップ⑤(23年12月)
①大阪 ②兵庫 ③東京 ④埼玉 ⑤福岡
かつて修羅の国と呼ばれた「北九州」を抱える福岡は、刑法犯認知件数は8位と改善が見られ、関西・首都圏の犯罪率が際立つ。

②/7    無期懲役囚の手記・①‐1

・楽な仕事なんてありません
・パクられた後の事も貴方の楽な仕事には含まれていますか?
・短絡的思考に基づき安易に行動すると、必ず不幸に陥ります

これらは、不正・犯罪行為をせず、懸命に生きてこられた方々には当然の理であると思います。

しかし、楽して稼ぐために短絡的思考に基づき安易に行動する人は少なくとも、「配信界」にはいます。

それが「配信界」の特殊性でもあると思います。

通常の仕事では不正をしなくても(出来なくても)、「ネット越し」だとついつい、不正をするような協力者を募って、実績を盛ってしまう、元々身近だった人を知っています。

その時、不正行為で得たお金があれば、誰か1人のが救えたかもしれません。

副業含め、日常全体に、このようなが仕掛けられていると暗示しているのです。

お金を得るという事は、支払う誰かがいて、それは、その人の今日の夕食代や今月の交際費・光熱費・子供へのお小遣い・家賃・医療費だったかもしれないということを考えない人が多すぎる気がします。

③/7    無期懲役囚の手記・①‐2

・幸福は他人の犠牲では得られません
・人間は必ず両面性があり善い部分もあります
・転んだ人が泣いていたり、体の弱い人だったり、怪我をしていた場合、素直にどう思いますか?
・全ての方々を不幸にすると知っても貴方は幸せを感じられますか?

「フジ性加害事件」にピッタリ当てはまる文言ではないでしょうか?

結局、一部の人間の欲望のために、被害者、被害者の関係者は元より、加害者の関係者、スタッフ・社員全員、企業全体まで揺るがす事態となっています。

まさに、何もしていないし、知らなかった人達まで巻き添いを食っている状況です。

「兵庫県知事関連」もそうです。
「裏金問題」もそうです。
一部の利権を守りたい者たちが、議会、議員、市民、政財界、そして国民まで巻き込む騒動へ発展しているのです。
決して他人事ではありません。

僕自身、「配信」を全力でしていた頃、筋を通して伝えた事が曲解され、活動を辞めてしまうことにより、僕の立場はおろか、僕のリスナーさん、仲良くなった配信者、恋愛、そして命まで失いかけました。

他者を踏み台のように利用し、利用価値がなくなったら別れる(裏切る)という行為は、その周囲を全体的に不幸にし、いずれ、踏み台にした者に必ず返ります

世の中は『因果応報』で成り立っているからです。

まさに『全ての人を不幸にし、それでも幸せを感じれるか?』(「自分だけ良ければいいのか?」)について、疑義が生じている昨今の諸問題含め、社会全体が問われているのだと思います。

④/7    無期懲役囚の手記・②(前半)

・困ったら周りに頼る
・大事なのは頼る相手
・SNSにて悪いことを探せる一方、良い事を探せるのが今の時代
・貴方の選択によって生じる後悔は一瞬か一生か考えてみて下さい
・行動として昔の自分に堂々と胸を張れるか、10年後の自分を想像してみて下さい

社会で起こっている様々な問題・事件において、問題の中心にいる人・犯罪者は誰を頼って、その結果になっているのか。
これは点と点が繋がり線となる部分です。

SNSを利用した誹謗中傷は止みませんが、それらを発信する人達は良い事を探しているのでしょうか?
開示請求をされてからでは遅くないでしょうか?

「配信」で目立つためなら、いくらでも「不正」をして良いと思っている人がいますが、今捕まってないからといって良いとは思いません。

まして、志が高かった始めたばかりの頃の自分に見せられるのでしょうか?
また、その不正をしてまで必死になって獲得しようとしているステータスは、存在すらしてないのかもしれない位、心許ないものです。

⑤/7    無期懲役囚の手記・②(後半)

・貴方が身勝手に短絡的な行動をされた後に周りの方々が「頼ってほしかった」「相談してほしかった」と思われる可能性は高いです
・恥ずかしいという気持ちもプライドが許さない事も理解できますが、無理して背伸びを続けるなんて貴方には無理です
・素の貴方から離れる人がいても、外見でしか判断できない人だったり、利用価値の有無で判断される人の可能性が高い
・いやでも自然に似た人が集まります
・万人よりも心許せる数人です
・貴方の心が変われば、あなたの人生は変わります

これらは、社会に生きる全員に関わる事柄です。
僕みたいに悩みなどの相談が苦手な人も無理に抱え込んでしまいすぎるのは良くありません
それは、僕自身が深く自覚しているからです。

僕にはプライドなんてほとんどありません。
ただ、自分を応援して下さる方々、人生において出会った人との経験、そこで学び、定めた信条目的意識は、自分の中の『生きてきた証』であり、否定される筋合いはないというだけです。

等身大でしか文章は書けないのと同じです。

「配信」では、様々なタイプの配信者もリスナーもいますが、概ね、その配信者に似た人が集まります
例)「キラキラ」したい人はそれに憧れる人・「稼ぐためには手段を選ばない」人・「不正を繰り返す」人・「志が高い」人・「死ぬほど頑張る」人 etc.

一定の理解のもと、心許しても裏切るような人は、素の僕を評価出来なかったということです。

方針を変える事は誰にでも出来ます。

今この瞬間からでも、「こうありたい」自分を実現するために生きることです。

⑥/7    無期懲役囚の手記・③

・私の考えをここまで読んでくれる人は普通いないと思います
なぜなら、殺人犯に説法されるのはさぞ腹が立つと思うからです
・私なら所詮しょせん、負け犬の戯言だと聞く耳を持たず、最終的には現実から逃げていたと思います
・立ち止まる事が出来ない者はここまで読まないと思っています
・真面目だからこそ、私なんかの意見に聞く耳を持つ貴方の人間性は立派でとても優しく、貴方なら現実的に正しい道を歩める

立場を問わず、人の話に耳を傾ける事が求められる職業が世の中にあります。
殺人犯だから、悪い事をしたのは間違いないですし、ご遺族の方々は読まなくて当然かと思います。

しかし、この無期懲役囚と関係がない人達が読むか否かは勿論、どう解釈するかは人それぞれです。

「配信」で言うなら、自分の元々は全く興味なかった人の話を聞いてみる事から、新しい知見ちけんが広がっていくものです。

元々「興味ある」ジャンルの人や話は、普段から情報を得ているからです。

だからこそ、全く交わらない、元々関心もない人の話を聞く・読むのには、「新しい価値観」を取り込もうとする「エネルギー・知識欲」が必要となります。

この殺人犯が書いてるように、興味がない分野の人だと、はなから決めつけ、全く話を聞かない人は社会に沢山います。

しかし、それは「新しい価値観・考え方」に触れるという、人と関わっていれば当たり前な現実から逃げている事でもあり、何か問題行動を起こしても立ち止まれない人の事と、いみじくも文章から読み解くことが出来ます。

僕自身、そこは一番共感するところです。

だから、僕は「配信」する上で、「目的意識」を共有した上で、様々な立場の人と、ガチで「生き方・考え方」を語り合うと同時に、全く触れてこなかった「ジャンル」の人達の話も楽しく聞くことが出来るのです。

⑦/7    無期懲役囚の手記・まとめ

・加害者の我々が何を思い、考えても、被害者の方々の苦しみは癒えないというのが事実
・世の中には果たせない責任もある事は、事実としてお伝えしておきます

①闇バイト等の犯罪は不幸しか生まない
②素直に周りに頼る
③真面目な貴方なら大丈夫
とまとめています。

「配信」を例に考えてきましたが、どんな仕事や日常にもこれら文章は当てはまる事を書いています。

「配信」でも、SNSでも、酷い仕打ちを受け、その相手が信頼してる人・大事な人であればあるほど、もしくは権力があればあるほど、心身ボロボロになり、僕も含めたPTSD(心的外傷後ストレス障害)等の症状に襲われかねません。

特に真面目で一生懸命な人ほど。

なので、そういう時は、「頼るのが苦手な自分」でも、誰かにSOSを求めて良いんだなと再確認しました。

PTSDになるということは、フジ問題含め、誰かが関わっており、大事にならないと「非を認めもしない」者たちは、会見を見ても明らかだと思います。

口だけ「反省しました」と言ってても、PTSD等になった人が救われることはありません

「約束」には、酒の席での軽い約束から、恋人と結んだ純粋で100%な想いのこもった約束まで様々あります。

犯人は「果たせない約束もある」と書いていますが、愛した人との「約束」くらい守るべきです。

それも出来ずに、何を・誰を守れるのか、僕は疑問です。

社会で生きている上で、例えば車でバイクで自転車で人をひいてしまう可能性はありますし、普段していた思いがけない事から相手に精神的・肉体的苦痛を与え、加害者になる可能性があることも、同時に心に留めておく必要があると思いました。

あとがき 

23歳で無期懲役囚となった者が書き記した手記ですが、犯罪自体は到底許せるものではありません。

ただ、仮に何かの本を読みながら、この手記を書いたとしても、現代の同年代である、大学・院生~新社会人で、ここまで考えて書けない人がいるのも事実です。

また、闇バイトだけではなく、社会の諸問題の当事者に欠けている部分が書かれているようにも感じます。

現在、幅広い年代で詐欺や犯罪まがいの行為がSNSや配信を含め、社会全体で行われています。

冒頭述べたように、僕やあなたの周りや、道ですれ違った誰かが、犯罪者や犯罪予備軍である可能性は十分にあります。

一方、自ら命を絶つ学生も後を絶ちません。
※厚生労働省調べ(令和6年度自殺者)
児童・生徒 527名
(高校生349名・中学生163名・小学生15名)

『少子化』の現状を鑑みても、自殺者や犯罪者になる若年層をいかに減らすかは、社会問題と言って良いでしょう。

この手記で問われている事も含め、政府任せではなく、一人一人が議論を深めていく必要があると思います。

規範となるべき大人が裏金、利権絡み、誹謗中傷、詐欺など問題を起こしてる現状で、学生は誰の背中から学べば良いのか、躊躇してしまう事は容易に想像できます。

また、長引く不況で、貧困化・二極化が生まれ、お金に絡む事件を起こす人も増えています。

この無期懲役囚は、元々母子家庭で16歳から仕事をしていたため、社会に右も左も分からない中飛び込み、大人の世界に浸かり、悪い大人からの勧誘に生活に困って乗ってしまった、典型的な闇バイトの犯罪者です。

1つ歯車が狂うと、この状態に陥る可能性がある若年層も多いことでしょう。

特に、大学進学を期に、地元から離れたは良いものの、お金に困り、事件を起こす者も増えています。

もしかしたら、そこ(凶悪犯/一般人)を隔てる壁は1ミリもないかもしれません。

また、どのような価値観に触れたとしても、後々、自分に活かせるかはその人自身に他ならないということを身に染みて感じました。

「成功者に学ぶ」というのは、啓発セミナーのようなものである一方、「失敗から学ぶ」ことは、どんな立場の人からも、一人一人の人生に少なからず訪れる危機的状況に向き合う術を与えてくれるように常々思っています。

仮に、フジ性加害事件の被害者のような立場になった時、被害者としての振る舞いも問われている昨今です。

渡邊渚氏は『私をPTSDにした人たちに「私の言論は止められない」と訴えたかったから』と著書で綴っています。

死ぬほど苦しみ抜いた人は、覚悟を持っていると痛感します。

私事で言うなら、1つの手段に過ぎませんが、発信する場(ツール)を増やすことも、それに触れる人が増えることにより、客観的な意見をもらえるため、有効的であると考えます。

傷ついた人々の「自分の現在の状況」を接してきた人達に知らせるという側面もnote含めたSNS・配信の役割にはあります。

皆さんなら『加害者・被害者になった時、どうしますか?』と最後まで読んで下さった方々へ、最後に問い掛けさせて頂きながら、締めくくりと致します。

©2018 Yuyu#6

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