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CINEMA REVIEW

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映画を観た感想を記録として残していきます。昔観た映画も掲載するかも。
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記事一覧

「小学校 〜それは小さな社会〜」

「小学校 〜それは小さな社会〜」

山﨑エマ監督のドキュメンタリー映画「小学校 〜それは小さな社会〜」をシネ・リーブル神戸で見た。今回のアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『Instruments of a Beating Hearts』はこの作品を元に短く編集したものだ。

まずYoutubeで山﨑監督のインタビューをたまたま見て、その制作意図や監督の日本の小学校に対する考えに興味を惹かれた。「小学校が『日本人』を

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映画「敵」

映画「敵」

吉田大八監督、長塚京三主演映画「敵」を見た。予告編を見て繰り返される「敵」という得体の知れない言葉に興味を惹かれた。筒井康隆の同名作品の映画化と知り面白そうだと思った。また瀧内公美が出演しており、これも見に行こうと思った理由の一つだ。昨年の大河「光る君へ」での存在感のある演技で好きになった女優だ。

午前、家を出る前にシネ・リーブル神戸のサイトから予約を取る。午後3時前の上映開始だからなのか、席は

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映画「はたらく細胞」

映画「はたらく細胞」

武内英樹監督作品、映画「はたらく細胞」を見た。原作漫画やアニメ等は全く見ていないけれど、たまたまキャストの舞台インタビューとアクションシーンを目にしたことがきっかけだ。「テルマエ・ロマエ」や「翔んで埼玉」の武内監督というのも何となく「吹っ切れた作品感」があって、何があっても割り切れる感じがした。

昔テレビで見たアメリカ映画、「ミクロの決死圏」(1966年作品)を思い出す。潜水艦ごとミクロ化した5

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GLADIIATOR  英雄を呼ぶ声

GLADIIATOR 英雄を呼ぶ声

リドリー・スコット監督作品「グラディエーターII  英雄を呼ぶ声」を見た。2001年にラッセル・クロウ主演でアカデミー賞を獲った「グラディエーター」の続編だ。前作の印象がとても強く残っていたので、今作品も映画館に足を運んだ。

続編とは言うものの、前作を見ていなくとも楽しめる。北アフリカの地中海国家ヌミディアはローマ帝国との戦いに敗れ、その支配をうける。ルシアスは戦いで妻を失い、奴隷としてローマに

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「侍タイムスリッパー」

「侍タイムスリッパー」

安田淳一監督作品映画「侍タイムスリッパー」を見た。幕末の会津藩の侍が現代にタイムスリップをするという話だ。タイムスリップものは映画では1つのジャンルだし、江戸時代の人が現代にタイムスリップするというのも今までもあるように思う。

この映画では侍が現代の時代劇撮影所に迷い込み、「斬られ役」として現代に居場所を見つけるという話となる。本物の侍が時代劇の侍役、それも斬られ役を演ずるのだ。剣の腕が立つこの

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ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ

映画、「ゴールデンカムイ」を見た。原作漫画が人気で映画化となったようだ。日露戦争後の北海道で、伝説の埋蔵金塊の争奪戦が繰り広げられる。漫画の登場人物たちに寄せている役者たちが見ものだ。またアクションシーンは素晴らしく、見どころだ。先日みた「ゴジラ−1.0」でゴジラをはじめとするCGのレベルの高さに驚いたが、今回も熊や狼などの動物たちのCGは見事だった。日本の映画の技術も上がっているなと思った。

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ゴジラ ー1.0

ゴジラ ー1.0

山﨑貴監督作品

昨日、山﨑貴監督作品、「ゴジラ ー1.0」を見た。山﨑監督作品は「ALWAYS 三丁目の夕日」、「DESTINY 鎌倉物語」、「永遠の0」などいくつか見ている。「三丁目の夕日」はVFXを強く意識することなくノスタルジーに浸ることができた。「鎌倉物語」の方はどちらかと言うと、特殊効果を楽しんで見た。「永遠の0」は原作を読んでから見たのだが、映画では再び原作の感動を味わえた。今作品は

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ミッション・インポッシブル デッドレコニング Part one

ミッション・インポッシブル デッドレコニング Part one

映画「ミッション・インポッシブル デッドレコニング Part1」を見た。夏休み前にインディ・ジョーンズを見た時に予告編が流れたので、是非とも見ようと思って出かけたのだが、詳細を知らずに行ったので、これが「Part one」と銘打っているのに気がつかなかった。

このシリーズは欠かさずに見ているが、テレビシリーズ「スパイ大作戦」の単純なプロットからだんだんと複雑化してきて、最近では組織そのものとの対

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「インディー・ジョーンズと運命のダイヤル」を4 DXで見た

「インディー・ジョーンズと運命のダイヤル」を4 DXで見た

映画公開3日目の日曜日に「インディー・ジョーンズと運命のダイヤル」を見た。インディー・ジョーンズシリーズ5作目にして最終話である。勿論のこと今までの4作品は見ていて、あの「ダーダダッダーン、ダダダーン、、、」のレイダーズ・マーチを聴くともう見ずにはいられない。

80歳を超えたハリソン・フォードが今までと同じくらい、時には少し控えめにアクションシーンをこなしていることに脱帽する。1960年代に大学

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サン•ジャックへの道

サン•ジャックへの道

フランス映画「サン・ジャックへの道」(2005年)を観た。コリーヌ・セロー監督、出演はミシェル・ロパン他。ずっと前から見ようと思っていた映画で、いよいよサンチャゴ巡礼出発が3ヶ月を切ったので、配信で観ようと探す。ところがネット配信はなされていない。仕方なく近くのGEO店舗で「旧作」レンタルを探すがない。結局、GEOの会員となって宅配DVDを借りることとなった。

3人のきょうだい(兄、姉、弟)の親

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フェイブルマンズ

フェイブルマンズ

家族の物語

スティーブン・スピルバーグ監督、ガブリエル・ラベル、ミシェル・ウィリアムズ出演の映画「フェイブルマンズ」を見た。スピルバーグの自伝的作品ということが宣伝文句になっている。もちろんその通りだが、原題がThe Fablemansというので分かるように家族の物語だ。そしてファミリーネームの特徴からはユダヤ系の家族の話だと分かる。

冒頭の主人公サミーが初めて映画(「史上最大のショー」)を観

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オットーという男

オットーという男

マーク・フォスター監督、トム・ハンクス主演「オットーという男」を見た。2015年スウェーデン映画のリメイク作品。愛する妻に先立たれ仕事も失った年配の男が死を決意するものの、新たな隣人と触れ合う中で、生きることを選択していく物語。

オットーは気難しい男で、ルールやマナーを守らない人に対しては手厳しい。近隣でも職場でもしかめっ面で、気を許す人はいるようには見えない。しかし、昔からそうだったわけではな

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イニシェリン島の精霊

イニシェリン島の精霊

マーティン・マクドナー監督・脚本、コリン・ファレル主演の映画「イニシェリン島の精霊」を観た。数々の映画祭でノミネートや賞を取った作品だ。アカデミー賞にもノミネートされているようだ。

イニシェリン島はアイルランド本島の西にある架空の小さな島。映画の中では時折、アイルランド本島の方から砲撃音が聞こえ、煙が見える。時はアイルランド内戦時代だ。ただ、島民には内戦にも現実味が感じられず、どこか遠くの世界の

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インド映画 すれ違い

インド映画 すれ違い

家内が休みの日の朝、映画を見にいくと言う。何の映画か尋ねると、
ー インド映画。〇〇〇〇。(聞き取れず) 知らんの?
ー あの、映画のやつ?(映画を題材としたインド映画のつもり) 新聞にのっとったな。
ー そうやった?

夕食の時に感想を聞く。
ー 歌とか踊りとかあった?
ー うん。ストーリーは都合良すぎるやろっていう感じ。ノリノリで爽快感ありすぎ。
ー まさにインド映画、エンターテイメントやな。

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