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映画「はたらく細胞」

武内英樹監督作品、映画「はたらく細胞」を見た。原作漫画やアニメ等は全く見ていないけれど、たまたまキャストの舞台インタビューとアクションシーンを目にしたことがきっかけだ。「テルマエ・ロマエ」や「翔んで埼玉」の武内監督というのも何となく「吹っ切れた作品感」があって、何があっても割り切れる感じがした。

昔テレビで見たアメリカ映画、「ミクロの決死圏」(1966年作品)を思い出す。潜水艦ごとミクロ化した5人が人体に入り体内から危機的な疾病を治すというストーリーだ。人体内を壮大な映像で見せるのがアイデアで、当時としては迫力のある映像だった記憶がある。

さて、「はたらく細胞」の方は体内の構造を割り切ってセットで表現し、細胞を擬人化していて、アプローチが違う。そして細胞に人格(細胞格?)があり、赤血球が成長して一人前になっていく様子、望まずに変異してしまう白血球の悲哀など、細胞に感情移入してしまう辺りがこの映画のキモとなっているのだろう。

阿部サダヲ演じる父親と芦田愛菜演じる高校生の娘のストーリーはベタだけれど、この二人が演じるととても良く、キャスティングが成功している。若い娘の体と不摂生な父親の体内を対比させるのもアイデアだし、白血病の体内の動きをアクションシーン満載で描く場面は迫力があった。佐藤健演じる白血球のアクションシーンは見どころの一つで、映画版「るろうに剣心」のオマージュのようだ。

体の細胞のはたらきを分かりやすく解説をする、ためになるマンガ、というコンセプトを見事にエンタメ化した作品と言えよう。

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