第三滑走路(短歌)

青松輝(Q短歌会)、丸田洋渡(山梨学生短歌会OB)、森慎太郎(Q短歌会OB)による短歌ユニット。主にネットプリントを出しています。

第三滑走路(短歌)

青松輝(Q短歌会)、丸田洋渡(山梨学生短歌会OB)、森慎太郎(Q短歌会OB)による短歌ユニット。主にネットプリントを出しています。

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最近の記事

第三滑走路14号へのサポートについて

こんにちは。第三滑走路です。 2023年1月23日から、第三滑走路14号の配信が始まりました。 2022年3月配信の13号以来、約10ヶ月ぶりの新号となる今回は、メンバー3人それぞれの20首連作を掲載しています。 印刷期限は1週間後の1月30日(月)。ネットプリントをまだ出力したことのない方にも、ぜひお近くのコンビニで印刷して読んでいただきたいです! また、第三滑走路14号では読者のみなさんからのサポートを歓迎しています。 3人での継続的な活動の糧にさせていただきた

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    • 第三滑走路13号へのサポートについて

      こんにちは。第三滑走路です。 先日、2022年3月5日から、第三滑走路13号の配信が始まりました。 今回は 25首連作×3 に加えて、丸田洋渡100首連作を掲載した、175首のボリュームある号となっています。印刷期限は2022年3月12日で迫っています、ぜひお近くのコンビニで印刷して読んでいただきたいです! 第三滑走路13号では、読者のみなさんからのサポートを歓迎しています。 3人での継続的な活動の糧にさせていただきたいと思いますので、余裕のある方はぜひご検討ください

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      • 第三滑走路12号へのサポートについて

        こんにちは。第三滑走路です。 今日(2021年9月11日)から、第三滑走路12号の配信が始まりました。 今回は 20首連作×3 に加えて、特集「第三滑走路の自由研究」と、かなりの大ボリュームになっておりますので、ぜひお近くのコンビニで印刷して読んでいただきたいです! 第三滑走路12号では、読者のみなさんからのサポートを歓迎しています。 3人での継続的な活動の糧にさせていただきたいと思いますので、余裕のある方はぜひご検討ください。 以下、有料になっていますが、何も書か

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        • 第三滑走路 11号【短歌58首】

          こんにちは! 第三滑走路です。 2021年6月12日から19日にかけて、ネットプリント「第三滑走路 11号」を配信しました。1年2ヶ月ぶりの新号ということもあって、想定よりも多くの方に読んでいただくことができ、非常に嬉しかったです。ありがとうございました。 さて今号は、ネットプリントを出力し損ねた方や、後から第三滑走路を見つけてくださった方のために、pdfのデータを有料公開(100円)します。 もしご興味おありでしたら、ぜひご購入の上お読みいただければと思います。迷って

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        マガジン

        • 作品集
          13本
        • 【一首評】
          9本
        • 好きな短歌を紹介する
          6本
        • 1906「うたの日」選評
          7本

        記事

          hymn/last dance 丸田洋渡(40首)

          第三滑走路の丸田です。10号(note版はこちらから)よりしばらく更新が空いてしまいましたが、10.5号として、個人の40首を掲載したいと思います。いずれ出る11号もお楽しみに! ──────────────────────────────  hymn/last dance   丸田洋渡 超喜劇的なリズムが待っている 踊っていると忘れていられる ♪︎ 生きていて生きていることが厄介 all endings are predicted 名字が花瓶で、花が名前になるよ

          hymn/last dance 丸田洋渡(40首)

          明日には短歌に飽きてしまう青松輝へ

          (この記事は、2020年4月23日に森の個人ブログに掲載したものを、掲載時の予告に従って転載したものです。内容には手を加えていません。) (文中に引用されている短歌は、記名のあるものを除き青松輝の作品です。) ◇ 見たことのない星へ旅するために滑走路を 終わらない工事を /青松輝 ◇ 明日にも、青松輝は短歌に飽きてしまう。それは、仕方のないことだと思う。 岐阜亮司のこの記事が世に出て、8ヶ月が経とうとしている。この記事に書いてあることが、少しだけ位相を変えて現実に

          明日には短歌に飽きてしまう青松輝へ

          第三滑走路 10号【短歌12首×3】

          こんにちは!第三滑走路です。 約5か月ぶりの新号として「第三滑走路 10号」を配信します! 昨今の #StayHome の情勢を踏まえまして、今回はネットプリントをやめてnoteでお届けします。 この記事は公開から一週間後の4月26日以降、有料(100円)になりますので、無料期間にぜひたくさん読んでもらえたらと思います。 記事の末尾にはいつも通りのレイアウトのPDF版も掲載してあります。そちらには3人の「ひとこと」も載っていますのでぜひチェックしてください! それで

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          第三滑走路 10号【短歌12首×3】

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          第三滑走路 9.5号【川柳】【10号準備号】

          こんにちは。第三滑走路です! 昨年11月に9号を出してから、かなり間があいてしまっていてすいません。 現在、10号を制作中なのですが、青松が締め切りを守れず、まだお出しできない状況です。 あんまり間隔をあけすぎるのはよくないということで、今回は9.5号と題しまして、noteで川柳を公開しようと思います。青松は3句、丸田と森は15句です。 句の引用など歓迎です! 何かあればTwitterで #第三滑走路 まで! ◇ 締め切りを守らないことのお詫びに代える3句  青松

          第三滑走路 9.5号【川柳】【10号準備号】

          【一首評】水平線をかすめるような七並べ後にも先にもこの一度だけ(五十子尚夏)

          水平線をかすめるような七並べ後にも先にもこの一度だけ /五十子尚夏「秋に消えゆくもの、冬に留まるもの」 七並べを始めるとき、7のトランプが縦一列に並ぶ。左には6、5、4と、右には8、9、10と、順番に世界は広がってゆく。 子どもの頃、初めて親と七並べで遊んだとき、AとKは隣接しているとして扱うルールを「地球まわり」という名前で教わった。だから七並べには、世界地図で西の端と東の端がくっつくような、そんなイメージがある。縦に並んだ7のトランプも、ある意味では水平線なのかもしれ

          【一首評】水平線をかすめるような七並べ後にも先にもこの一度だけ(五十子尚夏)

          【一首評】ドラム式洗濯機のなか布の絵本舞はせて夏をうたがはずあり(光森裕樹)

          ドラム式洗濯機のなか布の絵本舞はせて夏をうたがはずあり /光森裕樹「鶴をつなぐ」(『山椒魚が飛んだ日』) 「鶴をつなぐ」は、結婚、妊娠、出産、子育てを夫・父の視点から歌う連作群の中の一連。主体が父となったとき、季節は秋であった。 赤ん坊は世の中に対峙するとき、まずは何でも口に入れてみる。だから赤ん坊用のおもちゃは大抵、口に入れても大丈夫なようになっていて、絵本もそういう理由で布で作られたりする。 布の絵本を、洗濯する。赤ん坊のもとでよだれまみれになった絵本は、ドラム式洗

          【一首評】ドラム式洗濯機のなか布の絵本舞はせて夏をうたがはずあり(光森裕樹)

          【一首評】髪を切った理由のように舞茸と鮭の炊き込みご飯をつくる(國森晴野)

          髪を切った理由のように舞茸と鮭の炊き込みご飯をつくる /國森晴野「髪を切る」(ねむらない樹 vol.3) 「舞茸と鮭の炊き込みご飯」が美味しそうに立ち上がる歌だと思う。歌に食べ物を詠み込むとき、その食べ物が美味しそうに見えるかどうか、はかなり大事だと思っている。(もちろん、美味しそうには見えないように書かれることが効く場合もある。)そもそも舞茸と鮭の炊き込みご飯というメニューが美味しそうというのはあるけれど、この歌においては「髪を切った理由のように」「つくる」ことが、美味し

          【一首評】髪を切った理由のように舞茸と鮭の炊き込みご飯をつくる(國森晴野)

          【一首評】地球から地球儀になるまでのどこかの私たちがぎりぎり住める星(我妻俊樹)

          地球から地球儀になるまでのどこかの私たちがぎりぎり住める星 /我妻俊樹「ある県立」(『足の踏み場、象の墓場』) 地球を、地球儀へと変形させる。たとえば、左端を100%地球で、右端を100%地球儀として、スライダーのつまみを左から右へとゆっくり動かしてゆくような。 この変化において、本質的なものは何か。この歌は、「私たち」が住めるかどうか、を問題にしている。「私たち」は、日本人かもしれないし、人類かもしれないし、動物かもしれないし、生命かもしれない。さまざまなレンジがありう

          【一首評】地球から地球儀になるまでのどこかの私たちがぎりぎり住める星(我妻俊樹)

          【一首評】朝の八百屋できみと水菜を買いたいな絶望はいつだって単純だ(初谷むい)

          朝の八百屋できみと水菜を買いたいな絶望はいつだって単純だ /初谷むい (『朝になっちゃうね#01』) 「絶望はいつだって単純だ」に対して、ほんとうに?と思う。複雑な絶望は存在しないの?と。 「朝の八百屋できみと水菜を買いたいな」は希望だと思うけれど、これはかなり複雑だと思う。夜でもいいし、コンビニでもいいし、一人ででもいいし、牛乳でもいいし、投げたいなでもいい。あらゆる希望がありうる世界で、複雑に条件を指定して、たった一つの希望が浮かびあがる。 だから反対に、希望が複雑

          【一首評】朝の八百屋できみと水菜を買いたいな絶望はいつだって単純だ(初谷むい)

          【一首評】風靡する いいね、わたしもいちめんのすすきヶ原で風靡されたい(岐阜亮司)

          風靡する いいね、わたしもいちめんのすすきヶ原で風靡されたい /岐阜亮司「感情の訓練」(『ポストシェアハウス 1号』) まずは、辞書を引く。 ふうび【風靡】(名)スル 風が草木をなびかせるように、多くの者をなびき従わせること。 「一世を-する」 (『スーパー大辞林』) そういう意味があるんだなあ、と思う。正確には、聞いたことはあったので、そういう意味があったよねえ、と思う。 辞書の解説では既に、風が草木をなびかせるというくだりは喩えとしてしか触れられなくなっているけれ

          【一首評】風靡する いいね、わたしもいちめんのすすきヶ原で風靡されたい(岐阜亮司)

          【一首評】ちはやぶるレスキュー隊に助けてもらう圧倒的な恋愛の中で(濱田友郎)

          ちはやぶるレスキュー隊に助けてもらう圧倒的な恋愛の中で /濱田友郎「一切の望みを捨てよ」(京大短歌22号) こういう歌を読むと、安心する。そして、勇気づけられる気がする。 たとえば初句の「ちはやぶる」は、ふつう神に関する言葉にかかる枕詞だけれど、この歌では「レスキュー隊」にかかる。もちろんこれは、助けてくれるレスキュー隊のことを神だと思うようなニュアンスを伝えるためにしていることだけれど、別にこの技法自体はそんなに凄いものではない。いま枕詞というものを利用して面白いことを

          【一首評】ちはやぶるレスキュー隊に助けてもらう圧倒的な恋愛の中で(濱田友郎)

          【一首評】神がかってる日は笑いながらターキーがとれる次がダメでもスペアにできる(谷川由里子)

          神がかってる日は笑いながらターキーがとれる次がダメでもスペアにできる /谷川由里子「ドゥ・ドゥ・ドゥ」 「神がかってる日は」と聞いて、「神がかってる日」って何だ?と思う。何か凄いことが起きて、今日は神がかってる、と言うならわかる。いきなり「神がかってる日は」と言うとき、その「神がかってる」をいつ誰がどう判断しているのか、不思議な気分になる。 「神がかってる日は笑いながらターキーがとれる」と読み進めて、それは「笑いながらターキーがとれる」から「神がかってる日」なのでは?と思

          【一首評】神がかってる日は笑いながらターキーがとれる次がダメでもスペアにできる(谷川由里子)