hymn/last dance 丸田洋渡(40首)
第三滑走路の丸田です。10号(note版はこちらから)よりしばらく更新が空いてしまいましたが、10.5号として、個人の40首を掲載したいと思います。いずれ出る11号もお楽しみに!
──────────────────────────────
hymn/last dance 丸田洋渡
超喜劇的なリズムが待っている 踊っていると忘れていられる
♪︎
生きていて生きていることが厄介 all endings are predicted
名字が花瓶で、花が名前になるような乗り物の血族は嫌ですねえ
drops drop 家系図の紙がどんどん透けて蛇口が見える
ずるずると人の流れを見ていたい 巨大な看板に腰かけて ね
回り回って人が壊れていくところ見てみたいかも/見たくないかも
知らず知らずのうちに誰かを傷つけてきたんだ game of tradition
ひるの美術館で鋭くなっていく心に、自分が追いつけなかった。
百人は冷蔵庫には入らない 切ったとしても切ったとしても
どうせなら挑発らしい挑発を 飛行機とビル飛行機とビル
いざとなれば射出座席があるという負け方だけを聞き逃していた
夜はこんなに危ないんだと身をもって示す これからの夜のために
天秤が 心のなかの天秤が 一気に傾いていきました。
♯
jazzy ライトが愛情みたいに膨張した街の通りをジグザグ歩く
こうやって見ると四角か三角の建物ばかり 音楽シティ
出会いたてにしては話もメトロノームでしたから踊り始めています
みんな変/拍子ですよね/心臓っ/て暗号でで/きてるんですよ
侵略と全く同じ方法でいつの間にかメロディアスな二人
from heart to another heart 音楽があればあとは踊り方の問題
クロールの技術がここで活きるとは jazz あなたがリズムを継いで
find the final rhythm ガラス片でつくったドレスの異様なかがやき
宇宙のようなこんなドレスで持ちまえの回転を見せつけてあげます♡
愛という水たまりで胸がいっぱい 長靴で踏み尽くされていて
踊っても踊っても晴れないままで気持ちだけでは生きられません
meeting and parting 歌を歌ってあげられるような余裕もなくて
last dance in the decadence 落ちていくようにわたしはわたしに抱かれ
♮
ダンスの余韻もそこそこに 夜から朝にかけて記憶ごと抜けていく感じ
シュガーレスな朝は頭をまわせない 鏡をみる私ではない顔
問題の裏で異なる問題が進行していた まるで…………
私に一つの心臓が誰かの心臓と入れ替わって gimmick
神廟をひとり歩いてゆくきもち内臓のきれいなレイ・アウト
暗号/天使の演技を演技する/演技を天使する/暗号
誰として生きているのか分からない水飴をおもわせるあおぞら
loop or helix あなたのなかでいつまでも交わる私たち
lack of four seasons テンポよく移り変わってゆく死生観
快楽と恐怖ないまぜ 長い空てっぺんまで落ちていきたいよ!
病んでいる空とこれから病むだろう私からなるハーモニック・ワールド
飴がわたしとわたしたちを殺すのね 林檎状の天体に生まれて
手と手取りあって上手くいきますように hymn to our civilization
♪
凛として死はそこにある 光とおなじ四角形の窓
──────────────────────────────
読んでいただきありがとうございました。
10号はこちらから
twitterはこちらから
これからもよろしくお願いします!
(2020/10/11)