記事一覧
イギリスの紀要に論文が掲載されました。
ブリストル拠点の学術雑誌"Studies in Musical Theatre"のVol.14, no.2に論文が掲載されました。
『雨に唄えば』で知られる脚本家・作詞家ベティ・コムデン&アドルフ・グリーンが若い頃にコント・グループ「ザ・レヴュワーズ」の一員として取り組んだラジオ・ヴァラエティ『ファン・ウィズ・ザ・レヴュワーズ』について書いています。
羽衣作品と仲良くなるための口パク〜FUKAIPRODUCE羽衣『スモール アニマル キッス キッス』
実に5ヶ月半ぶりの劇場だった。9月3日、吉祥寺シアターにFUKAIPRODUCE羽衣『スモール アニマル キッス キッス』を見に行った。深井順子:プロデュース、糸井幸之助:作・演出・音楽、木皮成と根本和歌菜:振付という布陣である。
FUKAIPRODUCE羽衣(以下、羽衣)の作品とは水が合わないという自覚は常々持っているのだが、羽衣のキャッチフレーズである「妙ーじかる」を今回は口パク(リップシン
2020年上半期に見た作品リスト(演劇と映画中心)
2020年も下半期に入ったので、1月から6月までに見た作品のリストを記録したい。
劇場に足を運び、肩が触れ合うほどの距離で隣り合い、音と光と動きと揺れを感じ、埃でくしゃみをしたりすることができない日々はしばらく続きそうだ。手垢にまみれた表現だけど、2020年が始まった頃には思いもよらなかった。
家に引きこもる日が格段に増え、上演の配信に触れる機会はありがたくも増えた。見て、見て、ある程度の額を劇
2020年度春学期「言葉とイメージ2」リーディング・リスト
2020年度、早稲田大学では5月11日に授業開始となります。
それまでの間、自宅学習が捗るようにリーディング・リストを公開します。
この記事は、「言葉とイメージ2」を対象としたリーディング・リストです。今学期のテーマ「ミュージカルとアダプテーション」に即したリストとなっています。
なお、ミュージカルに関するリーディング・リストはすでに公開されているので、以下を確認してください。
ベンヤミン, ヴ
【5月8日更新】2020年度春学期「アメリカン・ミュージカル表現史」リーディング・リスト
2020年度、早稲田大学では5月11日に授業開始となります。
それまでの間、自宅学習が捗るようにリーディング・リストを公開します。
この記事は、「アメリカン・ミュージカル表現史」を対象としたリーディング・リストです。
日本語文献を主とし、最後に英語でのミュージカル史および研究の入門書を書きます。
なお、「アメリカン・ミュージカル表現史」という授業の特性上、他言語・他地域のミュージカルや音楽劇につい
自由さはあるが、手に余る〜『CHESS The Musical』
2020年2月7日、東京国際フォーラムに『CHESS The Musical』を見てきた。
当初見にいくつもりはなかったのだけど、サマンサ・バークス大ファンの友人が大喜びしている姿に触発され、「ライヴでサマンサ見にいくか...!」という気分が盛り上がって気づいたら(ファンとは別の)友人にチケットを予約してもらっていた。
『CHESS』は、ティム・ライス原案・作詞、ABBAのベニー・アンダーソン&
根のない「さりげなさ」〜You're a Good Man, Charlie Brown
2019年芝居初めとして、1月10日にシアター風姿花伝に"You're a Good Man, Charlie Brown"を見てきた。
Sweet Arrow Theatricalsが昨年夏に同劇場で上演したものの再演である。
数年前にシアタークリエで別プロダクションが上演したのだが、見逃していたのでこの機会に、と思って見に行った。
Sweet Arrow Theatricalsは日本語ver.
疾走しながら考え、語る〜二兎社『私たちは何も知らない』
2019年12月12日に二兎社『私たちは何も知らない』を見てきた。作・演出は永井愛。
2019年12月22日まで東京で、その後全国各地での上演が予定されている作品であるため、ネタバレが気になる方は回れ右をしてください。
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平塚らいてう(朝倉あき)を
ダンスは超絶技巧で、ドラマは粗雑というバランスの悪さ〜松竹ブロードウェイ・シネマ『42ndストリート』
9月半ばから年明けまで慌ただくなることが確定していたので、『ヘドウィグ』以降は演劇や映画のチケットを何も予約しないでいたのだが、みるみるうちに心がカラカラと乾いていったため、急遽10月19日に行ってきた。
松竹ブロードウェイ・シネマ第三弾『42ndストリート』。
1933年上映の映画『四十二番街』が、1980年にブロードウェイ・ミュージカルとして翻案され、2017年にウェストエンドでリバイバルさ
もっと野放図に、もっと緻密に、もっと大胆に、もっと戦略的であってほしかった〜六本木EXシアター『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
2019年9月5日、六本木のEXシアターで上演した『ヘドウィグ・アンド・んグリーインチ』を見た。ヘドウィグは浦井健治が、イツァークは女王蜂のアヴちゃんが演じた。翻訳・演出は福山桜子。歌詞は及川眠子。
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、ロック・ミュージシャンのヘドウィグが、自身のバンド「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のライブの中で半生を語るという形式を持つ。
東ベルリンで生まれ、
「手に余るもの」が引き直す地図、外に出るか、屈するか、別の姿を聞き取るか〜東京芸術劇場シアターウェスト『福島三部作』
2019年8月26・27日と二日間にかけて、東京芸術劇場シアターウェストにDULL-COLORED POP『福島三部作』を見てきた。26日は第一部『1961年: 夜にのぼる太陽』と第二部『1986年: メビウスの輪』を、27日に第三部に『2011年: 語られたがる言葉たち』を見た。
脚本と演出は谷賢一。すでに各所で述べられているように、福島の原発と浅からぬ縁がある谷が約三年間現地調査を重ねて作り