弱っちぃ自分を知るということ
バリバリ働いているときには、とにかく前へ前へといった感じで、必死さと、わき目もふらずに進む力強さに満ちている(感じがする…)。
昔、ブルース・リーの映画を観ただけで、なんとなく自分もあんな風に強くなれた気がして肩で風切って歩いて帰ったりもした(笑)
ちょっと不条理な事があると大げさに言いふらして、それに対して自分がいかに毅然と対応したかを嘘を織り交ぜながら話したりもした。
要するに元気な時には口達者で見栄っ張りなところも手伝って、必要以上に自分を強く立派に見せるのが常套手段だったように思う。
若さや体格、実際の能力などにもよると思うが、こうした経験がある人は少なくないと思う。
いや、むしろ若い時には自然なことなのかも知れない。
実際に内面だろうが外見だろうが、力強さもあるだろうし、概ね体力もあって、回復力も高い。プライドも高く、これで性格的な図太さや鈍感力(?)なんかを兼ね備えていれば、そうなるのも頷ける。
誰でもそういう時期は必要なのかも知れないとも思ったりする。
そして、少しずつ…少しずつ…歳を重ねるに連れて、みんな気づくのではないか…。意外にも、自分はこんなにも弱い人間なのだと…。
体力は本当に気づかない速さでゆっくりと衰えてくるし、もっていた情報や知識はどんどん古くなって新しいものを憶えるのが億劫になるし、周りを見渡せば年下ばかりになってきて、そうなると彼らが聞きたくもない昔話も言えなくなってきたりするし、その結果、全然話が合わなくなってきたり…。
孤独は突然、自分の人生に入ってきたと思うかも知れないけど、実は結構長い時間をかけてゆっくり、ひっそりと入ってきている。
孤独はいいものだけど、無理に避けようとすると手痛い相手に変化することがある。
時代は進むし、世代交代は避けられない。それとともに、自分の弱さに嫌と言うほど向き合うことになる。
それが歳を重ねるということ…よほどのことがない限りみんな体験することではないだろうか。
別に高齢者の話ではない。
10歳代より20歳代、30歳代、40歳代、それ以上になったとき、感じること。
でも、それに気づけることって大切なことだと思う。
気づけないと…ひょっとしたら人生、難破するかも知れないし…。