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代数的整数論とは, 様々な整数の性質を考える整数論を代数学の手法を用いて行うものである. そのなかの代表である類体論について話していこう. 代数的整数論では, (有理)整数係数モニック多項式の解になるような複素数を"整数"として扱う(これを代数的整数という), そして, 代数的整数による体(ここでは有理数体)の拡大を考えると, (それがガロア拡大なら)ガロア理論が適応できる. 類体論ではここが理論のミソになっている. もちろんこのような議論は一般の環および
bicategoryは普通の圏で成り立つことはだいたい成り立つ. しかし, その証明は非常に面倒である. bicategoryにおける米田の補題の証明を見たことがある人ならその面倒さがよく分かることだろう. なぜbicategoryはここまで複雑なのだろうか. 私なりに考察してみた.(私自身もbicategoryについてよく理解していないので間違いだらけの可能性もある.) (1)射の集まりが圏になることを仮定しているため, 射が等しいことを示すためには, 圏が
フリアリエッリを炒めて, オレキエッテと合わせたプリエーゼと呼ばれる料理はその名の通りプーリア料理として知られている. このフリアリエッリ, 日本では菜の花が一番近いと言われているがアブラナ科の野菜の茎や蕾なら大した差はないように思える. ただ, このフリアリエッリに重要な味が苦味であるため, 苦味のあるアブラナ科の野菜が適していると言える(スーパーテイスターにとってはその限りではない.) とはいえ, やはり代用では物足りないものだ.
私はドイツで食べられているライムギを主原料としたサワー種のパンが大好物だ. 私の食べ方のこだわりについて少々語りたいと思う. まずパンの焼き加減だが, これはライムギの含有量が多いほど焼き時間を短くしている. 例えば. ロッゲンフォルコーンブロートは焼かずに食べる. こうすることで酸味とライムギの香りをダイレクトに感じられ, 独特のむっちり感とずっしり感を楽しめる. ロッゲンミッシュブロートは焦げ目が付かず表面が少しサクッとなり, 内側が温まるように焼く.
日本ではピルスナータイプのビールが主にのどの渇きを癒すためや, 酔っ払うために飲まれるが, これは非常に長い歴史を持つ多様性に富んだこの醸造酒への冒涜ではないだろうか. 大手メーカーは"こだわりのビール"と銘打って売り出しているが, 結局はピルスナーを基盤とした所謂"日本人の好み"に合わせたものばかりのように思える.(勿論, ある程度の企業努力は認めるし, ピルスナーは日本の気候風土に合っていたものなのかもしれないが, 多くの日本人がお酒を酔っ払うためだけのもの
圏$${\mathrm{Set}}$$における余極限, 特に添え字圏が小圏の場合について解説する. 前提として$${\mathrm{Set}}$$での余積は直和, coequalizerは同値関係であることを押さえておこう. $${\mathcal{J}}$$を小圏, $${T\colon\mathcal{J}\to\mathrm{Set}}$$を関手とする. このとき$${\mathrm{colim}T}$$を計算しよう. まず$${X=\coprod_{i\
ピッツァ マリナーラにはどのようなワインがマッチするのだろう? やはりナポリピッツァにはナポリの土着品種がいいのか. 赤か白かロゼか, スティルかスパークリングか. 何が最高のマリアージュなのだろう? カンパーニャ州のワインだとグレコ, ファランギーナ, アリアニコ, フィアーノ, ピエルディロッソなどの品種があるそうだ. 色はどうすべきか. トマトとの相性で赤か, ニンニクやオレガノの存在を考えて白か, その中間のロゼか. ピッツァを食すときは
Twitter(私は抵抗し続けるぞ)などで, 添加物, グルテンフリー, 電磁波など訳の分からないことを言っている人を見ることがある. そしてそれに対して, 科学的に論破しようと試みる人もいる. これほど地獄なことがあってたまるか. 例えば添加物. まずこれらが癌を引き起こす原因となっているという主張はあほらしいにも程がある(添加物ではないが, タバコという明らかな害悪もあることにはあるが, それでも体質などに依存していることは言っておかなければならない)
マイケル・ポーランの著書『雑食動物のジレンマ』や映画『Food, Inc.』ではアメリカにおけるトウモロコシの大規模産業やそれを発端とする様々な問題が盛んに提起されていた. そして本当のオーガニック, 本当に持続可能な生活とは何かを主張していた. 前提として私はこれらに衝撃を受け, 危機感を覚えた.(つまり, これらの主張に肯定的である.) その上で, これらが正しいのか, それとも単なる陰謀論なのか, それをなるべく客観的な立場で考察していきたい. まず
ポン・レヴェックとルフォン・ミルレ, このチーズを購入した. このチーズをオーブンで温めてとろけたものを, ポン・レヴェックにはライ麦パン, 特にロッゲンミッシュブロートを, ルフォン・ミルレにはパン・ド・カンパーニュを合わせて食べると得も言われぬほど美味かった. また, 蒸したアスパラガスやブロッコリーやジャガイモなどをつけてもまた美味い. ポン・レヴェックはウォッシュチーズで, 独特な香りで旨みが強い. これがライ麦の香りと酸味にとても良く合うのだ.
アンチョビといえば, パスタやアンティパストによく使われる印象があるが, アンチョビのピッツァはどのような特徴を持つのか. 見ていこうと思う. そもそもアンチョビとはアンチョビはカタクチイワシを塩漬けにして, 長期間発酵, 熟成させたものである. この工程によって, 強い旨みと塩味を持つことが特徴で, カタクチイワシの独特な風味も相まって, 調味料として利用されている. 中にはオイル漬けになっているものもあって, こちらは塩気がそこまで強くない. ま
anafunctorとは言わば関手の一般化である. 普通の圏論ではまず使わないがanafunctorを考えることで, 選択公理を避けた議論ができたりする(らしい). 日本語の文献はあまりネットに上がっていないので, ここでできる限り解説しよう. 定義$${\mathcal{C,D}}$$を圏とする. このとき$${\mathcal{C}}$$から$${\mathcal{D}}$$へのanafunctor$${F\colon\mathcal{C\xrightarro
リゾットはイタリアの料理で, 米をブイヨンで煮詰めたものである. 一見日本のお粥やおじやに似たこの料理はこれらとどのように違うのか, 解説しようと思う. まず, 使う米から違う. リゾットに使われる米は当然といえば当然だが, イタリア周辺で採れたものである. 中でもカルナローリ米は有名である. これらの日本の米との違いは, アミロースとアミロペクチンの比率, そして大きさである. 日本の米はアミロース含有量が少ない. 平均的には20%程度と言われてい
※注意これは食の評論家でもない一般人の書いた評価です. 1人でも多くのひとに魅力が伝われば幸いです. マリナーラというピッツァ先日, とあるピッツェリアでマリナーラを食べた. マリナーラとは, トマトソース, ニンニク, オレガノ, EXVオリーブオイルだけのチーズなしのピッツァである. ピッツァといえばマルゲリータ, 特に水牛モッツァレラとチェリートマトを使ったピッツァD.O.C.が代表的であるが, それに対してチーズを使わないマリナーラの魅力とは何か
定義$${\mathcal{C,D}}$$を圏, $${F\colon\mathcal{C\to D}}$$を関手とする. このとき, $${\mathcal{D}}$$の対象$${d}$$に対して, $${F\text{から}d\text{への普遍射}}$$とは次からなる. (i)二つ組$${< c,f>}$$で, $${c}$$は$${\mathcal{C}}$$の対象, $${f\colon Fc\to d}$$ (ii)同じ条件を満たす$${< s,k>
コンマ圏の定義と考える理由を解説していく. 定義$${\mathcal{C_0,C_1,D}}$$を圏, $${F\colon\mathcal{C_0\to D}}$$,$${G\colon\mathcal{C_1\to D}}$$を関手とする. このときコンマ圏$${F\darr G}$$は以下からなる. 対象は三つ組$${< c_0,c_1,f>}$$で, $${c_0}$$は$${\mathcal{C_0}}$$の対象, $${c_1}$$は$${\math