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働く人たちの小さな物語

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働く人たちは業務以外に案外コミュニケーションでつまづいていることが多いものです。そんな職場での小さなすれ違いをストーリーとして紹介しています。 物語を通じて、現場で直面する課題や…
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突発休みを減らすには?

突発休みを減らすには?

風邪を引いて休む人が頻発して、マイナス人員でなんとかして業務を回すなんてことはよくあると思います。以前、以下の記事を書きましたが、今回は個人に対してではなく、全体に対してどうアプローチするかの一例を紹介します。

まずは、働く人たちの小さな物語からどうぞ。

ミニストーリー田村部長は、ここ最近の突発的な休みの多さに頭を悩ませていた。職場では急な欠勤が相次ぎ、業務が滞ることもしばしば。中には「自分た

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産業医の意見書に反して残業させてもいい?

産業医の意見書に反して残業させてもいい?

ミニストーリー山田真奈(35)は、半年間の休職を経て職場復帰したばかりだった。産業医との面談を経て「軽減業務」と「残業禁止」の意見が出されていたため、復職後しばらくは定時で業務を終えることとなっていた。田中課長も「無理はしなくていいから、少しずつ慣れていこう」と声をかけてくれていた。

復職初日は緊張していたが、同僚たちが温かく迎えてくれたことで、山田は「頑張ろう」と思いながら業務に取り組み始めた

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風邪ひいて休むのは当たり前?

風邪ひいて休むのは当たり前?

風邪を引いて休むことってよくありますよね?職場にもよりますが、誰かが休むと現場は大慌てになることも少なくありません。風邪で休めるのは当然の権利だと思っている方もいたり、休んでしまって申し訳ない気持ちになる方もいたり、休みに対しての考え方は人それぞれです。

今回は、そんな、風邪を引いて休むことにまつわるお話です。

まずは、働く人たちの小さな物語からどうぞ。

ミニストーリー田村課長は始業開始10

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主治医から復職可と言われたけど、まだ不安がある時は?

主治医から復職可と言われたけど、まだ不安がある時は?

今回は復職に向けて職場で配慮していたとしても、うまくいかなかったケースを紹介します。職場でできる限り配慮をしてもらえたとしても、自分でも気づかないうちに無理をしすぎていると、再休職しやすくなってしまいます。

そんなときにどうすればいいか一例を紹介したいと思います。

まずはミニストーリーから。

ミニストーリー佐藤明美(40)は、「抑うつ状態」と診断され、3ヶ月の休職を経て復職を目指していた。主

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体調不良で休むときって、どんな気持ち?

体調不良で休むときって、どんな気持ち?

以前下記の記事で、突発休みの多い部下への対応について書きました。

今回は突発休みをする人の気持ちにたった内容を書いてみました。突発休みをする人も、その上司の人にも参考になるので、ぜひ読んでみてください。

ミニストーリー中村彩香(29)は、枕元で鳴り響くアラームの音を聞きながら、重たいまぶたを開けた。時計を見ると、すでに定時の出勤時間を過ぎていた。会社のフレックスタイム制が唯一の救いだったが、そ

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復職診断書が出て大慌て

復職診断書が出て大慌て

さて今回はタイトルの通り復職後にあるトラブルを紹介します。

管理職の方の中に、同じような経験があるかもしれませんが、主治医から「〇月〇日から復職可」という診断書をもらって慌てたことはありませんか?

そんな復職のときに起きたトラブルです。

ミニストーリー渡邊舞子(32歳)は、休職してから2ヶ月が経過していた。最初の1ヶ月間は体がだるく、一日中寝て過ごす日々が続いていたが、徐々に体調が回復してき

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突発休みの多い部下との面談を保健師に依頼したのに…

突発休みの多い部下との面談を保健師に依頼したのに…

少し前に、体調不良者への対応について下記記事を書きましたが、今回はそれに関連したお話しです。

今回は体調不良の部下がいたときに、保健師など会社の中の第三者に面談を依頼するときの事例を紹介したいと思います。

ミニストーリー営業課の課長である高橋健一は、デスクに向かいながら眉間にしわを寄せていた。部下の小野明日香(28歳)がここ数ヶ月、体調不良で突発的な休みを繰り返していたからだ。最初は「風邪が続

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休職したいのに、どこにも診てもらえない…

休職したいのに、どこにも診てもらえない…

昨今、精神科や心療内科はどこも混み合っており、初診で1ヶ月以上先と言われることは珍しくありません。いざ「休みたい」と思っても、予約が取れずに焦ってしまい、逆に症状が悪化してしまうケースもあります。

「10件以上電話してもダメだった…」なんて話も少なくありません。ただでさえしんどい状態で、病院探しの負担がのしかかるのは、本当に辛いものです。

そんな時に少しでも参考になればと思いこの記事を書いたの

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突発休みの多い部下にどう対応する?

突発休みの多い部下にどう対応する?

ミニストーリー渡辺舞子(32)は、朝の目覚まし時計が鳴る音でようやく目を覚ました。頭が重く、身体がベッドから起き上がるのに大きなエネルギーを必要とする。ここ最近、こんな朝が続いている。かつては目覚めとともにスムーズに出勤準備を整えていたのに、今では家を出るまでに2時間以上を費やす日も少なくない。

ああ、今日は何とか出勤できた。
でも体がだるい。でも仕事だしなんとか頑張らないと。低下した集中力の中

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「自分のせいで彼女は休職してしまったんです」と相談があったら?

「自分のせいで彼女は休職してしまったんです」と相談があったら?

ミニストーリー営業課の課長、中村真一は、課内ミーティングでため息交じりに話を切り出した。「佐藤さんが諸事情でしばらくお休みします。みんなの負担が増えるけれど、彼女が戻ってくるまで、なんとか一緒に乗り切っていきましょう。」声にはどこか沈んだ響きがあり、部下たちの間にも重苦しい空気が漂った。

佐藤美咲が休職に入ったのは、仕事のストレスが原因だという話だった。彼女が担当していた業務は膨大で、もともと課

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休職者は労務管理する必要はない?

休職者は労務管理する必要はない?

ミニストーリー職場での人間関係に悩み、32歳の小田真由美は休職に入った。限界を感じるまで毎日なんとか出勤を続けてきたが、体も心も悲鳴を上げ、ついに職場を離れる決断をした。主治医からは「仕事のことは忘れて、しっかり休んでください」と言われたものの、10年も働いてきた彼女にとって、何もしない生活はどうにも落ち着かなかった。

休職の少し前から夜眠れなくなっていた悪影響は続き、昼間は眠気に襲われてベッド

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抽象的な指導をしていませんか?

抽象的な指導をしていませんか?

ミニストーリー中村奈緒は、朝のオフィスに響く電話の音を聞きながら、深い息をついた。入社3年目の彼女は、最近異動した先輩社員の業務を引き継ぐことになり、仕事量が一気に増えていた。上司や同僚に迷惑をかけまいと必死に取り組んでいたが、時間に追われ、うまく回らない日々が続いていた。

「よし、今日も頑張ろう」と自分に言い聞かせながら、彼女は机に向かった。

しかし、次々と舞い込む業務の中で、彼女の手は止ま

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休職処理の方法を人事部に聞いてトラブルに

休職処理の方法を人事部に聞いてトラブルに

ミニストーリー営業部の課長である佐藤は、部下の安田が休職を申し出たと聞き、すぐに人事部に連絡を入れた。休職の手続きがスムーズに進むよう、詳細を確認したかったのだ。

「うちの課の安田さんが診断書が出て今日から休むことになったのですが、勤怠処理はどうしたらいいですか?」
人事部の担当者、田辺は電話に出てそっけなく答えた。
「私傷病休職の場合、待機期間の3日間は有給休暇を使用してください」

佐藤は忙

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「相手のことを考えて」はNG

「相手のことを考えて」はNG

ミニストーリー渡辺は、自分が担当していた仕事を終え、次の工程を担当する葛本に業務を引き渡した。渡辺の中では、自分の仕事をしっかり終えた達成感があり、問題なくプロジェクトが進むと考えていた。しかし、数日後、葛本から「こんな状態では仕事が進められません」と課長に混乱した様子で相談があった。

課長が確認すると、確かに渡辺の業務の引き渡し方には不足があり、葛本が困るのも無理はない状態だった。

課長は渡

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