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小説 涅槃湯 10 第二部 天上篇 あの世とこの世の中間地帯
炎陽に焦げつくような都会のアスファルトを離れ、ダンはいつものように、ひんやりとした天眼マシーンに横たわった。妹を探して、地獄世界を一通り探索したダンは、つぎに天上世界のモニタリングを始めることになったのだ。
女性の自動音声が柔らかに響く。
「地球の直径が一万二千七百キロ、その四十四倍の標高をもつ須弥山山頂に三十三天の宮殿は位置しております。これは地球の大きさを三十センチと致しますと、天界の宮殿は、
炎陽に焦げつくような都会のアスファルトを離れ、ダンはいつものように、ひんやりとした天眼マシーンに横たわった。妹を探して、地獄世界を一通り探索したダンは、つぎに天上世界のモニタリングを始めることになったのだ。
女性の自動音声が柔らかに響く。
「地球の直径が一万二千七百キロ、その四十四倍の標高をもつ須弥山山頂に三十三天の宮殿は位置しております。これは地球の大きさを三十センチと致しますと、天界の宮殿は、