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四天王親睦会 ダンは毘沙門天の背に乗り夜空を翔けた。訪れたのは須弥山北側の中腹に突き出た…
あの世へ飛翔する栄養素 ある日の早朝、ダンとアナンはブッダが悟りを開いたという、ウルヴェ…
あの世の偏差値 「さて、きみの死に際のSFCの結果だが、利己スコア3.5。利他スコア1.5。S…
あの世への旅行 「お兄ちゃん!」 ふいに後ろから声がして振り返ると、その声の主は未海だっ…
再会 デス・ラボの当初の目的は死後の分析に詳しい初期仏教の論書、倶舎論をもとにAIを駆使し…
ブッダの霊魂論 ブッダは無我を説いたとされる。無我とは、常住普遍のアートマン(自己主体)…
魂の行方 ダンは夢のなかで久しぶりに妹、微笑む未海の眼差しに触れた。 彼女が自殺未遂のはてに植物状態になってから三か月が過ぎようとしていた。 十二も歳の離れた妹で、東京の美大を目指して入学試験を受けに来たときは、彼女をアパートに泊めたことがあった。久しぶりに食べた妹のパエリアは相変わらず不味かった。 未海は美大に見事合格し、夢だったデザインの勉強を始めた。引っ込み思案だが、兄とは似ても似つかない可愛らしい容姿で、勝手にミスコンにエントリーされていたと聞く。その後も、キャンパ
等活地獄(地獄の永久機関) ふたりは、すり鉢状に穿たれた大地の縁に立っていた。 すり鉢は…
燃え上がる河 娘たちがレンガ造りの礼拝堂に向かって花束を捧げていた。肩越しに長く垂らし…
第一部 地獄篇 死後の仮想世界 ある冬の朝、ダンはアパートの部屋で独り毛布にくるまり、ク…