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変な人

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スタッフが偶然出会った、愛すべき「変な人たち」をご紹介。忘れたくても忘れられない、強烈な個性に乾杯。
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記事一覧

変な人 (49)西武鉄道の、フレディ・マーキュリー男。

 その男は列車の座席に静かに座っていた。  年齢は40歳くらい。  髪は襟首くらいの長さ。…

yzshoten
6か月前
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変な人 (48)ご近所を走る、二刀流チャリンコおやじ。

 二刀流おやじは、自転車に様々な道具を積み、静かに走り去った。  ある週末、近所のコンビ…

yzshoten
6か月前
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変な人 (47)小さな駅前スーパーの、妖怪手伸ばし女。

 その女はわざわざ間仕切りの裏から手を伸ばし、買い物を袋に詰めていた。  いったいなぜそ…

yzshoten
6か月前
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変な人 (46)日高屋の、お酢チャーハン男。

 男は女の前で、それは念入りにチャーハンにお酢をかけていた。  そのカップルを目撃したの…

yzshoten
6か月前
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変な人 (45)とあるローカル駅、写真ニュースを激写する男。

 その男は事件の起こった瞬間を熱心に撮影していた。  といっても、大事件の現場写真を危険…

yzshoten
6か月前
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変な人 (44)葬儀場、ひそひそ話の、おばば。

 そのばあさんの大きなひそひそ声は、シーンと静まり返る式場に響き渡った。  私のずいぶん…

yzshoten
6か月前
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変な人 (43)大江戸線の、お針子ばあさん。

 そのばあさんは、とても熱心に針仕事にいそしんでいた。  しかし、それは電車の中だった。  打ち合わせに出かけるために乗った大江戸線でのこと。  私の前の席が空いた。 「おー、ラッキー」と腰掛ける。  座席の位置は扉から2番目。一番扉側の端の席には年配の女性が座っていた。  そのばあさんの動きがおかしい。  膝の上のトートバックは大きく口が開かれている。  ばあさんはその上に両手を置き、何かを抱え込むようにして、しきりに手を動かしている。  横目で見ると、手元にはハガキ大

変な人 (42)近所の銭湯、セクシーパンツ男。

 風呂屋で出会ったその男は、大変におしゃれなパンツをはいていた……。  それはつい先日、…

yzshoten
6か月前
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変な人 (41)西友のレジに立つ、切り捨て命男。

 その男の後ろには、長い列ができていた。  原因はすぐに判明した。  レジ前にいるその男…

yzshoten
6か月前
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変な人 (40)通勤電車内、手からスマホが離れない揺れ娘。

 揺れ娘 VS. 社会的常識を訴える男の結末は……。  つい先日の朝。  いつものように職場に…

yzshoten
7か月前
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変な人 (39)近所のスーパー、買い物カゴが大嫌いな男。

 その男は両手いっぱいにモノを抱え込んで、レジに並んでいた。  それは自宅のすぐ近くにあ…

yzshoten
7か月前
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変な人 (38)国内線旅客機、着陸直前の告白女。

 女は告白した。わたし、前にパイロットと付き合ってたの。  それは福岡に出張で出かけた帰…

yzshoten
7か月前
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変な人 (36)銀座、歩幅3cmじいさん。

 その歩幅3cmで進む姿に、私は切ないくらい感動した。  その風景は一見、変ではあるが、そ…

yzshoten
7か月前
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変な人 (35)とある映画館の、そこに座りたい女。

 「ここに座りたいんですけど」と、オバQ女は言った。  そこは、昔の名作をリバイバル上映する昔ながらの小さな映画館。  座席も今時珍しく、全席自由だった。  ちなみに、今の方々は驚くかもしれないけれど、昔の映画館には、全席自由席はもちろん、真ん中正面のいちばん見やすい席だけが指定席、そのほかのすべてが自由席というところも結構あった。  その日の上映作品は『ヘカテ』というヨーロッパ映画で、ちょっと妖艶な女優さんが出ている美しい作品だった。  しかし、やはり昔の映画だからか、そ