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CD、DVD、Blu-Ray 鑑賞室

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愛聴しているCD、DVD、Blu-Rayの拙い感想を書き綴っていきます。
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記事一覧

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

ブリュッヘン&18世紀オーケストラがベートーヴェン交響曲全集プロジェクトの終盤に突然演奏&録音したメンデルスゾーンの交響曲。なぜ?と当時は思いましたが、これは名演です。ベートーヴェン交響曲全集を完成させたブリュッヘン&18世紀Oが続いて挑んだのがシューベルトの交響曲全集。 ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」 ブリュッヘン&18世紀Oがこの曲を録音したのは1990年の6月。シューベルトの交響曲第5番と同時期で、初出時にも2曲が

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / シューベルト:交響曲全集

ベートーヴェン交響曲全集を完成させたブリュッヘン&18世紀Oが続いて挑んだのがシューベルトの交響曲全集。 ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / シューベルト:交響曲全集 ブリュッヘン&18世紀Oの1回目のベートーヴェン交響曲全集は、1992年11月録音の交響曲第9番「合唱」で完結しました。1985年5月に録音した第1番から足かけ8年を費やして完成した全集です。 そのベートーヴェン交響曲全集の演奏&録音に並行して始まったのが、シューベルトの交響曲シリーズです。 曲目

ブリュッヘン&18世紀オーケストラ/10周年記念ガラ・コンサート

1991年に創立10周年を迎えた18世紀オーケストラ。ブリュッヘンの指揮でアンコール・ピースを揃えたガラ・コンサートを開きました。そのライブ録音です。モーツァルトの交響曲2曲のカップリング。 ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / 10周年記念ガラ・コンサート このガラ・コンサートが開かれたのは1991年7月1日から3日。1991年のワールド・ツアーの締めくくりとして開かれたとのことです。 初発売されてから長らく廃盤になっていましたが、2014年にTOWER RECORD

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:交響曲第28番&第36番「リンツ」

モーツァルトの交響曲2曲のカップリング。 ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:交響曲第28番&第36番「リンツ」  このディスクの録音は「リンツ」が1989年11月で第28番が1990年6月。この時期、ブリュッヘン&18世紀Oはベートーヴェンとシューベルトの交響曲全曲演奏と録音に取り組んでおり、「リンツ」と一緒にベートーヴェンの交響曲第8番が、第28番と一緒にベートーヴェンの交響曲第4番とシューベルトの交響曲第5番、さらにメンデルスゾーンの交響曲第4番「

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲&交響曲第38番「プラハ」

モーツァルトの有名な序曲とメヌエット楽章を欠いた3楽章構成の第38番「プラハ」のカップリング。序曲も「プラハ」も天馬空を行くような名演です。 ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲&交響曲第38番「プラハ」 このディスクの録音は1988年11月。おそらく、彼らの1988年の第2次ワールドツアーの際の凱旋公演の記録。 ズバリ独断で言っちゃうけど、ブリュッヘン&18世紀OのPhilips録音はこのディスクがベストと思います。 ひそや

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:交響曲第39番&ベートーヴェン:交響曲第2番

ベートーヴェンの「英雄」の演奏するという目標を達成したブリュッヘンと18世紀Oが次に挑んだのは、モーツァルトの交響曲第39番とベートーヴェンの交響曲第2番。これで、モーツァルトの後期3大交響曲とベートーヴェンの初期の3つの交響曲集が完成。 ブリュッヘン&18世紀O / モーツァルト:交響曲第39番&ベートーヴェン:交響曲第2番 録音は「英雄」の翌年、1988年6月の録音。おそらくこの2曲が、この年の1回目のワールドツアーのメイン曲目だったのでしょう。 曲目の配列順からす

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

ブリュッヘンと18世紀Oが目標としたベートーヴェンの「英雄」の演奏と録音がついに実現。 ブリュッヘン&18世紀O / ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 ブリュッヘン&18世紀Oは結成当初から「ベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』を演奏する」ことを目標にしていました。その目標が実現したのは1987年11月。 このCDはその時の世界ツアー凱旋公演のライヴ収録です。 参考までに、これまでのブリュッヘン&18世紀Oの交響曲の録音年を振り返っておきます。 ・モーツァルト:交

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」&歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲

モーツァルトの最後の交響曲の名演奏。 ブリュッヘン&18世紀O / モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」 ブリュッヘン&18世紀Oが録音したモーツァルト最後の交響曲、第41番「ジュピター」。 「ジュピター」の演奏時間は通常は30分ほどなのですが、ブリュッヘン&18世紀Oは楽譜に記されたリピートをすべて実行しているため40分ほどかかります。正直、第2楽章は「ちょっと長いかな-」と感じる面がありますが、厳しい表情を見せる第1楽章や典雅なだけではない第3楽章「メヌエット」

フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:交響曲第40番&ベートーヴェン:交響曲第1番

ブリュッヘン&18世紀Oの記念すべき世界デビュー盤。日本では1986年に発売され、レコード芸術誌で音楽評論家の吉田秀和が激賞しました。 吉田秀和が激賞したモーツァルトの交響曲第40番 このCDが日本で発売されたのは1986年。当時読んでいたクラシック雑誌にレコード芸術というのがあり、そこに大御所音楽評論家の吉田秀和(吉田秀和 - Wikipedia)による『今月の一枚』という、彼が注目する新譜をエッセイ風に紹介する連載がありました。そこでこのアルバムが取りあげられたのです

フランス・ブリュッヘンと18世紀オーケストラ

20世紀の終わりから21世紀の初めにかけてクラシック音楽界を席巻した「古楽器オーケストラ」。その草分けの一つと言えるフランス・ブリュッヘンと18世紀オーケストラについて、シリーズで取りあげていきます。 まずは、導入として指揮者フランス・ブリュッヘンと彼が創設した18世紀オーケストラについてお話しします。 フランス・ブリュッヘン フランス・ブリュッヘン(1934.10.30~2014.8.13 フランス・ブリュッヘン - Wikipedia)はオランダ、アムステルダム生まれ

レナード・バーンスタイン&ロンドン交響楽団 / ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」(1972年録音)

圧倒的なジャケットデザイン!それでは演奏はどうでしょう? レナード・バーンスタイン レナード・バーンスタイン(1918.8.25~1990.10.14 レナード・バーンスタイン - Wikipedia)はアメリカの指揮者、ピアニスト、作曲家。アメリカ出身で国際的な成功を収めた最初の指揮者。ちなみに次の世代がロリン・マゼール。さらに次の世代がマイケル・ティルソン=トーマス。 ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務める傍ら、TVにも出演してクラシック音楽の魅力を視聴

イーゴリ・ストラヴィンスキー&コロンビア交響楽団 / ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」(1960年録音)

作曲者ストラヴィンスキー自身の指揮によるステレオ録音です。「音楽は即物的でなければならない 感情をこめてはならない」との言葉を残したストラヴィンスキーが、自身がタクトをとって自作を指揮したとき、どんな演奏をしたのか・・・・ イーゴリ・ストラヴィンスキー ここで指揮をしているイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882.6.17~1971.4.6 イーゴリ・ストラヴィンスキー - Wikipedia)は20世紀を代表する作曲家の一人。セルゲイ・ディアギレフのロシア・バレエ団の委嘱

ユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団 / ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」(1955年録音)

レオポルド・ストコフスキーの後を受けてフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務めたユージン・オーマンディによる演奏。これもモノラル録音ですが、すぐれた演奏です。 ユージン・オーマンディ ユージン・オーマンディ(1899.11.18~1985.3.12 ユージン・オーマンディ - Wikipedia)はハンガリー出身のアメリカ人指揮者。 前任者レオポルド・ストコフスキーの後を受け、1938年から1980年まで42年にわたってフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務めた。ストコ

ピエール・モントゥー&ボストン交響楽団 / ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」(1951年録音)

モノラル録音ですがこれもすぐれた演奏。初演の指揮者ピエール・モントゥーによる演奏です。 ピエール・モントゥー ピエール・モントゥー(1875.4.4~1964.7.1 ピエール・モントゥー - Wikipedia)はフランスの名指揮者。ユダヤ系ではあるが生粋のパリジャン。 「春の祭典」の初演者として有名だが、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」、ドビュッシーの「遊戯」など、20世紀の名作バレエの初演も手がけている。 アムステルダム・コン