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野球全般分析

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2018年9月の記事一覧

勝ち続けるために必要なのは野手力

本noteは先日の「圧勝劇の裏では…」の続編となりますので、そちらを読了後読んで頂けたらより面白いと思います。

上記noteにおいては1シーズンを2位以下を寄せ付けない圧倒的な勝ち方をしてしまうと、チーム内のどこかしらに大きな負荷がかかり、翌年以降に大きなダメージを残してしまうため、意外と圧勝した翌年は優勝できないことが多いことについて述べました。

では続けて優勝することのできるチームというの

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圧勝劇の裏では…

2015年に混戦の末にヤクルトがセリーグを制して以来、2016年から今年まで3年続けて広島が独走する形となっています。

形だけ見ると今年も広島の圧勝という形ですが、少し各種数字を眺めてみると、過去2年に比べその強さに陰りが出ているように感じます。

それを如実に表しているのが、得失点差でしょう。

2016年は+187、2017年は+196でしたが、今年は9/22現在で+69となっており、過去2

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センターラインを守れる若手は自由に打たせろ

若手の野手でそれなりの脚力があり、センターラインを守れる選手というのは、得てして1番打者や2番打者といった上位打線を任されがちなように思います。

中でも2番打者にこのような選手を置いてしまうのはいかがなものかと、ずっと感じています。

なぜそのように感じるかというと、NPB的2番打者というのは実に縛りの多いポジションだからです。

以前も上記noteに書きましたが、2番打者というだけで犠打や右打

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育成と勝利は両立可能

有望な若い選手を1軍で積極的に起用することでその選手の成長を促すという育成は、よく勝利と反比例するものとして語られがちなように思います。

確かにまだ力のない将来が有望なだけの若手を起用することは、将来へ向けての投資で現時点でのチームの戦力として見ると落ちてしまうので、必然的に負けが込んでしまうというのは分かります。

しかしそのような事態に陥ってしまうのは、周りを支える選手がカバーしきれないのと

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5番にコンタクトヒッターを置くメリットとは?

今季ここまで猛威を奮っているセの広島打線とパの西武打線。

様々なタイプの打者をバランスよく配置し、打力×機動力のランアンドガンによって得点力を最大化させている点が非常に似ています。

それ以外にも似ている点はあり、5番打者に長打力のある選手というよりは、コンタクトヒッター寄りの選手を配置するケースが見られることです。

5番打者というと走者を返す役割を求められることから、長打力のある選手が入るケ

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WARでは本当の価値は測れない

今季ここまで33本塁打116打点をマークし、強力ヤクルト打線を牽引しているバレンティン。

しかしバレンティンのWARの数値はわずか0.1と、本塁打数と打点数からはにわかに信じがたい数字となっています。

まずそもそもWARとは何かというところからですが、そのポジションの代替可能な選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたかを表す指標です。

代替可能な選手とは一二軍の当落線上の選手という認識で良いと

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広島を食うならヤクルト

昨年は主力が軒並み故障、もしくは不調に襲われダントツの最下位に沈んでしまいましたが、今季は交流戦を境に調子を上げ、ここまで2位をキープしているのがヤクルトです。

ダントツの最下位から勝率5割前後の2位まで持ち直した要因としては、①青木の加入と山田の復調による得点力アップ、②近藤、石山の両名の踏ん張りの2点が挙げられるでしょう。

以上の2点について詳しく見ていきます。

①青木の加入と山田の復調

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もっと多角的に考えよう

投手の交代において100球という基準があったり、リリーフ投手の最大連投数は3連投まで、と言ったような選手交代のおけるある一定の基準というものが存在します。

どのチームも大体この一定の基準を基に運用を行っています。

しかしこの基準というのはどのような場面においても、どの選手においても判を押したように適用できるものなのでしょうか。

何点差でこの回だとこの投手と言った場面だけを切り取った決めつけを

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