広島を食うならヤクルト
昨年は主力が軒並み故障、もしくは不調に襲われダントツの最下位に沈んでしまいましたが、今季は交流戦を境に調子を上げ、ここまで2位をキープしているのがヤクルトです。
ダントツの最下位から勝率5割前後の2位まで持ち直した要因としては、①青木の加入と山田の復調による得点力アップ、②近藤、石山の両名の踏ん張りの2点が挙げられるでしょう。
以上の2点について詳しく見ていきます。
①青木の加入と山田の復調による得点力アップ
昨年は不調の山田とバレンティンしかまともな打者がいないような状況でしたが、青木のNPB復帰により打線に厚みが増しました。
青木の復帰がなければ坂口がセンターで起用され、ファーストが穴になっていた可能性が高かったですから、他のポジションにまでプラスの波及効果があったわけです。
打順的にも2番に入ることで上位打線の穴が無くなり、大きな得点力アップの要因となっています。
青木がいなければ日本的2番打者には間違いなく向かない西浦が2番に主に入って打線を分断した可能性が高かったでしょうからね。
それに加えて昨年絶不調に終わった山田が、トリプルスリーどころか40-40を狙えるくらいまで復調したことで得点力は大きく伸びました。
坂口・青木・山田と打力、出塁能力ともに申し分なく、足も使えるという上位3人はかなり脅威です。
この3人を前に置いているバレンティンの打点もそりゃ増えますよね。
②近藤、石山両名の踏ん張り
昨年はリリーフ防御率がリーグ唯一の4点台と、2015年の鉄壁ぶりが嘘のような崩壊を見せていましたが、今季は防御率こそリーグ5位ですが接戦を取ることのできる陣容へと変貌を遂げています。
特に近藤、石山の働きにかなり救われた感があります。
当初クローザーとして期待されたカラシティーは1か月ほどでクローザーから外されるという誤算があった中でも、今の位置にいるのは間違いなく両名のおかげでしょう。
両名ともに酷使と言っても過言ではない登板数をこなしていますが、何とか死線は超えずに耐え抜いています。
ただ来年どうなっているか保障はできませんが。
ここまで今季のヤクルトの浮上の要因を探ってきたところで、ここからは本題の広島食いについて述べていきます。
広島食いのキーは上記でも述べてきた、打線とリリーフ陣です。
広島相手に守り勝つ野球(笑)なんてやってたら一生勝てません。
広島はどれだけ相手投手陣が強固でも、それをこじ開けてくるだけの打力を持っていますから、ある程度は得点力がないと勝つことはできません。
その点ヤクルトはセリーグでは広島に次ぐ得点力があるため、ある程度広島に対抗することができます。
CS時点ではおそらく広島投手陣(特にリリーフ陣)に疲労の色は濃いと見ていますので、接戦で終盤に持ち込めば広島のお株を奪う逆転ゲームなんてのも期待できるでしょう。
先日も6点差を逆転してようにヤクルトもかなり試合終盤に強いチームですからね。
次にリリーフ陣については、ここにきて枚数が増えているのはCSに向けて好材料でしょう。
シーズン序盤から中盤にかけてリリーフ陣を支えた中尾の状態は気がかりですが(酷使の影響でしょうが)、大下・梅野あたりが戦力としてカウントできるくらいの存在となっています。
ここに近藤・石山を混じえた4名が基本線で戦っていくことになるでしょう。
ここに秋吉や風張、中尾あたりをミックスしながらという感じでしょうか。
また先発として期待できそうな投手が小川・ブキャナン・原樹理くらいしかいませんから、なおさらリリーフ投手、中でもミドル・ロング要員はかなり重要です。
勝つためには2人で従来の先発の役割を担わせるくらいの起用が必要でしょう。
カラシティーなんかはミドル・ロング要員としてピッタリの投手なので、彼の起用法は割とカギを握りそうなように思いますね。
最後にその他のチームについても少し見ていきます。
横浜、中日は、横浜は昨年のことがあり、中日も今季マツダスタジアムで2カード勝ち越しを決めているなど、広島から見て最も嫌な2チームですが、そもそもCSに出ること自体が厳しい状況です。
阪神はここにきて専守防衛を脱しつつあり、投手陣もセリーグではNO.1と言っても過言ではないクオリティーを持っています。
ただ専守防衛を脱げ出しつつあるのは言っても広島相手の短期決戦で今のチーム全体の打力では勝つのは難しいように思います。
阪神くらいのリリーフ陣を持ってしても崩してくるのが広島打線ですので、そこを補うくらいの打力があるかと言われると疑問符が付くという事です。
巨人は打力こそヤクルトに劣らないくらいのものはありますが、広島との相性の悪さや山口俊をクローザーに回さなければならない台所事情の苦しさを考えたら取るに足りない相手かなと感じます。
このように見ていくと、最も広島脅かす可能性があるのはヤクルトと言えましょう。
正直普通にやれば広島が勝つのは自明であり、あくまでワンチャンある程度の認識ですが。
あと本気で広島を潰しにきて、例え勝ったとしても来年以降へのダメージも相応にありそうですので、そこまで今年に賭ける必要はあるのかという問題もあります。
個人的には無理して賭けに出るに必要はないと思いますが…