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心と身体の痛みを癒す~乳がんによる右胸の痛み♯144
いよいよ明後日が入院。その翌日が手術。
まもなく自分の身体が変わってしまう。後遺症も出るのだろう。
それが受け入れられるようで、でもやっぱりまだ完全には受け入れられない。手術まで1週間を切ったころから、そんな揺らぐ気持ちを抱えて過ごしている。
でも、がんの右胸がやっぱり痛む。
最近、痛む頻度が確実に上がってきた。
今朝たまたまつけていた、サンドイッチマンの「病院ラジオ」(NHK)に思いのほか共感してしまって、涙腺が緩んでいたところ、突然、また右胸の痛みが襲ってきた。普段は、痛くても、マインドフルネスのYouTubeなどを聴いて、なるべくリラックスすることで、なんとかやりすごしていた。ただ、今日は、涙が突然、溢れ出て、止まらなくなってしまった。
痛い、進行が進んでたら怖い。
手術前、最後の診察の時に、先生に「手術まで進行をなるべく進ませないために何かできることありますか?」と聞いたときに、「ホルモン療法の薬を始めますか?」と言われ、その時は迷ったが、結局断ってしまった。
というのも、本やネット、知人からホルモン療法の副作用について聞いており、手術までの1か月、やりたいことをやろうと決めていたので、副作用が正直気になった。先生も積極的に進めているわけでもない。クリニックの先生も、総合病院の先生も検査結果を踏まえ、手術先行という判断だった。ということもあり、「手術日も決まっているので、やっぱり、ホルモン療法の薬は術後から始めます」と言ってしまった。
ああ、あの時、がんの進行の話、ホルモン療法の副作用の話、もう少し、先生に確認してから判断すればよかったと後悔する。
病気や死、喪失について、なんとか頭で考えを整理しようとしてきた。でも、いくら頭で考えても、身体に表れる変化に対して、心は正直だ。
でも、きっとそうなるだろうと、そのような事態に備えて、座禅、阿字観、踊念仏、写経、呼吸法、マインドフルネス瞑想、ヨガ、アロマ、お香etc、これまで体験してきたあらゆるメソッドを思い出し、準備してきた。
先日、参加してきた緩和ケア、サイコオンコロジーに関するシンポジウム。
がん患者の心や身体の痛みに向き合うお医者様のお話がとても参考になった。その中でも、
・がん治療はCare(治す)からCure(癒す)へ
・がん患者の痛みに対して、家族が手を握ることで、患者も家族も自律神経が整うという研究結果がある。家族も患者に対して罪悪感を抱くケースがあるが、手を握ることでその気持ちが癒される。
・遺族へのグリーフケアにおいては、喪失(悲しみの気持ちを吐き出す)と回復(前向きな行動)のプロセスを行き来し、日常に戻っていく。
という話が印象に残っている。
病が、心までも蝕まないようにするために、正しい知識を持つこと。自分なりの対処法を持っておくことが大事だと、感じた。
だから、今回も、
周囲に対しては前向きな言葉で気丈に振舞ってはいたけれど、
ああ、自分はやっぱりこんなに、がんに対して恐怖心を持っていたんだなと自分の気持ちを受け止めて、思いっきり泣いた。
また、夫にも、手を握るエピソードは伝えていたので、
「胸が痛くて怖い。それで涙が止まらない」
と伝え、背中をさすってもらった。
そんなこんなで、心が落ち着き、そのうち、胸の痛みは落ち着いた。
これから、こんなことの繰り返しなのかもしれない。
でも、心の痛みを、無理に押さえつける必要なんてないと自分は思う。
がんは治る病気と言われてきたし、沢山がんサバイバーの人もいるけれど、3人に1人ががんで命を失うといったデータもある。
がんになることでうつ病を発症する人も少なからずいる。
そりゃ、自分だって悲しくて、怖くて当たり前だ。
「泣いていいんだ」と自分の心を緩めたり、
「負けてたまるか!」また引き締めたりしながら、
なるべくフラットに心が保てるようになることが、今の目標だったりする。
幸か不幸か、右胸に強い痛みを感じた時、
「こんな胸、もういらん!とってほしい!」と思った。
身体の痛みが伴わないと、正直、覚悟ってなかなか決まらないものなのかもしれない。
今の心境ならば、なんとか乗り越えられそうな気はする。
そうだそうだ、この胸の痛みは、自分が覚悟を決めさせてくれるものなんだ。進行の怖さはある。でも、まだ5歳、9歳の子供たちがいる。命を諦める選択肢はない。痛くても、辛くても、怖くても、その気持ちを吐き出して、そして物事の良い面を探し出して、進んでいこう。
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乳がんがわかってからの記事をこちらに記録しています。
今、病気と闘っている皆さん、一緒にがんばりましょう。