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赤裸々系,回顧録

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若かりし頃の蹉跌の記録,独白,つぶやき…。経営者時代の私的回顧録です。
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記事一覧

#10 財務レバレッジは適正か

#10 財務レバレッジは適正か

~借金も甲斐性のうちとはいうけれど…~私が独立したての頃,お世話になっていた某会長さんから「経営者はカネで血のションベンが出るくらいにならんと一人前にならん」などと言われたものです。「何を大げさな,血のションベンが出たら腎不全で生命にかかわるじゃないか」と私は思っていました,が…。

私にも血のションベンが出てしましました。それは,あてにしていた融資がおりず,2週間後に迫った200万円の支払いの目

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#69 修羅場,土壇場,正念場

#69 修羅場,土壇場,正念場

~The darkest hour is just before the dawn.(夜明け前が一番暗い)~「いっぱしの経営者は修羅場,土壇場,正念場を経験している」とは誰の言葉だったでしょうか。修羅場は,血みどろ血まみれの凄惨な争いの場という感じがします。土壇場は,もう後がない待ったなしで覚悟を決めないといけない場という感じがします。正念場は,ピンチにせよチャンスにせよここの判断と行動で未来が大

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#60 荒波を乗り切る経営者の勘

#60 荒波を乗り切る経営者の勘

~抽象的思考や論理的分析よりも,直感的な理解や意識の方が重要だ(スティーブ・ジョブズ)~今回は,筆者の個人的な経験からお伝えさせていただくことを,ご容赦ください。私は2002年に30代半ばで起業し,多い時で飲食店を5店舗経営,年商で2億近くになっていたと思います。飲食業の現業の傍ら,飲食店向けのコンサルティング事業も行い,順風満帆とまではいかないまでも,なんとか経営を切り盛りしていました。

そん

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#54 失敗から学ぶ

#54 失敗から学ぶ

~愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ,とは言うけれど~私の中学高校に同姓の同級生がいて,当時から「賢いほうと馬鹿なほう」というように言われていました。当然,筆者が「馬鹿なほう」です。「賢いほう」の同級生は小学生のことからどこか老成した観があり,いつも穏やかでにこやかな面持ちで怒っているところなど見たことはありませんでした。そして彼は少年のころの宇宙への興味をそのまま持ち続け,現役で東大に進んで今や日

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#45 ピンチはチャンスなのか?

#45 ピンチはチャンスなのか?

~然のみならず患難をも喜ぶ,そは患難は忍耐を生じ,忍耐は練達を生じ,練達は希望を生ずと知ればなり(新約聖書:ローマ人への書:第5章)~
今しがた政府より非常事態宣言が出されました。これにより,筆者のクライアントが多い飲食業界は長期の休業を強いられ,まさに経営クライシスに直面することとなります。今朝がたから筆者のところにも,クライアントから会議の中止やリスケジュールの連絡が相次ぎ,その対応に追われま

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#43 マインドフルネスって効果あるの?

#43 マインドフルネスって効果あるの?

~二元性を脱し常に純粋性にとどまり,所有にとらわれず真我を保つのだ(バガヴァッド・ギーター)~スティーブ・ジョブスをはじめ有名な経営者が実践している(いた)ことで注目されている瞑想=マインドフルネス,最近ではIT系企業の研修などにも採用されているようです。マインドフルネスのやり方はそう難しいものではなく,静かな場所で楽な姿勢をし呼吸に集中して雑念を払う,というものです。そうやって今現在の自分(肉体

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#17 温情と非情のあいだに

#17 温情と非情のあいだに

~神様は,その課題をクリアできるようになるまで,同じ試練を与え続ける~「泣いて馬謖を斬る」蜀の名軍師である諸葛孔明が軍令に背いた愛弟子の馬謖を処断する,三国志では有名な場面です。信賞必罰,私情をはさまず規則を厳格に運用しないと組織が機能しなくなる,という教訓を印象的に伝える逸話です。ところで経営の現場では,このような温情と非情の狭間で経営者が苦しむというようなことが,起こっているのでしょうか。

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#13 経営者に働き方改革はあるのか

#13 経営者に働き方改革はあるのか

~どんな経営者も一度は寝食を忘れ働いた経験はあるもの~最近の「働き方改革」は,雇われる立場の人の労働環境を改善しようという政策です。その一方で,自由な働き方を目指すフリーランスとして仕事ができる環境を整備しようとする動きもあります。しかしながら,独立して自分で稼ぐということになると当然,働き方改革とは無縁なムチャな働き方をしなければならなくなります。

私も独立した当時は,3年間1日も仕事を休んだ

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#11 答えは現場にあり

#11 答えは現場にあり

~土壇場でジタバタしても始まらないが,何もせんのも芸がない~私がオーナーとして銀座のレストランに立っていたことのことです。お客様から「オーダーしておいたバースデーケーキお願いします」と言われ,パティシエ兼シェフ氏(彼は人間は抜群にいい奴だった)に出すように指示したところ「すいません,注文されてたバースデーケーキ焼くの忘れてました!」との返事。

バカヤロー!と怒ってみたものの怒っていても始まらない

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#9 人はやり直せる

#9 人はやり直せる

~花は,花は,花は咲く,私は何を残しただろう~私が経営者だった頃のこと,5店舗経営している中に月商1,000万円くらいの銀座の店がありました。この店は売上はそこそこあるもののランニングコストが高くて,年間通算では4勝8敗くらいな成績でした。グループの中で一番売上が大きかっただけにキャッシュフローへの寄与も大きく,一度回転し始めると止められないいわゆる自転車操業状態に陥りました。それでも開業して2年

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#3 組織の1→3の法則

#3 組織の1→3の法則

~大きいことがいいこと,とは限らない,社長の器と幸せの関係~先日,実務補習(中小企業診断士の試験合格組が資格を受けるための最終実習試験)の教官をやったところ,最後に実習先の社長にたずねられました。「私は会社を大きくした方がいいのでしょうか?」この会社は,飲食店を3店経営する年商1億円の会社です。社長は比較的自由に働いて,お客様や従業員との交流を楽しみつつ,充実した生活を送っています。

経営には「

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#2 わたしの仕事はコンサルタント

#2 わたしの仕事はコンサルタント

~飛行機乗りには及びもないがせめてなりたや戦車乗り~こありん先生チャンネル(you tube)
外食チェーン展望~時評(blog)
株)プロップビジネスコンサルティング

"note" のお題なので,もそっと自分の仕事の紹介をしておきます。私は何をしているかというと,一応ビジネス系のコンサルタントをしています。

ところで実は,コンサルタントは「俺はコンサルタントだ」と宣言すれば,儲かる儲からない

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