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日々

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日記ベースの、詩、散文、短歌の文字置き場
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#言葉

【詩】目を奪われる宝玉とは限らない

絡みあう茨が隠す 幾重の壁の奥の奥 跳ねる吸気と掠れる呼気 爪割れてなお掻き分ける 剥がれ…

夜長
2年前
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【日常】こころの整理と在庫確認

真夜中に目が覚めて、そのまま寝付けなかったので少し文字を書いてみる。 毎年何だかんだとあ…

夜長
2年前
25

【詩】過ぎた感覚

ひとり、という名の無菌室に慣れたわたしの 目、鼻、耳、記憶の欠片が恋しがる だれか、のいる…

夜長
2年前
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【詩】静謐と手をつなぐ

時限爆弾が爆発しそうだから海に行きたいのに、あふれた痛みの影が、冷たい地面に突き刺さって…

夜長
2年前
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【詩】病とは闘うよりも共存したい

夕焼けよりも朝焼けに一日の終わりを突きつけられる それは容赦なく始まる新たな今日 深い紫色…

夜長
2年前
12

【日常】元気がなさすぎて餅を買った話

税込み価格217円、ずっと気になっていた餅を買った 餅部分が塩風味だなんて好みすぎるし絶対お…

夜長
2年前
9

【散文】閉じた部屋で風は止まない

水饅頭になっちゃった 笑いながら袖を捲られた腕を見て、なるほど、と納得してしまう 一日をベッドで過ごすから日に晒されないし晒してもいけないし 何より薬の副作用がそういう変化をもたらしてしまうらしい 少しの衝撃で裂けてしまいそうな、なめらかで柔すぎる感のあるキミの皮膚 触れると薄いゴムのような触り心地は夏祭りで掬った水風船を思い出すし 菲薄化して容赦なく静脈を透かすそこは確かに水饅頭みたいだ 浴衣を着て祭に行くことはもうできないけど夏はここにあるからいい 夏が過ぎればつめたさを

【詩】ずっと持っている

貰い手のない愛情をポケットに押し込んでもっともらしく 空を見上げて「久しぶりの晴れ間です…

夜長
2年前
9

【詩】重たく湿った夏の夜、思い出すのはあの日の家出

冬の冷気 吐く息は白く 水道の蛇口 小さな氷柱が鋭く尖る 沈黙の公園 冷たく錆びたブラン…

夜長
2年前
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