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【詩】ずっと持っている

貰い手のない愛情をポケットに押し込んでもっともらしく
空を見上げて「久しぶりの晴れ間ですね」なんて片手を挙げる
熱を出した夜ひとり作った氷の数だけ地図に記した
貰い手のない優しさの隠し場所
すき焼きはコンロの前で立ち食い、Lサイズのピザをシェアしない
フォークダンスの輪から外れるわたしが透かし見る
カーテン係に立候補しそこねた五時間目
黄色いカーテンにくるまってキスする通過儀礼をし損ねた
午後六時のまま、ひりひりと、佇んでいる

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