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【詩】静謐と手をつなぐ

時限爆弾が爆発しそうだから海に行きたいのに、あふれた痛みの影が、冷たい地面に突き刺さって身動きが取れない深い夜。開けた冷蔵庫の沈んだ明るさに、なんだかちょっと、ちょっとだけ救われた気でいたのは仄かに照らされた黒い床板が、わたしを取り巻く世界に少しだけ似ていたからだと思う。
地平の彼方に向けて声の限りに叫んだなら、重たい海だって割れそうなこんな夜。縦が横になった毛布を直さない、こんな夜。

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