有楽町につき、私は坂本にトバシのケータイで電話をかけた。勿論ホンチャンのケータイはおいてきた。 坂本「どーもぉ。有楽町の〇〇まで来てください。」関西なまりでそう話され、私は待ち合わせ場所に向かった。
村田君「おーしLoco!これからはガンガン揉めてこい。相手が不良でもぶっ飛ばしちまえ。その場の喧嘩さえ勝っちまえば後でいくらでもまくってやる。喧嘩のプロが素人に負けちゃったんですか?ってよ。ガンガントラブル持ってこい。それで人も拾えて俺も潤う。」
金山さんと割れる事にした私は地元の先輩を頼る事にした。横浜では武闘派で有名な組織の先輩だ。
私は川崎のグループの箱で問題なく数字をあげていた。金山さんの横浜の仕事もあったが睡眠時間を削ってなんとか両立をさせていた。まもなく2ヶ月が経とうというときに石田の方から提案があった。
金山さん「Loco、先方との話はまとまった。俺の付き合いのある川崎の奴等だ。こいつ等悪り〜ぞ〜。川崎の〇〇までちょっと行って挨拶してこい。」
寝る時間も遊ぶ時間も失くなったが、金山さんの御世話をするようになってから信用を得られたのか、色々な用事を任されるようにもなった。コカインの上客との取引だ。 金山さん「指定した場所に毎月800グラム届けろ。上客だから失礼のないように。途中でパクられたら殺すからな。」 そのコカインはコロンビア産で一切の混ぜ物がないフリーベースだった。人の体内に入れて運ばれてくることから、表面の色は真っ黒でテープで繭状の形に整えられていてた。何度かコカインの受け取りもしたが、コロンビア産のはず
龍雄の兄貴が懲役から戻ってきた事で私を取り巻く環境は一変した。龍雄の兄貴は千葉県のキチガイ暴走族出身で簡単に人を刺したり殺したりする在日朝鮮人の3世だった。金山さんの名前を聞けば、その組織の中では誰もが顔を曇らせた。金山さんは息を吸うように覚醒剤をやる人で若い頃から捕まる事に慣れていたせいか懲役に行く事を休暇と話していた。
2011年3月。龍雄の好意のおかげで私の横浜での生活が始まった。架空請求の現場は問題なく上がっていたので、私はやることもなくヤサにしているマンションで地元の後輩と大麻を吸ってくつろいでいた。 私「イヤー今日も退屈だなぁ。」大麻でブリブリの私がそうつぶやいた瞬間に突然マンションがグワングワンと揺れ始めた。 私「何だこれは!?」 外の電柱もありえない角度に曲がって揺れている。3.11だった。大麻を吸ってだらけていた私には突然の天変地異の様に思えて勘繰りが止まらなかった。「死ん
大阪の地を離れることになった私は昔の友人を頼り横浜に来た。友人の名前は龍雄。龍雄は中学を卒業してすぐに横浜の暴力団組織に加入していた。 龍雄「住むところも仕事も用意するから一緒にやっていこう。Locoがこっちに来てくれて嬉しいよ。」 龍雄と私は中学からの付き合いで、とても仲が良かった事から、蛇の道は蛇と頼る事にした。 横浜の中心部にマンションを用意され、私は架空請求の箱を任された。現場に行ってみると5人の男がレンタルケータイのトバシでひたすらメールを送り続けていた。見る
アッキー「みんな紹介するわ。関東から来てくれたLoco、ユウサク、カズマや。これから俺等のグループで頑張ってくれるみたいやからよろしゅうなぁ。」 大阪のグループはパーティールームに10人ほどいて、歳は近そうだった。武闘派のイカつい奴、ホストみたいなイケメン、かわいい草食系男子から、スカウトみたいな奴まで色々といた。「こいつ等もみんな元は大阪の箱の人間達だ。油断すると食われちまう」と警戒心が働いた。 ヤミ「さて、これからの俺等の動きなんやけどな、オーナーが事業拡大したい言う
2010年11月、早朝の梅田駅。私は下の人間 2人を引き連れ、大きな野望を胸に秘めて大阪の地に降り立った。 山本「ついたらこの番号に連絡しなさい。」 山本から言われた番号に電話をしたところ、軽い感じの声で「もう着くから待っといてや~」と言われる。誰が迎えに来るのだろうか。 オーナーの白のベンツのゲレンデヴァーゲンが見えたので車を覗くと運転席と助手席にはとんでもないイケメンが二人乗っていた。イケメンから「はよ車乗りや〜」と言われ、どこに行くかも分からず車に乗り込んだ。
オーナーと関係を深める事は出来なかったが、ノウハウを吸収して店舗を出すという目的の為に変わらず悪行に励んだ。この頃山本と北沢はLEON社長に不思議な儲け話を振られていた。 某有名カードゲームで大会優勝者だけが貰う事のできるレアカードだ。このカードを工場に発注するにあたり一枚だけ作ると採算が合わず赤字になる。その為、裏で何枚も発注してカードを作りこっそりと流す事で利益が出せる。トレーディングカードは高く売れると言った話だ。山本と北沢はこの話に乗り後に大損していた。 私がこの
オーナーとの待ち合わせは夜10時、歌舞伎町の風鈴会館の前だった。山本さんと待っていると、白塗りのフルカスタムされたベンツのゲレンデヴァーゲンでオーナーが現れ、助手席にはキャバ嬢と思わしき女性が乗っていた。 オーナーは「後で店よるわ」と女性に話し、 私達に「車乗りや、山本運転せぇと」言い放った。車に乗り、歌舞伎町のバッティングセンターの辺りに車を止めた。 車から降りたオーナーを見ると、絵に書いたようなTHE悪人でナニワ金融道に出てきそうな風体だった。小太りで色黒で短く刈り上
営業を初めてすぐに私は中国地方のX市の女性に社債1500万を購入させた。 この稼業には引きもあったりするもので、私の下の人間も含め、他の人達は全く成績が振るっていなかった。チンピラ2人はすぐに姿を消した。驚いたのは山本と北沢も上の人間の暴力団に型に嵌められて、ほとんど歩合のパーセンテージを吸い上げられ苦しい生活を強いられていた。時には顔を腫らして会社にやってきた。北沢の詐欺の技術には感心したが、裏の人間としては底辺だ。まともなのはただ居るだけのLEON社長だけで、何もしてい
営業の仕方はまず架空の投資会社の名前を語り、以前に〇〇さんが買われた未上場の金融商品を買い取らせてくださいと電話で営業をかける。 過去に未公開株で投資詐欺の被害にあった人のリストにまた詐欺の営業をかけるのだ。 被害者も心の底では被害額を取り返したいとは思っていても、一度目の被害から何度も似たような営業が来ていて、2度3度騙されて相当すれていた。それにむしり取られて金がなかった。 だから山本は「この仕事は宝探しだ。この使い古されたリストから余力のある鴨を探す。とにかく電話
仕事を受ける事にした私は、自分の下の人間3人をつれて現場に向かった。指定された駅前で待っていると私よりも大きな体格のイカツイ男がやってきた。歳は40代半ばに見えたが実際の年齢は31歳。まだ6月だというのに汗だくでスーツのシャツはびしょ濡れだった。 私が「こいつポン中か?」と思っていると その男は「この前はすまなかったな。お前が色々と画策してうちをハメようとしてるのかと思ってつい声を荒げてしまった。」 私を迎えに来た男が電話で話をした先の人間だった。その男に案内されるまま