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イタリア住まいは和食が食べたい。『パスタぎらい』ヤマザキマリ
ヤマザキマリさんがフジ日本精糖のウェブサイトで連載していた、食べ物にまつわる連載を書籍化した本。ずっと読みたかったので、ようやく時間がとれました。
タイトルの「パスタぎらい」ってのも、かなりのインパクトがありますけれど、それ以上にヤマザキさんが長年イタリアに住んでいるのに、トマトが苦手とか、コーヒーが飲めないって驚き。まあ、味覚は保守的だから、年をとるほどに昔好きだったものが食べたくなるのはわかります。
そして、イタリア人のだんなさんとそのご家族の味覚が……というか、イタリアやヨーロッパの人たちは、なかり食事に保守的だってことも驚き。地産地消とか、そういうレベルでなく、ワインやオリーブオイルにこだわりがあるって、いいことかもしれないけど、面倒くさくもあるかも。
そして、驚いたのはイタリアに「パルメザンチーズ」がないこと。それから、食事がおいしくておしゃれなイタリアのイメージがかなり日本で誇張されていること。甘いものが朝ごはんのイタリア。クリスマスの困った習慣。いろいろ読むとおもしろい。というか、猛烈にお腹がすきます。
ヨーロッパの列車でおにぎりを食べて、不審者を見る目でみられた話や、スナック菓子への愛着を示しすぎて、イタリア人家族にあきれられた話、ポルチーニ(ヤマドリタケ)というきのこへの偏愛は息子さんにあきれられる……でも、そんな食べ物やら日本人的感性があったからこそ、ヤマザキマリさんの傑作があるわけで。
ヤマザキさんの文章は本当にすばらしいので、子羊の肉ってどんな味なんだろうとか、牛の骨の髄のスープとか、生の馬の肉(馬刺し)とか、読めば読むほど旅してみたい、食べたことないもの食べてみたい衝動にかられます。あー、お腹すいた!