突然だが、あなたが日常使いをしている財布はいくらで買ったものだろうか。ブランドものだったら10万を超えてくるかもしれない。ショッピングモールの片隅には日常的に千円ぽっきりの財布コーナーがある気がするのは私だけなのか?とにかく、これこそピンからキリまでというくらいどんな価格でも財布は手に入れることができる。 私の生活には2つの財布がある。ひとつは家計費用、もうひとつは自分の小遣い用だ。どちらもいつかの雑誌の付録(雑誌込みで千円程度だった)を使っている。 どうもマネカテ
ヒリつくような恋を、私は急に思い出すことになった。 何年も連絡のなかった元彼氏が、SNSで連絡してきた。もちろんお互いフォローもしていなかったから、たまたま表示されたのかそれともわざわざ探したのか、そんなことは聞かなかったけれどとにかく完全に終わったと思っていた人間関係が急に目の前に現れた。 関係が終わった時、もう連絡は取らないと心にきめた。そもそも最後まで縋っていたのは私の方だったから、私から連絡しなければそれで終わりのはずだった。連絡してみようかと思うことは何度
最近、1日というのがとても大きな単位だと知った。 1日、24時間、1440分、8万6400秒。その全ての時間を成長に充てる存在にとっては1日がとてつもなく長い時間なんだろうなと思うようになったからだ。 一昨日までは抱き上げた時に所在なげにぶら下がっていた手が、昨日から私の服を握りしめるようになった。昨日までは声をかけても私のいる方向がわからなかった。今日は声のした方向を向くようになった。 毎日何かしら変化がある。1ヶ月ちょっとの育休を終えて、日中は息子と過ごせなく
前回の記事を書いてからだいぶ時間が経ってしまった。あれから2ヶ月が経過した今、胎内にあった命は1人の人間として実体をもち、日々私たち夫婦を翻弄している。 だいたいにおいて順調なのだろうと思う。こだわりはないつもりだったが「…強いて言うなら、母乳で」。結果、生後2日目以降哺乳瓶の出番はない。夜一瞬たりとも布団に降ろせない日もあることを覚悟していた。だが今のところ、多少の寝ぐずりはあれど寝てしまえば3時間の連続睡眠は確保できる(哺乳瓶の用意片付けがないのも大きい)。 それ
とうとう、無職になった。 という書き出しは正確ではないにせよ、私の今の気分としては的確なためにこう書いておく。 実際のところ金曜まで出勤していた会社に籍はあるし、なんならなるべく早く戻ってきてくれという哀願に近い言葉をかけられてもいるが とりあえず明日の月曜日以降長期に渡って出勤せずとも良く、また問い合わせの電話も殆どないであろうことを考えると、心理的には仕事がなくなったと思ってしまう。 これは今年の始めに妊娠がわかったときから決まっていたことで、むしろ世の中で規定さ
今、自分の気持ちが落ち込むばかりな理由に気づいてしまった。 好きな服が着られない。これが、びっくりするほど大きなストレスになっている。 元々、服が好きで縫製を専門に習ったこともある。新卒時代の最初の就職先はアパレルだった。オーダーメイドのシャツに腕を通すと未だにワクワクする。それが私だった。 それが今はどうだろう。妊娠期間も終わりが見えて来た今日この頃、お気に入りのアイテムは着られないものばかり。そもそも3ヶ月目頃から一切の締め付けを受け付けなくなり、早々にゆっ
9ヶ月目に入った。 日々、とまでは言わないが3日ごとに大きくなるお腹は満月のようだと思う。中から勢いよく突き出されるのが足なのか手なのか判別はつかないが、いつか外側からつまんでやろうと思っている。 幸せでしょう、と友達に言われた。その時は、そうでもないよ身体の不調が多すぎて幸せかなんて考えてないな、と返した。でも今ゆっくり考えてみれば、不妊治療という道の先の見えなさに苦しんでいた年末までに比べたら幸せだと言い切れる。 治療中、彼にはだいぶ当たり散らした。検査結果とし
今年も梅の実をもらった。 1キロ950円(運が良ければ800円)というのが全国に共通する値段なのかはよくわからないが少なくとも今住んでいる地域の底値はそんな感じ、それをただもらって良いものなのか毎年迷う。 嗜好としては梅干しが最優先。ただし今は祖母が何年もかけて漬け込んだ梅干しの消費が追いついていないからなし。 となれば、梅シロップと梅酒が次の候補に並んでやってくる。生来お酒の雰囲気は好きだが飲むこと自体はどっちでも良い私(しかも今年は妊娠&授乳期間の予定だから飲
大きなテント、派手な色遣い、ハッピーなメイクの笑顔。 サーカスなんて何年ぶりだろうか。 最後に見たのは10年以上前、もしかすると20年かもしれない。 人が集まることを徹底的に避け続ける2年を経た 今の世の中で興行を続けられるサーカスが 世界にいくつあるんだろう。 帰り道にふと、今まで読んだサーカスの話をいくつか思い出した。 まずは「ダレン・シャン」 シルク・ド・フリークが街に来なければ、全ての物語は始まらなかった。学校図書館にシリーズで並んだ頃、爆発的に流行った。ちょ
リビングから小さな、欠けた花火が見える。6月に入ったばかりだけど一気に夏の気分になった。 彼が私の人生に存在するようになって4回目の夏。最初の年は一緒に夜空を見上げるような関係ではなくて、そのあと2年は世界的な災禍でイベント自体がなかった。今だって決して根絶したわけではないけど、やみくもにセーブした生活を送っていた頃からは世間全体が少しギアチェンジしている。 2人で見る花火はとうぶんお預けだな、と思う。4年目の今日はもう2人じゃなくてきっとこの先何年も2人で空を見上
新生姜がg単価1円を下回った。 近年の5月より涼しかったから感覚が鈍っているが 確実に夏はそこまで来ている。 普段使っているスプーンで皮をこそげ取る。凹凸があるところは丁寧に、と思いつつも多少は許容。うちではどちらも細切りだから切り方にも差はない。半分は酢と砂糖と塩で煮て、もう半分は去年の梅酢と共に、それぞれ煮沸消毒した瓶に詰めておしまい。 #丁寧な暮らし とタグをつけて写真をあげてくる人たちとは全然違う。瓶に手作りのラベルをつけたりしない。そもそもその場にあった空
「あげますよ、なかなか使わないから」 同僚から飲食時に使えるクーポンをもらった。たった200円、普段ならそのまま期限切れにしてしまうところだが今回は良いものをみつけた。 コーヒーショップのショーケースに並んでいるワッフルたち。値段は見えないけれどたかが知れてるだろう。 「ワッフル2つ、テイクアウトで」 たったの530円、それに200円のクーポンとは申し訳ない気もしてくるが気にしないことにする。 「薬局でバニラアイス買ってきてください。半分こにして食べよう」 既に家
母になるらしい。 もちろん予期していなかったことではなく、 そもそも1年くらいそのために病院にも通ったのであって、望んだことでもある。 ただ、あなたの中に新しい命が宿りましたよと 宣言されたときには全く実感も湧かず (早々に始まった悪阻に苦しんではいたが)、 こんなにも時間とお金をかけた割に 嬉しさや幸せを感じるには程遠い気がして 実は私はこの子のことを望んではいなかったのではないかと本気で思ったりもした。 その時から既に5ヶ月が経過しようとしている今現在はというと、私