里都

小説や、考えた事を中心に書いていく予定です。 絵や漫画を描いたりもします。

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最近の記事

"選択できない子供の日々"の中での"心"の選択

家の中での子供の立場の弱さ 家の中で、子供は選択ができないことが多いです。 生活環境やお金、愛情。 そうしたものを受け取らなくては生きていけない子供は それを持っている親との間に力関係の差があります。 それを与えられないかもしれないという不安で揺さぶられれば、選択権は親へゆきます。 さらにそこへ、暴力や罵倒、人格否定などの恐怖などが加われば、子供はいよいよ親の言う通りにするしか生きていく方法がなくなります。 自由に選択できない子供の頃 小学生の頃家の中が特に荒れていた時

    • "許す"ということは相手ではなく自分に対すること

      "人を許すことが大事"という言葉を聞いて、苦しくなったり、自分が消えいりそうな気持ちになることがあります。 "自分はそんなひどい事をされて当然な人間なのか"と傷ついたり、"自分が受けた苦痛は一体どこへ行くのだろう"とやりきれなく思ったり。 私自身そんな思いになることがあり、その苦しさから、"許す"ということについて考えてみました。 結果、 それはむしろ、"忘れて、無かったことにする"事とは全く違うことなのでは、という考えが浮かびました。 そしてまた、 人がそう言うから

      • ストレス解消のために、ペットショップで猫を20匹以上買った母

        家の中が荒れ放題で、悲惨だった小学生の頃 母はよくペットショップに行っては、外見の綺麗な血統書つきの猫を買っていました。 母方の祖父が亡くなったり、その時生まれた妹がダウン症だったりと、確かに母も大変な時期ではありました。 ですが、私への虐待もひどく、相手のことを考えて感情をコントロールしようてする気がなく、当然のようにストレスをぶつけていました。 私はその時から精神病になり、一時でも穏やかな時期がないまま、かなり辛い状態のままの時間が20年近くも続いています。 メン

        • 紅茶シリーズ①緑に囲まれた不思議な家

          学生時代に書いた小説 "五月の庭と塩入り紅茶" のシリーズです。 一人を好むクールで優秀な植物学者の叔母と 人並外れて大人びてしまった小学生の甥。 心に傷を抱えた二人が、少しずつ変化していくお話です。 季節や時間 気持ち その時々の空気感が好きで この小説の中にも色々な時間が存在します。 主人公のように、入り込んで体感してもらえたら 嬉しいです。 まずはシリーズ①から。 第1章 "植物学者と桜草"   の最初の方。 順に載せていきます。 森に迷い込んだように、 お楽し

        • "選択できない子供の日々"の中での"心"の選択

        • "許す"ということは相手ではなく自分に対すること

        • ストレス解消のために、ペットショップで猫を20匹以上買った母

        • 紅茶シリーズ①緑に囲まれた不思議な家

          *愛情のある所*ヨシタケシンスケ展

          ヨシタケシンスケ展に行きました。 展示されている作品がどれも面白くて興味深い。 それだけでなく、会場のあちこちにあるお客さんを楽しませる仕掛けがとても楽しかった。 何よりお客さんを含めた会場の雰囲気が、個人的に印象に残りました。 親子で来ている人もいれば、大人一人で来ている人もいて、その全体がリラックスしているように見える。 なんだか会場全体が、温かいお湯に浸かっているように、皆ほっとして、純粋に楽しい感情を味わえているように思えました。 この展示では、お客さんに向

          *愛情のある所*ヨシタケシンスケ展

          家族に都合良く扱われてしまっていたことに気づいた話

          小学生の頃から体調が悪くなり、学校へ行くことが辛くなりました。 何をするにも疲れやすく、身体のあちこちに不調がでがち。心から何かを楽しむことができない。 それを甘えている。自分は情けない人間なのだと長い間信じてきました。 家族からもそう言われていた。 治らないのは努力していないから。もっと努力をしなさい。他の家族の皆は普通に過ごしているのに。 それでもカウンセラーさんと話したり、色々な記事を読んだりして調べるうちに、私の家族関係について、自分や家族から見えている姿と、本質

          家族に都合良く扱われてしまっていたことに気づいた話

          "なんだか辛い"時に確認することリスト

          最近寒くなって、落ち込みやすい季節になってきました。 落ち込みに慣れてしまうと鈍くなり、自分でも気づかない内に苦しくなっていて、その状態を長く続けてしまう時があります。 また、気づけた時でも、すぐに気持ちを切り替えられず、抜け出せなくて苦しむことがあります。 なので、なんとなく辛いな、苦しいな、寂しいな、と思った時に、確認するといいと思うことをリストにしました。 身体が冷えている お腹が空いている 換気がされていない 低気圧 (女性の方は)pms 冷え、空腹、酸素

          "なんだか辛い"時に確認することリスト

          "紅茶の女王" 、ダージリン 。 〜紅茶をなんとなく知っていく。〜

          最近寒さが厳しいので、温かい飲みもののお話を。 自分が良いな、と思うものに紅茶があります。 飲み物自体が好きで、お茶全般や、最近では珈琲にも興味が出てきました。でもまずは、最初に学ぶことを始めた紅茶について書きたいと思います。 その中でも、今回紹介するのは、 "紅茶のシャンパン"、"紅茶の女王"とも呼ばれる、香り高い紅茶、ダージリン。 高級感のある、代表的な紅茶、という印象があります。 スリランカのウバ、中国のキーモンとともに、世界三大銘茶の一つです。 濃い霧の中

          "紅茶の女王" 、ダージリン 。 〜紅茶をなんとなく知っていく。〜

          怒れない子供達 大切な感情でもある"怒り"

          怒りたいのに怒れない。言葉が口から出て行かない。 そんな事はないでしょうか。 私は昔から、"怒り"という感情が嫌いでした。家族の怒鳴り声を聞くのが嫌だったし、関係ない人が怒られている声が聞こえてきても落ち着かなくなります。 また、自分の心の中に怒りがわいてくるのも苦しく、それがとても見苦しいものに思えて、無くさなければ、とよく思っていました。 好きにぶつけて、人を傷つけることのある感情。 こんなものは無くなったらいい。 でも、最近になって"怒りも大切な感情だ"と思うよ

          怒れない子供達 大切な感情でもある"怒り"

          虐待によるメンタル疾患をどう乗り越えるか 両親と双子の姉について

          大人になるにつれようやく、だんだんと自分は虐待をされていたのだということを認識し始めました。 それだけ、家の中のことは閉じられていて、歪みに気づけないものなのだろうと思います。 小学生の頃から体調不良などのメンタル疾患が出始めて、20年近く続いています。メンタルクリニックに通っていて、今は休職し、家族と距離を置くようになり、少し改善した部分もありますが、まだまだ治り切らず、苦しい状態になることが多いです。 物を買ってもらったり、遊びに連れて行ってもらったりと、優しいときもあ

          虐待によるメンタル疾患をどう乗り越えるか 両親と双子の姉について

          五月の庭と塩入り紅茶

          植物学者と甥のお話。 第4章(全5章)  第4章 僕と塩入り紅茶  終わりの時の痛みは強くても一瞬だ。  息を止めて、別れを告げるものの大きさに気が付かないふりをしていれば過ぎていく。そのまま息つく暇もなく訪れる日常にまぎれ、薄れていく。  もう、例えそこにわだかまりが残っていたとしても、ただただ自分が楽になりたいから発散するようなことはしない。それは相手の迷惑になるばかりで、成長もなければ後悔しか招かない。  人のことと割り切れず、わだかまりを感じてしまう幼さを持ったま

          五月の庭と塩入り紅茶

          五月の庭と塩入り紅茶

          第三章 生物教師とモルフォ蝶   叔母さんが、お弁当を忘れた。  るかからもらったのだといういつもの浅葱色の手拭いできちんと包んで、箸まで添えてあるにも関わらず、それは行儀よく流し台に置かれたままになっていた。 (頼むよー、叔母さん)  心の中だけでつぶやく。  僕の学校は給食制だからお弁当はいらないが、叔母さんは自分のお弁当として夕食や朝食の残りを詰めていく事が度々ある。今朝も多めに焼いたウインナーで、弁当箱の隙間を埋めているのを見たばかりだ。  昨日は遅くまで仕事をして

          五月の庭と塩入り紅茶

          五月の庭と塩入り紅茶

          第二章 猫と苺大福  六月の雨が降りしきる庭に、紫陽花が冴えた青色を放っている。  薄いカーテンを捲り、窓から覗く。すると深い葉の色に浮かび上がるようにその姿が見えた。  咲き始めは周囲の葉にまぎれるようだった萼片が、少しずつ白っぽくなっていく。白くなった所から浸食されるように日に日に青さを増して、この鮮やかさに至るまでを見ていると、一体この色は何処からやってくるのだろうかと不思議に思えてくる。  雨が窓を叩き、色が滲んだ。  紫陽花は雨を待つように、ちょうど梅雨の時期に花

          五月の庭と塩入り紅茶

          五月の庭と塩入り紅茶

          植物学者と甥のお話。 MAY GARDEN AND TEA WITH SALT 第一章 植物学者と桜草  緑色だ。  この場所を見て初めて思ったことはそれだった。  空が爽やかな青色をした、清々しい午前中のことだ。  これから三か月間世話になる叔母が住んでいるのは、僕のような小学生の足でも無理をしない程度には駅から近い一軒家だと聞いている。  しかし実際にその場所を訪れてみると、家が見えるよりも前に、周囲に溢れかえる緑で視界が埋まってしまった。  かろうじて道の役割

          五月の庭と塩入り紅茶