怒れない子供達 大切な感情でもある"怒り"
怒りたいのに怒れない。言葉が口から出て行かない。
そんな事はないでしょうか。
私は昔から、"怒り"という感情が嫌いでした。家族の怒鳴り声を聞くのが嫌だったし、関係ない人が怒られている声が聞こえてきても落ち着かなくなります。
また、自分の心の中に怒りがわいてくるのも苦しく、それがとても見苦しいものに思えて、無くさなければ、とよく思っていました。
好きにぶつけて、人を傷つけることのある感情。
こんなものは無くなったらいい。
でも、最近になって"怒りも大切な感情だ"と思うようになりました。
"怒り"は人から酷い扱いを受けた時に"自分を守るもの"でもあって、これはとても大切な事なんだと思います。
きっと今の子は罪悪感が強い。自分が傷つく事だけじゃなく、他人を傷つけてしまうことに強い恐怖を持っている人も多いんじゃないでしょうか。
誰かの、"相手を都合良く扱うために責める言葉"を素直に間に受けてしまう。
何か問題が起こったり、嫌な気持ちになっても、いつも自分の問題だと思い込まされて、相手へおかしいと訴えることを封じられてしまう。
怒りがわいたりしても相手には伝えてられない。自分の心の中ですら怒り切れず、自分が悪いのだろうかという考えと揺れ、苦しくなってしまう。
自分が子供で、自分より大人な相手から正しい説教をされている、という認識。
でも、その"説教"というのが、実は相手にとって都合の良い、おかしなものであることもあって、(子供は大人は正しいものと思っているから)それに気づけないことも多いのです。
自分は出来の悪い子供で、いつも大人を怒らせている。そう見えてその実、いつも自分が大人になって、相手が子供のように振る舞うのを受け入れさせられている。
大人と子供が反転していて、いつも大人の面倒を見させられている子供も少なくないと思います。
中には、罪悪感で縛られて離れる事が出来ずに、親が死ぬまで、親の人生に取り込まれてしまう子供もいるでしょう。
"ダメな子だ"と、"人に迷惑をかけている"と言われ、罪悪感を植え付けられると、"怒れない子供"が出来上がります。
自分はダメだから、酷い扱いをされても仕方がない。
相手のしたことで、直接自分が辛い思いをしても、怒って、それを跳ね除けることができなくなってしまいます。
だから逆に自分の中の"怒りたい"という感情を素直に認めてあげることが、"自分はダメだと刷り込まれた心"を少しづつ変えていく助けにもなる。
自己肯定感が低いと怒りっぽくなる。少しでも攻撃されたと感じると、自分を守るために、過剰に相手を叩き潰そうとする。
けれど怒れないのもまた、自己肯定感が低いから。
この二人の間で、"怒る人、怒られる人"の関係が固まってしまったりもします。
正しく自分のために必要な時だけ怒れたら、きっときちんと自尊心を持てているということではないでしょうか。
相手に感情を叩きつけなくても、きちんと自分の怒りの感情を認めてあげること。本能的に、体がエネルギーを出して戦おうとしてくれている。落ち込むと消え入りそうになるから。自分を守るため、本能が自分を守ろうとしてくれていることを感じること。
嫌な人や事からちゃんと離れること。
自分が酷いことをされた時に、誰かが自分の為に真剣に怒って、戦ってくれたらきっと嬉しい。
誰か一人は、自分のことを守ってあげなくてはいけない。そうでなくては心が消えてなくなってしまうような気がします。
そしてその一人は、まずは他でもない自分であるようにする。そうすることは、きっと難しいけど、大切なことだと思います。
自分のことだと上手く考えられない時は、その出来事を受けたのが大切な友人だと想像してみるといいかもしれません。
相手の言動や口調、行動。酷いと思ったら、素直に自分の怒りの感情を許せる。
嫌だと伝えたり、その人から離れたり、自分を助けてあげられたらいい。
自分の大切な人が傷つけられた時のように、自分のことも大切に守ってあげられるようになりたいですね。
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