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支援バカのつぶやき

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いち支援者としての気づきや考えを2021年から書き綴っています。まぁ、日記みたいなもんです。
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#就労移行支援

障害者の性について考えておきたいこと

障害者の性について考えておきたいこと

先週、いわゆる「性」の支援で、当事者の方を障害者対応可のデリヘルの利用に付き添ったり(利用中は外で待ってましたが)、異性と話ができない、という事でスナックに連れてったりしました。

すごく地味ではありますが、現場支援の中でこの数年間やってきていることです。

全然不勉強だし、あくまで自分の周囲の環境のみを見て思う事なんですが、障害を持たれている方の性の問題って結構生きづらさに繋がっているなぁ、と思

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向き合う事と付き合うことは、違う

向き合う事と付き合うことは、違う

支援、という観点から見るとあまり褒められたもんじゃないのかもしれないですが、就労移行支援って、当事者の方が就労を通して「社会の中で生きていく」ことに向かうための場所だなぁ、と思っています。
ある程度自分の裁量で判断しながらいろんな物事と向き合わざるを得なくなるのが実際だろうな、と思うんです。
 
 
それを踏まえて、僕は利用者さんとの話の中で「向き合う」という言葉をよく用います。
もしかしたら厳し

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支援の「責任」

支援の「責任」

一応福祉の業界でお仕事をさせていただくようになってそろそろ20年近くを迎えようとしています。
今は経営や運営に携わることも増えてきていますが、それでも現場支援、というか利用者さんの支援にはまだまだ携わらせてもらっています。
現場が好きなので、全く離れてしまうことはどうやらできそうにない非常にコスパの悪い性分なんですが。
 
 
 
特に僕が今いるフィールドは、障がいを持たれた方が社会に出ていくため

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支援バカが支援に携われないボヤキ

支援バカが支援に携われないボヤキ

今日はほとんど現場にいなかったので、利用者さんともなんかほとんど関われていないという、個人的には若干の消化不良を覚える1日でした。

でも明日もほぼ1日会議と外部の仕事なのでまたもや1日ほぼ利用者さんと関われないという・・・。

僕は現場で利用者さんと関わりながら過ごすのがとても好きです。
もともと福祉の仕事をしているのは、自分が直接何かしら困りごとを持っている人の役に立てるから、なので、やっぱり

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関心という「フック」の綱渡り

関心という「フック」の綱渡り

対象者へ支援をしていく上で、よく出てくる問題なんですが、

「どうやったらやる気になるだろうか?」
「何がこの方のモチベーションになるんだろう?」

という議論です。

ご本人を盛り上げる、掻き立てるためにどうやったらいいのか、そもそもどういう事にモチベーションがあるのか分からないケースは少なくありません。
社会に出ていく力があるが、何のためにはたらくのかってことが分からなかったり、通所をする理由

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「考えてもらう」という支援

「考えてもらう」という支援

考える、というプロセスを踏んでたどり着く結論と、考えるプロセスを踏まずに同じ結論にたどり着くのはぜんぜん違う。
何故なら「考える」から自分ごとになっていく。考えないまま得る結論は「他人事」みたいになりやすい。

えらい小難しい話のようですが、そんな複雑な話ではなくて、要するに人間は何事も自分の経験を通じたほうが成長する、という話です。

これは「就労移行」という場所だからかもしれませんが、毎月月末

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「受け止める」という力をつけるための支援も必要

「受け止める」という力をつけるための支援も必要

もし、自分がやったことが上手くいった時は嬉しいですよね。
そして、上手くいかなかったらガッカリしたり凹んだりしますよね。
 
 
自分の行動や、自分の直接の行動じゃなくても日々身の回りにはいろんな事が起きます。
言い換えると、毎日暮らしている中でいろんな結果を迎えるわけです。
ちょっと大げさな表現をすると毎日何度も一喜一憂をする機会がある、ということでもあるんです。
 
 
 
 
さて、ここから

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「自己責任」とか「自立」の定義

「自己責任」とか「自立」の定義

今週は、大半の記事が、僕の運営している就労移行支援事業の中で、社会の中で生きていく上でどうしても必要な要素について書かせていただいていました。

「自分なりに考える」(相談する事も含めて)

「自分なりに行動する」

「よくても悪くても結果を受け止める」

これは、それぞれが独立しているものではなく、繋がっている考え方なんです。

よく「自己責任」とか「自立」とかいう言葉を僕らの業態の中では耳にし

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成長の速度

成長の速度

就労移行支援に勤めていてこんな事を言うのははばかられるのかもしれませんが、人の成長って「期限」や時間の単位だけでは括れないですよね。

何の因果が分かりませんが、うちの事業所には本当にいろんな背景を持った方が訪れます。
うち、制度的に「2年間」っていう利用期限の縛りがあるんですが、その中には必ずしもその期間で卒業できるかどうか分からない方もいらっしゃいます。

他の機関で通えなかった人、10年単位

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相談支援は「相談を引き出すこと」と「整理」から始まる

相談支援は「相談を引き出すこと」と「整理」から始まる

いつもバタバタしていることが多いんですが、珍しく今週は事業所で手が空いていることが多くて、昨日はほぼ1日利用者さんの相談支援を行っていました。
今日はスタッフの相談に乗っていましたが笑。

就労移行支援事業所という建て付けだから、というところもあると思いますが、僕利用者さんの支援については相当な比重で「相談支援」や「対話」に重きをおいています。

多分僕はあまりにも専門的な支援スキルが不足している

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支援の構築はどれだけ「切れるカード」を持っているかにかかっている

支援の構築はどれだけ「切れるカード」を持っているかにかかっている

僕はソーシャルワーカーではありません。立派な資格も持ってはいないし、膨大な社会福祉の知識も持っていません。

知らない制度もたくさんあるし、知らない法律もたくさんあります。
もっと勉強すればいいんですが、あてのない勉強はどうしても苦手で、いつも支援の場で壁にぶち当たったケースの時に教えてもらったり勉強したりしてかれこれ20年近く経ちました。

今でもちょいちょい皆さんにいろんな知識を教わりながらな

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経験という名の財産を奪うな、と思う

経験という名の財産を奪うな、と思う

これは「支援」という枠組みだけの話ではないんですが、世の中は何故かややもすると「短期的な結果や成果」に偏重しているような気がするのは僕だけなんでしょうか?
短期的な、というよりも因果の輪っかが単純でシンプルなものにばかり目が向きがちな感じでひどく結論を急いで出したがっていて、単純なアクションでスパンと成果を得たいのだろうか、と思えることが多いなぁ、と感じます。

僕は大学を家庭の事情で中退していま

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「自分の仕事」をするのが支援じゃない まず業務の手を止めろ

「自分の仕事」をするのが支援じゃない まず業務の手を止めろ

最近立て続けに新人スタッフがうちの事業所に入ってきました。
本来ならば僕は彼らを支援者として指導したり教育する立場なんだと思うんですが、なかなかバタバタしていて十分に伝えられていないことも多いと思っています。

ということで、自分でも改めて現場のいち支援者としての基本に立ち返りながら、大事なことを整理しておこうと思って、文字通り「支援バカのつぶやき」を書こうと思います。

いわゆる「ハコモノ」と呼

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利用者さんに「この人は支援してくれる人だ」と認められて初めて僕らは支援者になる

利用者さんに「この人は支援してくれる人だ」と認められて初めて僕らは支援者になる

タイトルで結論を述べてしまうのは何の習性なのか分かりませんが、分かりやすくていいだろう、と開き直ろうと思っています。

あまり論理的じゃない話です。
根性論とか精神論の類になるかもしれませんが、できるだけ論理的に書いてみようとは努力をしてみます。

先日現場の支援について書かせてもらったんですが、方法論だけじゃなくて、支援者としての覚悟、みたいなものはやっぱり携えておいたほうがいいと思います。

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