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南三陸町:東日本大震災から13年、南三陸さんさん商店街・南三陸旧防災対策庁舎を見る
若さを失った年齢に至った今日この頃。人生で初めて普通車を所有するに至った。普通車に乗った経験はあるが、15年以上前の話である。おかげであたかも自動車免許を取り立ての初心者であるかのように恐る恐る運転する羽目になった。なお、その間およそ1時間程度である。
高々常用する自動車を軽自動車から普通自動車に変更しただけだが、今回経験した自身の運転感覚の調整は、極端な表現になるがアンラーニングの一つだと感じている。運転する自動車の大きさが変わったことで、それまでの運転感覚をリセットする必要に迫られたためだ。
もっとも巷で話題のアンラーニングは、何もこのようなショボい話を指してはおらず、もう少し大きな変化が伴うものである。大袈裟な表現どころの話ではない。くれぐれも運転する車の大きさが僅かに変わった程度でアンラーニングしたなどと言い回らないように注意したいものである。
ところで今回の乗る車の変化で、もう一つ感じた変化がある。運転時に自動的に機能している運転支援機能だ。主に走行中、なるべく車線の中心を走るようにハンドルが半自動的に調整される仕様の話をしている。実のところ、運転支援機能にふれるのは、今回が初めてである。
最初は、ハンドル位置がおかしくて規定の位置に戻ろうとする動きだろうかと思った。そんなわけはなかった。様々なセンサーの力で運転を支援してくれるのは、何だか自動運転車の未来をほんの僅かに予感させてくれるように思えて新鮮だった。だが、邪魔だった。
自分の運転技術を高く評価しているわけではないが、個人的には、自動車をいくらか車線の左側に寄せて、中央から離して運転したいのだ。しかしそれはアラートと運転支援機能によって勝手に動くハンドルに阻害される。「これまでのお前の運転は、理想的な運転ではなかった」「お前に、理想的な最高の運転を教えてやろう」そう言われている気分になる。
運転をディスられるのは一向に構わないが、自身のハンドル捌きに相反する力が加わり、おまけにアラートで注意されるのは、中々どうしてほんのりとストレスを感じてしまう。恐らく、この変化に適応する必要があるのだろう。アンラーニングである。さて、アンラーニングのバーゲンセールが始まらないよう、今回のnoteの本編に向かおう。
サンオーレそではま海水浴・荒嶋神社で南三陸町を初体験
これまで乗っていた軽自動車は、購入から10年以上が経過していた。在宅で仕事をするようになる2-3年程度前に購入したものだ。通勤に使わなくなって久しいため多くの距離を走っていない。
お陰で著しい劣化・損耗を防げていた。しかしながら坂を上る力は弱く、走行体験が悪化の一途を辿っており、長距離の移動、とりわけ自動車専用道路を長く走るのを避けていた。
今回の普通自動車への買い換えは、そうした昨今の回避行動からの脱却を意味している。というわけで、南三陸町を訪れた。長らく来訪を検討しながら、自動車の状況に鑑みて移動を躊躇っていたのである。制約が外れたので、気兼ねなく自動車を走らせることができた。
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新設された南三陸町役場に立ち寄り、ほんの僅かな時間眺めて、海へと進む。南三陸町に行こうと自動車を走らせたが、具体的な目的地はなかった。三陸自動車道を下りてすぐ、サンオーレそではま海水浴場への案内が見えたので、取り敢えずそこに向かおうとした途中に立ち寄った形である。
購入したばかりの運転が不慣れな自動車での宛のないドライブは、今思うにあまり好ましい行為でないように思える。落ち着いて考えるに、危険に違いない。さりとて細い道や山道に近付いたわけでないため、許容範囲に思えなくない。悩ましいところである。
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サンオーレそではま海水浴場を訪れる。実は名前すら知らなかった場所である。いかに無計画なドライブだったか分かると思われる。第一印象は、夏あるいは晴れた日に訪れたかった、だ。開けた海の光景が目に飛び込んでくる様は、中々どうして素晴らしい体験だった。
駐車場は多くが埋まっており、ビーチではビーチアルティメットなる競技が行われていた。少子化を感じさせないほどに子ども達が戯れている光景に、珍しいものを見たような気になる。それにしても風の強い日だった。
ビーチアルティメットから目を離し、風に負けず、海へと視線を向ける。
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すると海へと一直線に伸びる道とその先に大きな鳥居が見える。一寸、神秘的な光景を目の当たりにしたような気分に駆られ、気付けばそちらへと歩を進めていた。
と言えば何だかこの世ならざる力で引き寄せられたかのようなニュアンスを帯びるが、何て事はない、記事を書くことを念頭に置いていたので、興味を惹かれる物が目に入ったら、確認する一択だっただけである。
大鳥居は恐らく東日本大震災後に再建されたものなのだろう。脇に目を向けると鳥居が折れた痕跡が見られる。津波が、一体どれほどの力を持つ現象なのかまざまざ見せられる生々しい痕である。
大鳥居を見て、はい終わり、さて帰ろう、とは行かない。記事を書くことが決まっている以上、訪れた際に見られるものは可能な限り見る必要がある。そもそもこの先この場所を再度訪れるかどうかは何とも言えないのだ。
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大鳥居をくぐり、平衡感覚が狂いそうなほど傾いた石段を上ると、その先には林が続いていた。思いがけずハイキングに突入する。道なき道を行くと言うほどではないにしても、足場は良くない。バリアフリー化を求められないことを祈りたくなる林道である。
風と共にどこまでも続いていそうな林道を行くと、開けた場所が見えた。
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落ちた枯れ葉で地面が埋もれた空間の中に、厳かな佇まいの神社の姿が見える。どうやら荒嶋神社らしい。定期的に人が訪れているのか、周囲の景色にそぐわないほど整えられていた。神社の向かいには、また鳥居が見える。
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際立って鮮やかな色合いの鳥居である。建てられてからあまり時が経過していないように思われた。鳥居の先には道が伸びている。もちろん、進まずに帰る選択肢はない。
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どうやら荒嶋神社の建てられた島をグルッと回る道だったようだ。あまり人が歩いている印象を受けない。どのような用途で作られたのかほんの少しだけ気になった。
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サンオーレそではま海水浴場を去る前に、せっかくなので荒嶋パークを歩く。親子連れで訪れている人々が多く、子ども達の元気な声が響き渡っていた。何となしに、東日本大震災を経て残された我々の役割は、次代に土地を繋いでいくことなのかもしれないなどと思った。なお、筆者は末代になりそうである。
サンオーレそではま海水浴場を後にして、南三陸三三商店街へと自動車を走らせる。いつか行こう。そう思って早5年以上が経った場所である。ここからは、南三陸三三商店街を散策し、南三陸町震災復興祈念公園・東日本大震災伝承施設「南三陸311メモリアル」を目にし、上山八幡宮を歩いた後に食事を楽しんだ時間について書こうと思う。
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南三陸三三商店街・南三陸震災復興祈念公園:東日本大震災から13年目の現在を歩く
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