禍話リライト「青い胸像」【怪談手帖】
Bさんが学生時代に見たものの話。
夏の盛り、叔父の経営する養鶏場へ手伝いに行くこととなり、(この暑い中で…養鶏場……)とボヤキつつ、父の運転する軽トラで向かっていた。
容赦のない陽光を降らせる空は腹立たしいほど青く澄み、入道雲がその中央を占領して、下半分には深い森と山々の緑がずっと続いている。
窓を開け、燦々たる日差しに目を細めながら、そんな夏の画を眺めていた彼は、やがてふと気が付いた。
景色の一角に奇妙な物がある。
緑の帯の上、キャンバスの端に近い場所。
それは胸から上の