【治療例1】ADHD(成人男性)
腸内の真菌駆除等の過程で、奥さんに精神的に支えられてADHDの治療に成功した男性の事例です。
ソースには患者さんからの感謝のメッセージが全文記載されています。
ソース:小西統合医療内科(大阪)
症状
患者:成人男性(年齢非公開)
症状:注意欠陥・集中力低下・コミュニケーション不全等
経歴:主として職場(工場または建築作業系と思われる)での不注意による過度の失敗体験やコミュニケーション時に頭がフリーズするなどの経験を通して発達障害を疑う。診断を受けた経緯あり。
根本原因
治療結果
鑑別・治療ステップ
①腸内環境を検査・治療
統合医療(オーソモレキュラー)では、リーキーガット症候群の検査から入ることが一般的です。
血液から食物に対するアレルギー抗体の量を調べ、異物の侵入がどの程度あるか確認します。
加えて、尿中有機酸検査、あるいは総合便検査でカンジダ菌やクロストリジウム菌等の異常繁殖を調べます。
便検査の場合、腸内フローラの全般的な異常を数字でチェックすることができます。
このケースの場合、患者の腸内にカンジダ菌の繁殖が著しく、サプリメントと内科処方薬による治療中にダイオフ(死滅反応、ヘルクスハイマー現象とも)を体験しています。
これはカンジダ菌が一気に死ぬことで大量の毒素が放出される現象で、一時的に体調不良が起きます。この患者の場合は下記の症状が起こりました。
②有害物質の排出
リーキーガット症候群があった以上、腸壁のすき間から血中に侵入した有害物質の排出を行わなければいけません。
特に時間がかかるのは重金属です。
このケースの場合、水銀と鉛が脳機能を著しく下げていたと思われます。
重金属の蓄積量に関してはオリゴスキャンという医療機器で確認し、その上で尿中メタル検査(尿中重金属排泄試験とも)で排出能力を確認します。
尿中メタル検査は、DMSA(2,3-ジメルカプトコハク酸)という脂肪組織から金属を排出する薬剤(いわゆるキレート剤)を服用後、6時間分の尿を採取し、含まれる有害金属の量を測定します。
※ただし、体内に蓄積があってもキレート剤が効かない場合があるので、その際には、グルタチオンやNACといったデトックス作用のあるサプリの使用から開始されます。
このケースの場合、キレート剤を服用するキレーション治療が奏功し、水銀と鉛の蓄積が激減したようです。
(以下は治療前後の排出量の比較)
同じ量のキレート剤を服用しても排出される量がかなり変化しています。
ソースの記事で、主治医である小西先生も言っておられますが、発達障害はたいてい複数の原因が複合して脳機能の低下を起こすことが分かっているので、統合医療(オーソモレキュラー)では、何をどのような順番で疑い、検査・治療していくか、というセオリーを確立させています。
まとめ
この先生はとても真面目で熱心な方なので、患者の方にも相応の意欲が求められますが、患者の方は奥さんに励まされ無事に治療を終えたようです。
僕個人の見解ですが、これから統合医療(オーソモレキュラー)の治療を始めたい場合、心理療法についても同時進行で行うことをお勧めします。
もちろん脳の状態を改善してからの方が効果は出やすいのですが、発達障害/精神疾患を抱えた方は、過去の失敗体験が積み重なってトラウマを持っていない人はごく稀だと思っています。
そしてそれは、本人が無自覚であることも非常に多いので、内科的治療とは別軸に早い段階で、認知行動療法やスキーマセラピーの相談を受けておくことを強くお勧めします。