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短歌の感想を伝える(23年1月〜)

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2023年1月から行った短歌の感想をお伝えする記録です。
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2023年4月の記事一覧

短歌の感想を伝える 糸さん

糸さん  ツイッターはこちら言われた・言った両方の実体験が 私にはあるのですがとても共感を覚えます。 言われた・言ったことのない方も いらっしゃるかもしれませんが 「壊れた」を「壊した」に訂正されると 私は幼心に鬱陶しさを感じていました。 ですが月日を重ね自身が 言う側の人間になったとき 伝える対象の顔を見たとき 「あの頃、親はこう言う気持ちだったのか」 と昔を思い出し感慨深くなります。 たしかにあの頃の 「壊れたじゃなくて壊したでしょ!」 という訂正は愛情だったんだなと。

短歌の感想を伝える 虫追篤a.k.a.アステリズムさん

虫追篤a.k.a.アステリズムさん  ツイッターはこちら noteはこちら失恋の一首だと感じています。 強烈な香りがする料理を食べることで 面会を気しなければならない 相手はもう居ないんだなと。 生姜・にんにくと涙を 揃えて片仮名表記にされているので コミカルに読めるのですが 声に出しても黙読をしても 後半の「ナミダをぬぐいさります」で 切なさを感じます。 難しい料理と比べ炒め物は 誰にでもできると思われがちです。 ですが、色々な物が混じるので 加減を間違えやすく 目を離す

短歌の感想を伝える さとうれいさん

さとうれいさん  ツイッターはこちら難しい言葉を一切使わず 主体の生きる希望が何かを明言し かつ暗くなく、厳しくなく 優しさを感じる一首だと私は考えます。 自分には決して作れない この一首がとても好きです。 次に「好きです!」とお伝えする一首も そうなですがどちらも 字余りと「やさしい」を平仮名の表現から 作者ご自身の優しを私は感じました。 (さとうれいさんは優しいという  言葉を必ず平仮名表記にされていますよね) 最初は他の短歌から感じた 透明感や切なさが好きであると

短歌の感想を伝える 睦月 雪花さん

睦月 雪花さん  ツイッターはこちら一単語も余すことなく好きです。 「この一首で一時間くらい話しても良いですか?」 と申し上げたいくらいこの一首が好きです。 なぜなら私自身がこの一首と 全く同じ回答をした経験があり この回答を何度も聞いたことがあるからです。 強烈な性格で毎日のように 「ご指導」下さっていた先輩に 趣味を聞かれた書店員一年目の私 何を血迷ったか 「読書とか好きです」と答えました。 今になれば分かるのですが 私が嫌々仕事をしていることに気付いたうえで 何が好き

短歌の感想を伝える ミウラ ユウガさん

ミウラ ユウガさん  ツイッターはこちらユウガさんが創る連作の素晴らしさは 私が申し上げるまでもなく 多くの方がご存知だと思いましたので最初に 「シンプル&ストレートな作品も好きです!」 とお伝えしたいです。 話しかけたい異性との 共通の話題が学業だけだったとき どう話しかけて良いかわからない 学友には冷やかされるので 相談するのも気恥ずかしい。 コミカルな雰囲気もあるのですが 学校の勉強では分からないことがある そんな悔しさともどかしさを感じます。 青春の1ページを その

短歌の感想を伝える ◎◯さん

◎◯さん  ツイッターはこちら大切にしていた物事は 過去たしかに存在してたけれど 何かの理由でそれを喪失してしまった 主体の哀愁を感じました。 しかし、思い出せない事実を 否定はしていないのではないでしょうか。 「だろうか?」「あったかもなぁ」という 言葉のチョイスからそう感じました。 私自身執着をして失った、傷つけた物や人が確実に それも多数存在していたはずなのですが 具体的に一つずつ挙げようとしても困難です。 全てを思い出すことはできない 当然かもしれません。 しかしこ

短歌の感想を伝える Jonathan the seagul.さん

Jonathan the seagul.さん  ツイッターはこちら真冬の朝の儀式 ストーブやコンロの上に鉄瓶を乗せ 湧き上がるまでの時間 色々なことを考える。 思考の中に 湧き上がってくる感情はさまざまで 温めた鉄瓶から上る蒸気を 人間の怒りに例えていると考えました。 それを溜飲を下げるように飲み干す。 他掲載されている短歌も詩的で素敵です。 ブログも拝見したのですが 晴耕雨読という言葉が とても似合う方だと感じます。 The midwinter morning ritua

短歌の感想を伝える 有村 鹿乃子さん

有村 鹿乃子さん  ツイッターはこちら体の隅々を観察をしてしまうほど気になる人の指 そこには指輪は無いとしても花柄の絆創膏。 「あなた」の指先に触れて良いと思わせる 「誰か」がいることを知ってしまう。 おどろきや諦めなのか、諦められない思いなのか そういった切なさを字余りからもとても感じます。 私がこの感想を書いたのは短歌を始めて数ヶ月 二週間ほど他の方の作品を拝読していました。 有村さんの短歌は一首一首を読む度 一瞬でその情景が浮かんできます。 そしてそのシーンは鮮明で

短歌の感想を伝える キニー・コーヴェルさん

キニー・コーヴェルさん  ツイッターはこちら別作品で「ルパンが魂を盗みに来る情景」 を詠まれていることから 魂=人の心と考え拝読しました。 ある説によると魂の重さは21g。 他者との交流でそれを摩耗させ、 ときに思わぬ言葉で奪われ ときに自ら削り与えることで 命を失ってしまう優し過ぎる個体がいる。 その一方、与えられた魂を喰らい続け 自我を肥大させ破裂する個体も存在する。 アンチノミーを体現したような生物がヒトである と詠んだ一首だと感じます。 「エナメルを塗った魂の比重」と

短歌の感想を伝える 汐さん

汐さん  ツイッターはこちら汐さんが私の呟きに反応して下くださり 感想を書く機会を 与えてくれたことにお礼申し上げます。 その上で申し訳ありません 最初に自分語りをします。 諸般事情で私の根底にある思想は 「みんな違ってどうでも良い」です。 これはある種のお守りであり 弊害でもあると感じています。 人と深く関われば関わるほど 帰り道に感じる自己の心の中は虚無です。 未だにこの信仰のような思想が 正しいのかを日々考えています。 そんな人間の戯言ですが もしよろしければ以下ご覧

短歌の感想を伝える かきもちりさん

かきもちりさん  ツイッターはこちら自身の感情を見て見ぬふりをする 忘れようとする、消去する。 色々な思いを葬る人は沢山います。 しかし何かを葬った後は 「始末」を付けねばなりません。 それが出来ないまま 大切なものであるかのように 忘れず抱えている。 抱える事に耐えられなくなった 自分で葬ったはずのものを。 そんな多くの人達の悲哀と それを少し離れたところで観察しながらも 内省している主体を感じます。 かきもちりさんの短歌は 上手に表現ができず申し訳ないのですが ・拝

短歌の感想を伝える 真 木 柱(ま き ば し ら)さん

真 木 柱(ま き ば し ら)さん  ツイッターはこちら文体は丁寧なのですが声に出していくと 「お身体は良好ですか」からスタートし 「俺という」でテンポが変わり始め 爽快感が段々と増してくる感じを受けます。 頭のなかでは 「Hey,俺チャン辞めた後も  変わらずイラついてんの?上司ィ?」 とルンルンなのだろうと。 デッドプールのノリです。 (ご存知なければスルーしてください・・・) 私は人々の生活、回想、情景を詠んだ 真 木 柱さんの作品が好きです。 皆さんの短歌を拝読し

短歌の感想を伝える あるいは(今井マイ)さん

あるいは(今井マイ)さん  ツイッターはこちら流れで会話に釘を刺した のであってほしいと願うくらい 物理的に「やってるな」と 想像してしまう作品です。 字余りから主体が「事後」を思い出し 笑顔になる感情の余韻すら感じます。 しかし、ただ物騒な情景として 想像するだけではなく 色を感じると言えばいいのでしょうか 鮮やかさを感じます。 ここに至るまでの過程で一体何があったのか それともこの一首は始まりなのではないか 小説の結末または冒頭のような短歌。 ゲスの極み乙女の 「人生の

短歌の感想を伝える 葵七宝さん

葵七宝さん  ツイッターはこちら試行錯誤を重ね短歌に向き合い 日々の様々な出来事を経て完成する作品 それらを通して私は葵七宝さんの ストイックな姿勢を垣間見ました。 そんな葵七宝さんに対して私が何かを 申し上げること自体失礼かもしれません。 ですが、ぜひお心のままに 作品を作って下さると私は嬉しく思います。 ストイックな中にも 「これで本当に良いのだろうか」 と内省されるお姿を想像し 私は強い共感を覚えます。他にも この連作も好きで 「もののふ♡じゃないんよ」と ツッコミ