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短歌の感想を伝える 糸さん

糸さん 
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「壊れた」とわたしが言えば「壊した」と言い直させる愛情だった

  (2022年10月15日うたの日さん「自動詞」 引用元はこちら)
 

言われた・言った両方の実体験が
私にはあるのですがとても共感を覚えます。
言われた・言ったことのない方も
いらっしゃるかもしれませんが
「壊れた」を「壊した」に訂正されると
私は幼心に鬱陶しさを感じていました。
ですが月日を重ね自身が
言う側の人間になったとき
伝える対象の顔を見たとき
「あの頃、親はこう言う気持ちだったのか」
と昔を思い出し感慨深くなります。
たしかにあの頃の
「壊れたじゃなくて壊したでしょ!」
という訂正は愛情だったんだなと。

うたの日に投稿をされている
糸さんの家族に関する短歌がとても好きです。
なかでも次の二首と
最初の一首を合わせて拝読すると
糸さんご家族の歴史を感じ
自身の家族を思い出して
さらに感慨深くなりました。

お見舞いのメロンと祖母が朽ちてゆく匂い濃くなる雨の病室

(Twitter2023年1月9日掲載/うたの日さん同年1月8日「舞」)
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口癖が「生きすぎちゃった」の母よ今朝あなたの孫は雪を知ったよ

(Twitter2023年2月2日掲載/うたの日さん同年2月1日「雪」)
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その他にも

留学生ジェシカにアイムラビングと加藤の声が震えるマクド

(Twitter2022年9月11日掲載/うたの日さん同日「ing」)
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うたの日のお題に沿った作品の中でも
しっかりと笑わせて下さりとても面白いです。

お互いを喰い合う蛇のようにして僕らは世界を消してしまおう

(Twitter2022年6月10日掲載/うたの日さん同年6月9日「69」)
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ウロボロスを想像させるこの一首は
退廃・官能的でとても刺さるの一首でした。

*Twitter掲載時に引用が曖昧でしたので
 訂正しています。

もちろん創作・想像の一首も
あるかと思うのですが
どの歌を拝読しても
糸さんが積み重ねてこられた
日々や記憶の1シーンを
見せて下さっているように感じることができ
表現力がとても豊かだと感じます。

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