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CHANEL Soul ジェーン エヴリン アトウッド展
会期はこの5月8日で終わってしまったのだが、いつもながらシャネル・ネクサス・ホールでの良質な写真展(表題)で、個人的にも満足度の高い展示だったのでnoteでもシェアしたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1653625424016-jYUtBO5xgg.jpg?width=1200)
大変失礼ながら私は彼女(ジェーン エヴリン アトウッド氏)を知らなかったのだが、パリ在住のアメリカ人でユージン・スミス賞など権威ある賞を受賞、報道カメラマンとしても活躍したとのこと、プロフィールではファッションの要素はあまり見受けられない。しかし、今回展示に選ばれた彼女の作品たちはぴったりと、ネクサスホールという箱と、そしてシャネルのエスプリ(精神)にマッチしていて、違和感は感じられなかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1653625451436-BpDQU7ULSN.jpg?width=1200)
彼女の写真にはタイトルはない。いくつかの写真には撮影地・年が記載されているものの、ほとんどは写真のみだ。けれど、私には彼女の写真はとても雄弁で、さまざまな思いや感情がダイレクトに、否応なしに伝わってくる - 心に入り込んでくる、とでも言えるだろうか - 強く問題提起をして、そして感情をひどく揺さぶられるような、そんな写真の数々だった。現代アートや写真では、その作品たちの意図するところが一見わかりにくい - ゆえにそれを想像したり探るのが面白いとも言えるのだけれど- ものが多いけれど、彼女の作品たちはわかりやすく、そしてダイレクトに心に訴えかけてくるものだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1653625473004-2lHQw9Fplz.jpg?width=1200)
娼婦や女装したトランスジェンダー、障がいを持った子供たち、地雷で手足を失った犠牲者、エイズ患者、刑務所で出産する女性服役囚。ジェーンは、いわゆる社会的には日の当たらない人々と信頼関係を築き、写真を撮り続けてきたという。
![](https://assets.st-note.com/img/1653625568695-M7E446KLkC.jpg?width=1200)
正直なところ、言葉で表現することを躊躇われるような写真もある。そんな作品たちを、"日本で初めて彼女の個展として開催する決断は容易ではなかった、しかし社会規範に縛られることなく、果敢に立ち向かったガブリエル シャネルに倣い、その信条に従うことにした" - つまり、開催を決断したのだとシャネルのリシャール コラス氏は述べている。
残念ながらこの稀で美しい写真展は終了してしまったけれど、シャネル・ネクサス・ホールのサイトで一部がアーカイブとして残されている。
Soul ジェーン エヴリン アトウッド展
https://nexushall.chanel.com/program/2022/soul/
(サイトではジェーン本人の美しいポートレイトも記載されている)
日本でまた彼女の写真展が観られることを心から期待したい。
そしていつもながら、この美しく果敢な写真展を提供してくださったシャネルにも、敬意と感謝を述べたい。
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