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関西おでんのすじとタコ。そして熱燗。
おでんの恋しい季節になりましたね。
🍢東のすじと西のすじ
以前の記事でちらりと触れましたが、子どもの頃実家のおでんには、すじとタコがはいってました。
この2品目は、関西のおでんだねとしては定番です。
そういえば上京して、まだ日の浅い冬に居酒屋さんでおでんのお品書きに、すじとあったので頼んだところ出てきたものを見て、びっくりしたことがあります。おなじ経験は関西出身の人にはあるかもしれません。
予備知識がない関西人には、すじ違いなお話です。なんてったって、お肉だと思って頼んだのに、お魚の練りものですからね。ふつうにびっくりしました。
🍢おでんもご当地グルメ
ただおでんも、全国を見ると金沢おでんとか、静岡おでんとか、土地土地の名を冠するようになって、それが知られているわけなので、ベースのおでんをもとに、地元の名産品をいれたりして、各地のご当地グルメとして発展しているのかなと思います。
そう考えると関西のおでんに、すじ肉とタコがはいるのも当然といえそうです。牛肉文化圏であり、かつ粉モンの中でも、たこ焼きは特に親しみある存在ですからね。明石のタコも有名ですし。
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🍢関西風すじタコ入おでん
というわけで、今回は懐かしいな、久しぶりだなと思いつつ、牛すじとタコ入りのおでんをつくってみたお話です。
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すじもタコもそういえば、串に刺してたのが記憶にありますね。もちろんそのスタイルでいくことにします。
🍢おでんといえば大根、卵
まずはおでんに必須、おでんのおでんたるアイデンティティを担う2つのタネから準備。
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ひとつめは卵。
それから大根。
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大根は皮を剥いて、厚く切り出したら、面取りをします。
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5分ほどレンチンで下茹で。竹串がすっととおれば、下ごしらえは完了です。
🐙じっくり下茹でタコとすじ肉
さて、ではタコとすじの準備をしましょう。
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どっちもけっこう固い素材なので、しっかりと下ごしらえをしておくのが、おいしく食べるポイントです。
まずはタコから。
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お鍋に大根おろしと、タコを合わせます。
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お水をいれて、粉末のかつおだしを加えて準備OK。
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火にかけたら、ことこと1時間。
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すじ肉もおなじく炊いていきます。こちらは、さらにプラス30分。やわらかくなるまで、しっかりと下茹で。
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炊き上がったタコとすじ肉は、煮汁につけたまま粗熱が取れるまで冷ましておきます。
🐙串がポイント
さあ、タコにすじ、準備万端です。
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タコ、艷やかです。この色ってなかなかない、鮮やかな赤紫ですよね。ほかの食材だとなんだろう。おなじく茹でると赤くなるエビやカニとも違いますよね。茗荷なんかは、こんな色味があるかもしれません。
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そんなタコ、串に刺すのが関西流。串カツの変形なんやろか。当たり前や思てたけど、いま思うとこれも地元っぽい気ぃしますわ。
続いてすじ肉。
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ひと口大に切り分けます。この時点で、やわらかくなってるのがわかる切り心地。いいぞ、いいぞ。ええで、ええで。
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これも串に刺しとくねん。
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どや、関西おでんの切り札揃ったで。準備万端や。
🍲土鍋で炊こう
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土鍋に水を張り、昆布投入。
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大根、卵に練りものも欠かせません。定番のちくわとさつま揚げにします。
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そしてもちろん、タコとすじ肉。
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粉末のかつおだし、お醤油、みりん、お酒を少々。
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火にかけて沸いてきたら、蓋をします。
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炊けた、炊けたよ、おでんが炊けた。
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この湯気、たまりませんね。温かそうです。
🍶こんな夜は熱燗で
さて、寒い夜には晩酌も、いつものビールではなくこれにしましょうか。
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熱燗です。
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お鍋にステンレスのカップをいれて、お湯を沸かしてお酒をとぽとぽ。
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お好みの温度加減になれば、熱燗つけあがり。
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この日は寒かったので、けっこう熱めにつけました。
🍢関西風おでんで晩酌
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おでんに熱燗、冬の食卓ど真ん中。
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串に刺したタコは、なんだかすっと背筋を伸ばしたみたいで、凛々しく見えます。食べれば1時間下茹での効果ばっちり、やわらかに仕上がりました。
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すじ肉もほろほろ、やわらかです。おでんのおつゆの染みたお肉は、やさしい味わい。ほっとする味付けです。
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熱燗をくいとひと口。体の中から温まります。
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🍢すじタコおでんノスタルジー
ふと懐かしくなって炊いてみた、関西風のタコとすじ肉入のおでん。その優しい味、そして熱燗。
ひと口食べるごとに飲むごとに、いろいろ、冬の想い出がよみがえってくるような気がします。子どもの頃、実家の掘り炬燵に潜り込んで遊んだなぁ。この季節、お風呂上がりに毎晩みかんを食べてたなぁ。
そうこうしている間にも、カレンダーは進みます。2024年もあと半月ほど。年末の慌ただしさの中、ことしつくるおうちごはんは、あと何回でしょうか。楽しくつくって、おいしく食べて、毎日は過ぎ、そしてことしも暮れてゆくのです。
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