タイムクラフト造船所

Thyme Craft Dockyard 定年延長中の老眼モデラ―です。 1941年のビスマルク追撃戦時に合わせて、主として各国の戦艦を1/700のウォーターラインで制作しています。 時々、キャラクター物も作っています。 皆様からのコメントお待ちしております。

タイムクラフト造船所

Thyme Craft Dockyard 定年延長中の老眼モデラ―です。 1941年のビスマルク追撃戦時に合わせて、主として各国の戦艦を1/700のウォーターラインで制作しています。 時々、キャラクター物も作っています。 皆様からのコメントお待ちしております。

マガジン

  • Royal Navyは奥が深い

    イギリス海軍には独特の言い回しや法則があって、とても奥が深いのです。 名前や専門用語などについて備忘録となるよう記事を記載していきます。

  • 特設空母安松丸物語

    大日本絵画社の『月刊モデルグラフィックス』に連載されていた、宮崎駿のイラストエッセイ『宮崎駿の雑想ノート』の第9話『特設空母安松丸物語』に登場する安松丸、「第31号哨戒艇、九十六式艦上攻撃機を制作しました。

  • DKM制作記

    タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.118 ドイツ海軍 巡洋戦艦 シャルンホルスト と No.120 ドイツ海軍 巡洋戦艦 グナイゼナウの制作過程を詳しく記載しました。 また、幻の38㎝砲搭載型も制作しましたので、合わせてご覧ください。

  • His Majesty's Ships 制作記

  • Battleships in 1941

    1941年の世界の戦艦を1/700スケールのウォーターライン模型で紹介しています

最近の記事

Fairey Swordfish Mk.Ⅰ Tamiya 1/48 #1

1.はじめに1-1.フェアリーソードフィッシュ  模コン2024用に制作した九六式艦攻は、タミヤのフェアリーソードフィッシュ Mk.Ⅱの改造でしたが、並行してスケールモデル祭り(スケモ祭り)2024用にMk.Ⅰも制作していました。  フェアリーソードフィッシュは、フェアリー社が開発し1935年にイギリス海軍が採用した複葉雷撃機です。鋼鉄製の翼に鋼管製の胴体、カバーは布製という単純な構造で、製造が容易だったのでMk.ⅠからMk.Ⅳまで約2,400機が製造されました。主に航

    • 九六式艦上攻撃機-『特設空母安松丸物語』より #2

      2.主な改造ポイント(承前)2-3.下翼  胴体パーツA13とA9を寸詰めしたのち張り合わそうとしましたが、コクピット部のパーツが干渉したので前後で一部切り落として(A)(B)短くしました。また、コクピットから機体の下方向の観察する窓があるのでその部分を切り抜きました(C)。  下翼の中央部はパーツC4に左右の翼基部であるC5とC6からなるのですが、九六艦攻では逆ガルでソードフィッシュよりも長く、また幅もあるので、C5とC6は使えません。C4のC5やC6と接着する部分を切

      • 九六式艦上攻撃機-『特設空母安松丸物語』より #1

        1.はじめに1-1.特設空母安松丸物語  『宮崎駿の雑想ノート』の第9話『特設空母安松丸物語』に登場する九六式艦上攻撃機を1/48で制作しました。  九六式艦上攻撃機(きゅうろくしきかんじょうこうげきき)は、昭和9年に海軍航空技術廠が提出した案をもとに昭和11年に採用された日本海軍の最後の複葉固定脚の艦上攻撃機で、艦攻として初めて空冷星形9気筒のエンジン(中島製「光」二型:離昇馬力840hp)を搭載した乗員3名の機体で、海軍の略符号は「B4Y」、一般的には「九六艦攻」と略

        • Royal Navyは奥が深い #7 45ft FMB

          9.45ft FMB 英国海軍の戦艦に搭載されていた機動艇については、すでに"Royal Navyは奥が深い #4『艦載艇の種類(1)』と#5『艦載艇の種類(2)』"に記載しましたが、各艦の艦載艇の見直しとPit-Raodのクイーン・エリザベス(QE)級制作の下調べをしている中で、整理が必要となってきました。そこで、新たに項を立てて記載することにしたのでお付き合いください。  戦艦などにおいて士官の移動に使用されていた大型の機動艇は、第一次大戦後は主として50ft pin

        マガジン

        • Royal Navyは奥が深い
          7本
        • 特設空母安松丸物語
          4本
        • DKM制作記
          8本
        • His Majesty's Ships 制作記
          19本
        • Battleships in 1941
          23本
        • 日本海軍金剛型制作記
          14本

        記事

          IJN Kongo Class 1941 日本海軍戦艦金剛型(Fujimi 1/700) 追補編2

           2024年1月にモデルアート社から「スーパーイラストレーション No.4 日本海軍戦艦 金剛 」が発売されました。本書は岡本好司氏が描き起こしたイラスト集で、今までの資料とは比べ物にならないほどの詳細な図面が掲載されています。  「あぁ~そうなっていたのか」というところが何箇所もあり、もし金剛の制作前に販売されていたら、制作に1年以上掛かったかもしれません。手直ししたい箇所はたくさんありますが、どうしても腑に落ちなくて困っていたところだけ今回修正することにしました。  艦

          IJN Kongo Class 1941 日本海軍戦艦金剛型(Fujimi 1/700) 追補編2

          IJN Nagato Class 1941 日本海軍戦艦長門型(Fujimi 1/700) 追補編

           長門型の艦載機甲板は他艦に比べて狭く、カタパルトが構造物に接触し360度旋回することはできません。このため、やむなく斜めに向けてカタパルトを配置(A)していました。  ところが、最近になって豊旗さん(Facebook、Arthobycom)が、カタパルトの先端は折り曲げられて配置していることを指摘され、実際に作品として制作されました。  手持ちの資料を確認してみたところ、光人社NF文庫 『日本の水上機』 野原 茂(著)に、「中心線状に配置した呉式二号五型射出機は、旋回する

          IJN Nagato Class 1941 日本海軍戦艦長門型(Fujimi 1/700) 追補編

          H.M.S. Hood 1941 イギリス海軍巡洋戦艦 フッド(Tamiya 1/700) 追補編

          1.X砲塔 レナウン級に引き続きフッドについても追加改修を行いました。  改修ポイントの最初は、X砲塔です。何枚かの写真にX砲塔(第三砲塔)に謎のトラス状の構造物が写っています(A)(B)。艦載機を搭載した際のカタパルトの跡ではないかとも言われていますが、よくわかっていません。15年前に制作した時に参考にしたサイトでも再現を試みるよう推奨していたので、(C)のように制作しました。しかし、最近は1941年5月時のフッドの写真がいくつか見受けられ、そこにはこの構造物は写っていま

          H.M.S. Hood 1941 イギリス海軍巡洋戦艦 フッド(Tamiya 1/700) 追補編

          H.M.S. Renown Class 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン級 (Pit-Road & Tamiya 1/700) 追補編

          1.艦尾の錨 Pit-Roadのレナウンは、艦尾に錨鎖口があり艦尾用の錨を取り付けることができます。一方タミヤのレパルスの艦尾には錨鎖口がありますが(A)、艦尾用の錨のパーツがないので取り付けていませんでした。港内などで停泊中の写真が多いので錨が写っているケースがないのですが、レナウンと同様に錨を取り付けることにしました。  また、レナウンにはいくつか艦尾の錨が写っている写真がありましたが(B)(C)、レパルスの錨鎖口と同じく吃水から少しだけ高い位置に錨鎖口があるようです。

          H.M.S. Renown Class 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン級 (Pit-Road & Tamiya 1/700) 追補編

          マガジン名称変更のお知らせ

          HMSはクイーンエリザベス級を制作予定です。 制作記を整理するために、"HMS"を"His Majesty's Ships 制作記"に "DKM Scharnhorst級制作記"を"DKM制作記"に変更しました。 ブックマーク等をされている方は変更をお願いいたします。

          マガジン名称変更のお知らせ

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン (Pit-Road 1/700 waterline kit)

           Pit-RoadのW119E H.M.S. Renown 1942です。レナウンは、1916年9月20日に竣工したイギリス海軍の巡洋戦艦レナウン級のネームシップです。  基準排水量27,600t、満載排水量32,740t、垂線間長228.7m、全長242.0m、幅27.5mの艦体に、主砲として15インチ(381 mm)42口径MkI連装砲3基の計6門、副砲として4 インチ (102 mm) MkⅣ三連装5基と単装2基の計17門を装備していました。  艦名は、「名声」「有

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン 1941制作記 #4 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          4.その他装備の修正4-1.前部マストの形状  (A)から(D)にPic.3-1の各時期の写真の前部マスト部を拡大して示しています。キットは1941年8月にレーダー類を追加装備し迷彩塗装した(D)の時期をモデル化しています。このためマストの高さやヤードなどの基本構造を第二次改装後の(A)から(C)の時期に戻し、金属線に置き換えました(E)。  マストの中段の(F)部分には小型の探照燈のような装備が認められますが、8月以降は大きなType273レーダー(G)が設置されました

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン 1941制作記 #4 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン制作記 #3 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          3.塗装3-1.単色?迷彩?  改装後のレナウン(A)のように、第二次大戦前の英国艦は標準色である507C(Admiralty Light Grey)で艦体を塗装していました。開戦後の本国艦隊は507B(Admiralty Medium Grey)に塗り替えられたのですが、レナウンの場合は1940年頃のH部隊としてアークロイヤルやシェフィールドと写っている写真(B)(C)では、木甲板と同程度の明度なので507Cのままでであったと思われます。  写真によっては、甲板より下の

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン制作記 #3 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン制作記 #2 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          2.艦体と主要構造物の修正点2-1.艦体の制作時  いつものように艦底パーツに穴を開けてナットを仕込んだ後、艦体パーツを接着しました。艦体パーツは一体型ですが、艦底パーツとの間には若干のずれが生じたので、パテを埋め込む、あるいは削り落とす作業が必要でした。  甲板はいくつかのパーツに分割されているので、木甲板部のモールドを削り落として、自作クラフト紙木甲板に形を写し取った後、艦体に接着しました。ここでもパーツの隙間が生じやすいので、修正が必要です。TOP画像は甲板接着後に

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン制作記 #2 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン制作記 #1 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          1.はじめに1-1.巡洋戦艦レナウン  レナウンは、第一次世界大戦中に建造されたイギリス海軍の巡洋戦艦レナウン級のネームシップです。当初はリベンジ級戦艦の改良型として起工されましたが、戦争勃発により建造は一旦中断されました。第一海軍卿として艦船建造の責任者に復帰したフィッシャー提督は、巡洋戦艦ならすぐに建造して就役できるとして、レナウンの建造を再開する承認を得ました。  基準排水量27,600t、満載排水量32,740t、垂線間長228.7m、全長242.0m、幅27.5

          H.M.S. Renown 1941 英国海軍巡洋戦艦レナウン制作記 #1 (Pit-Road 1/700 waterline kit)

          Royal Navyは奥が深い #6 ライム野郎が七つの海を制覇する

          8.ライム野郎が七つの海を制覇する イギリスの水兵たちはアメリカ人から"limey"(ライミー:ライム野郎)と軽蔑の意味を含めて呼ばれていました。また、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカといった英国連邦の国々でもイギリス人に対して"limey"という呼び方をしていました。  しかし、この"limey"という名称に、Royal Navyが七つの海を支配し、イギリスが海軍大国として長く優位を保つことができた要因があったのです。 8-1. 壊血病  大航海時代から大

          Royal Navyは奥が深い #6 ライム野郎が七つの海を制覇する

          Royal Navyは奥が深い #5 艦載艇の種類(2)

          7.艦載艇の種類(2)手漕ぎのボートと帆船7-1. 32ft cutter  カッターは一般的には端艇(軍艦では短艇)と呼ばれ(A、B、C)のような手漕ぎのボートを指します。本来は1本マストの小型帆船を意味するので(D)のようなマストがあるタイプもあり、これはsailing cutterと呼ばれます。また、(E,F)のようなエンジンのあるタイプはmotor cutterと呼ばれます。 7-2. 30ft gig  ギグ(A)は、galley(ガレー船)とも呼ばれていま

          Royal Navyは奥が深い #5 艦載艇の種類(2)