H.M.S. Hood 1941 イギリス海軍巡洋戦艦 フッド(Tamiya 1/700) 追補編
1.X砲塔
レナウン級に引き続きフッドについても追加改修を行いました。
改修ポイントの最初は、X砲塔です。何枚かの写真にX砲塔(第三砲塔)に謎のトラス状の構造物が写っています(A)(B)。艦載機を搭載した際のカタパルトの跡ではないかとも言われていますが、よくわかっていません。15年前に制作した時に参考にしたサイトでも再現を試みるよう推奨していたので、(C)のように制作しました。しかし、最近は1941年5月時のフッドの写真がいくつか見受けられ、そこにはこの構造物は写っていません(D)。
このためこの構造物は撤去することにしました。
2.シェルター甲板の塗分け
『Royal Navyは奥が深い #2』で言及しましたが、英国艦には「Corticene」というリノリウム系と「Cemtex」というセメント系がシェルターデッキなどに用いられていました。フッドの甲板についても最近いくつかの資料が見受けられ、以前は上段のようにCemtexと考えられていたシェルターデッキが、下段のようなCorticeneとの併用であることがわかってきました。そこで、その説に従い、Corticeneを敷いた部分を艦橋の甲板と同じリノリウム色に塗分けました。
3.艦載艇
英国艦の艦載艇については、”Royal Navyは奥が深い #4,#5" で述べているように、艦と時期によって搭載パターンがかなり異なっています。フッドの艦載艇については、専用のレジンキットも販売されているように最近かなり研究が進んでいて、特にフッド関連の資料が豊富に掲載されている ontheslipway.com に詳しく記載されています。これを参考に次のように種類と搭載数と決めました。
50ft Steam Pinnace x1
45ft Motor Launch x1
42ft Motor Launch x1
35ft FMB x1
35ft Admirals Barge x1
32ft Cutter x1
30ft Gig x1
27ft Whaler x2
25ft FMB x3
16ft FMB x1
16ft Dinghy x2
2種のランチ(42と45ftの長さの違いは目を瞑りました)、カッターとディンギーはキットをそのまま使用し、35ft長官艇はキットのパーツを改修、50ftピンエースは長さが足りないので他艦の45ftピンエースを2個張り合わせて改修しました。その他はFlyhorkの艦載艇セットを利用しました。
4.フィッシャー提督の遺産
これで、英国海軍の巡洋戦艦3艦が揃いました。やはりフッドが群を抜いて長大なことがよくわかります。
ドイツのシャルンホルスト級は英国では巡洋戦艦に分類していますが本国では戦艦となってます。日本海軍の巡洋戦艦の金剛型は戦艦へ種別変更され、古い艦は廃棄されました。アメリカ海軍の巡洋戦艦はいずれも航空母艦に改修されたので、第二次世界大戦に参加した巡洋戦艦は、このフィッシャー提督の遺した3艦だけです。
しかし、防御力の低さからか、フッドはビスマルクに、レパルスは陸上攻撃機の雷撃のより沈没してしましました。近代化改装を受けたレナウンのみ両大戦を生き抜いたことになります。
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