IJN Kongo Class 1941 日本海軍戦艦金剛型(Fujimi 1/700) 追補編2
2024年1月にモデルアート社から「スーパーイラストレーション No.4 日本海軍戦艦 金剛 」が発売されました。本書は岡本好司氏が描き起こしたイラスト集で、今までの資料とは比べ物にならないほどの詳細な図面が掲載されています。
「あぁ~そうなっていたのか」というところが何箇所もあり、もし金剛の制作前に販売されていたら、制作に1年以上掛かったかもしれません。手直ししたい箇所はたくさんありますが、どうしても腑に落ちなくて困っていたところだけ今回修正することにしました。
艦載機用のクレーンは、実際に艦載機を吊るしている霧島の(A)の形状に組み立てるよう各艦の説明書に指示がありますが、公試航行中の金剛に見られるように航行中は起立していません(B)。特シリーズの各キットには大きさや形状が異なる(C)(D)(E)のような構造物が甲板上にモールドされています。また、クレーンの基部は比叡には半球状のカバーがモールドされていますが(G)、金剛と霧島にはありません(F)(H)。
航行中にはクレーンを倒して、この構造物の上に置いてあるのかと思い(つまりは設置台)、エッチングパーツ(EP)のクレーンに丸棒を付けて、写真に示したように寝かせていました(金剛型制作記#5『6-3.艦載機用クレーン』)。榛名は旧シリーズのキットを用いたので甲板上にこのモールドはありませんでしたので同様に設置台を作りました(榛名制作記#3『5-1.後部甲板』)。
榛名はクレーンの長さに合わせて設置台を作りましたが、特シリーズではいずれもクレーンが長すぎたのか、モールドの前後の位置がおかしいのか(さらに、金剛ではクレーン基部が収まる溝と設置台が一直線になっていない)、先端がはみ出した状態となり(A)、寝かせる角度も合わすクレーン基部の収まりも悪くなっていました(B)。
「スーパーイラストレーション No.4 日本海軍戦艦 金剛 」でこの部分を確認すると設置台と思われた構造物はクレーンの収納ケースでした。(A)の部分が蓋で、左舷側に開いて、中にクレーンを収納する構造だったのです。また、クレーンの丸棒の基部は溝の中に完全に収まった状態となり、上には蓋(B)がかぶさり(起立時にこの蓋がどこに行くのかは不明)、収納部の根本は半球状のカバー(C)がありました。
そこで、クレーンの収納されている部分のEPを切断して、収納ケースの艦首側に貼り付け、基部を溝にはめ込んで、蓋と根本のカバーを取り付けました。霧島は収納ケースの上蓋がなかったので他艦を参考に自作しました。
出来上がりを比較すると、比叡と霧島は収納ケースが小さくてEPのクレーンが収まりそうになく、ケースを自作した榛名がややオーバースケールだったのが幸いしてまともに見えるという結果となりました(TOP画像)。
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