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山本てら
2022年10月7日 15:50
言の葉のふしぶし痛き恋ごころ叶はぬがゆゑ忘られぬかな
2022年10月13日 10:22
はからずも塵となりにし院のこゑ積みかさなりて暁を待つ 今回は小説ではありませんが……
2022年10月25日 20:20
木々の間に燃ゆる火を見て声を持たぬ俤人の肩にゐかかる
2022年10月23日 23:41
匂ひ立つ森のしめりに戯るは子をなす力みなぎる男子
2022年10月21日 09:22
１センチの段差と格闘する人に吸引されてハンドル握るぬくもりに飢ゑたる細き背中かなその無精髭も深き帽子もごめんなさいここまでしか押せませぬ遅刻魔の我も急ぎたるゆゑお姉さんにいいことがありますようにでは効かぬよお姉さんじゃないから
2022年10月15日 16:21
運動会を忘るる夢は子の出番をふたつ見逃し半ば正夢思ひ入れはさしてなくとも数年に一度現るる町田駅南口の怪うつつにて夢かと思ひ夢にてはうつつと覚え命果つるかも
2022年10月11日 06:40
暁の赤きひかりに包まれて常盤木さへも秋をよそほふ
2022年10月9日 16:59
黙々と手のみ動かす若夫婦 幾年月をともに在りしか変態の好む席らし扉より入りて右側２番目の椅子闘牛のごとき息吐く太鼓腹の折り目正しき服の山々機械音は子守歌かな老人の傾ぐ首には妻の面影
2022年10月8日 19:33
速報は涙なしには見えずとも破壊の記録はことごとく美し
2022年10月6日 16:15
そこかしこ隔たりのなき都人伏し目がちにて身を守るかな
2022年10月4日 06:54
暁のカーテン越しにゆれる影 音無き風に秘められし声
