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テニス上達メモ039.「どうなるのか、やってみてくれ!」と、潜在意識にドーンとあずけてしまおう!


▶「未来」は絶対にどうなるか分からない


「今日の試合はどうなるんだろう?」

「自分のストロークは安定するだろうか?」

「サーブはちゃんと入るだろうか?」

こうした「未来」について考え始めると、どんどんプレッシャーが強くなり、ビビリが止まらなくなります。

未来はどうなるのか、だれにも絶対に分からないのだから、基本的には考えれば考えるほど、不安感が強まりやすくなる傾向

▶「思考にエネルギーが奪われる」と集中力が弱くなる

 
テニスに限った話ではありません。

就職、転職、試験など、これから迎える未来について考えると、不安になりやすいはずです。

考えれば「安心できるはずだ!」と錯覚するから考えるのだけれど、そうではない話は後述します。

そもそも考えるにはエネルギーが必要であり、疲れます。

体をさほど動かさないデスクワークなのに、場合によっては肉体労働よりもヘトヘトに疲れるのは、そのせいです。

エネルギーは無限ではありませんから、思考に奪われると、集中力に費やすぶんは目減りします
 

▶思考の多くが「ネガティブ」なのは必然

 
また一般に人間の思考内容の7~8割はネガティブだそうです。

ポジティブよりも、ずいぶん高い脳内シェア。

なぜそうなるかというと、楽観的よりも悲観的な内容のほうが「刺激的」であり、心が病みつきになりやすいからです。

「怒り」などはとても刺激的ですから、その内容を何度も反芻して、ずっととらわれ続けてしまいがちです。

ですから流れてくる思考に、流されるままでいると、つい悲観的になりやすく、出せる実力も出せなくなってしまいがちです(※注1)。

だからといって無理矢理ポジティブ思考をしようとすると、それはネガティブがベースだから、マイナスにプラスを掛け合わせても出てくる答えはマイナスです
 
「考えれば安心できる」が錯覚なのは、上記の理由によるのです。
 

▶結果は考えても「仕方がない」

 
そもそも勝負や試験はやってみるまで分からないのだし、実際、対戦競技型のテニスは相手あっての試合だから、勝敗がどうなるかや、自分の実力を出し切れるかどうかは、「自分のコントロール外」の領域にあるといえるでしょう。

プロの試合ですら、激戦もあれば、凡戦もある。

その結果はプレーヤーにとって、あずかり知らないところなのです。

いくら考えたって未来は分からない

だったら考えたって仕方がない

この原理原則に立ち返ります。
 
結果を考えれば頑張れる「やる気」が出るかというと、そうではない話はこちら

▶安心したくて考えるから、不安になる


安心したくて考えるけど、考えればむしろ不安感が強まる。

ですから考えれば考えるほど、かえって過度なプレッシャーを感じやすくなり、パフォーマンスが下がってしまうのです。

だけど「考えずにはいられない」のが、我々人間の性(さが)。

では考えてしまう不安に起因するプレッシャーには、どう対処すればよいでしょうか?
 

▶「前に打つ」と意識しなくてもコントロールされる理由


考えるから、不安になるのでした。

だったら「今日の試合、次のポイント、このサービス、どうなるのか全部やってみてくれ!」と、潜在意識にドーンとあずけてしまうのです。

潜在意識は、私たちの経験してきたテニスに関するすべての記憶を保持しているから、その中から最適なやり方をチョイスし、体を動かしてくれます。

たとえばボールを「前に打たなきゃ」とは、いちいち意識しません。

それは、テニスは基本的に「前に打つものだ」と潜在意識に記憶が保持されているから。

まさか、バックフェンスに向かってたたきつけるプレーヤーはいません(笑)。

ですから体はおおよそ狙うコースへ、ボールをコントロールするのです。

▶『インナーゲーム』の「セルフ2」登場


私たちがわざわざ、「前に打たなきゃ」とは意識しなくても、間違ってもサイドフェンスに向かって打ちつけないでしょう。

ちゃんとコントロールしようとしてくれるのです。

もちろん潜在意識に任せたからといって、すべてのプレーが上手くいくわけではありません。

ですが潜在意識に任せていれば、現時点での最適な動作を実現してくれます。
 
これが、実業家のビル・ゲイツが人生で最高の5冊のうちの1冊に選んだ『インナーゲーム』に出てくる「セルフ2」ですね。

▶「頼むぞ!」「任せた!」の魔法

 
たとえば歩行動作をあえて意識すると、何だかいつもよりも、ぎこちなくなったりしませんか?

同側の手足が同時に出たり。

そのような体のギクシャク感が脳に伝わり、余計に精神の不安を煽ります。

自転車で体がフラフラしたら、精神的に怖くなるのと同じ作用です。
 
歩行動作も潜在意識にあずけるから、スムーズ。

同様に「どうなるのか、やってみてくれ!」という潜在意識にあずける客体的な態度でテニスに臨むと、さまざまなメリットが生まれます

「頼むぞ!」

「任せた!」

「やってくれ!」と。

すると、ポイントやショットの結果など、あずかり知らない未来について考えずに済むから、不安になりません。

ゆえに、過度なプレッシャーに押しつぶされずに済みます。

だから、今を楽しめるし、思考にエネルギーを奪われないから疲れもしません

五感集中も鋭くなります。
 
思考のフィルターを通さないぶん、動作は自動的、かつ意識しない歩行動作と同様に、滑らか。

どうなるか分からないから、どうなっても大丈夫なので、「スルー力」も高まります
 
自力で頑張るのではなく、他力本願です
 

▶「なるようになる」

 
客体的な態度で臨むと、これからどうなるのかワクワクもします

未来については考えてもどの道分からないのであり、「なるようにしかならない」のだから、潜在意識にドーンとあずけます。

すると、「なるようになる」のです。

就職についても転職についても試験についてもテニスについても、今まで見たり聞いたりしてきた内容はすべて、潜在意識に蓄えられているからです。
 

▶『インナーゲーム』の「セルフ1」登場


潜在意識にどーんとあずけて上手く働いてもらうには、条件があります。
 
それは、顕在意識でどうにかしようとしないこと
 
これが『インナーゲーム』で言う「セルフ1」。
 
 意識が及ぶ顕在意識が関われる営みは、全体の3パーセント程度にすぎないと言われます。

「氷山の一角でしかない」とたとえられるとおり。
 
しかしこの一角(セルフ1)が、「悪目立ち」するのですね
 
残りの実に約97パーセントを、潜在意識(セルフ2)が司ります

▶他人事のように「客観視」


人によっては、「どうなるだろう」の思考から、「頼む!」「任せた!」「やってくれ!」へシフトするだけで、安心感を覚える効果もあります。

そして人は安心できる環境で、最も実力を発揮します。
 
自分でどうにかしようとしない他力本願。
 
どこか他人事のような捉え方になるから、客観視もできるのです。

ですから任せて、すべてをドーンとあずけましょう!

▶注釈まとめ:全力を出し切れないプレーヤーへ


※注1
テニスの試合では、全力を出し切る前に終わってしまうことも少なくありません。

全力を出し切って負けたのならまだしも、「もっと頑張れたはずなのに!」と、敗戦後に臍を噛むプレーヤーも少なくないでしょう。

かけっこなどは最下位だったとしても、一応全力は出し尽くせます。

だけどテニスの場合はそれもかなわず、全力どころか余力をたっぷり残したまま負けるケースも多い

こんな歯痒さったらありません。

顕在意識で「考える」ほど、そうなりがちなのです。

だから……。

「今日の試合、次のポイント、このサービス、どうなるのかやってみてくれ!」

潜在意識にドーンとあずけてしまいましょう!

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero